静かに
足音も立てずに出ていけたらいい
音もない
涙だけ流して終われれば
よく出来た漫画のようで
キレイだ

ばかばかしい

でも
本当は
どす黒いものを吐き出すことも、隠すことも上手くできなくて
思いっきり爪あとを残してしまうことしかできないんだ

どしていいかわからないことに
きれいに答えが出るわけでもない

明日はやってくる

どんなに吐いても

何も変わらないまま

明日はやってくる
苦しくても
時間は流れた

誰かの熱がほしいと思った夜
それはあなたじゃなくてもいいような気がした
初めて

暖かいにおいがして
私よりあたたかい誰か

何かが愛おしい

漠然と
何かが愛しい


目の前に道がある

まだその道はぬかるんでいるように見えて
私は踏み出せずにいる

だけど道が見える

どうすれば踏み出せるのか
それを考えて私は立ちすくんでいる
何をすれば
何を見れば
自分の何を見つめれば
私はひどく間違った道を選ばずにすむだろう

人が嫌いだった
今でも嫌いかもしれない

ちゃんと付き合えるようになったと見せかけて
でもそれは
じぶんより弱いような人間に対してだけ
すみませんでした
いやな思いをさせたかな

バリバリと
私に張り付いていたひからびた皮を
今から落としていくんだ

落として
色んなものを見てきたつもりだった
見てきた

記憶を手繰って

でも
指からこぼれた砂の下
静かに
深く

まだ足りなかったかな
・・・足りるのはいつだろう

こっちにおいでと
招いた手をつないで

あそこに光が見える

歩いていけるかな
私の中の
何かがひきちぎれて
ひどく痛む

その声をちゃんと聞く術を
私はどこかにおいてきてしまった
手をはなしてしまった

あなたの歌が空気に溶け込んでいて
どこにいても私に呼びかけてくる

その歌に手が届くことなどないと知りながらも
口ずさんでしまう
何も生まれないのに
何が怖いのかわからない
ただ怖い

歩いていても
抱きしめられていても
街の中でふと気づいても

いつも怖い

いつも

叫びたい
狂ってしまいたい

記憶が薄れる

どこに?
わたしはどこに行けるんだろう
私は空に遠く
海に遠く
山にも遠く

その濃い空気を吸う度に
とてつもない快感と
底知れない不安にとりつかれる

どれだけ小さく体を抱えても
首筋から溢れる恐怖はとまらなくて
鈍くなった感覚の中で
必死にその手にすがる
走り出せない
歩き出すことさえ

肌を這う無数の震えたち
力が抜ける
鈍い芯の痛み

でもあなたに会いに
私は
海を渡らなきゃ
違う空を見上げなきゃ

頭と心だけの旅はもう終わり

渡らなきゃ
あの海を
あなたに会いに

この慣れきった痺れを超えて
この冷たい足を前へ

会いに行かなくちゃ
何をしていても
不安がやってくる
すべてが一気に冷めて
よく知ったその
全身が固まる感覚

声に出して
外に出せるなら
抱きしめてもらえる

一人のときは
ひたすら
ぐるぐるぐるぐる

この不安は何かな?
わかったら、いい方へ行くかな?

どっちだっていいんだ
強くなりたい

前を向く
向く方は前しかないから
後ろを見てるつもりでも
見ているのは前だから

前を向く

あなたに聞いた
しあわせ?
しあわせ
それはなぜか意外な答えで
そうかあ しあわせかあ!、と
わたしは幸せの身近な実在に
嬉しくなった
安心した

よかった
わたしも
しあわせになるから
まっててね