俺、金原聡太はある一室にいる。部屋全体は古く鉄のカビた臭いが鼻をさす。部屋にある家具といえば…ベッドに机とトイレ、鏡といった所だろうか。察しの良い人は気付いたであろう。俺は監禁されたのだ。
俺は普通に6時に起床し、普通にインコのペルに『おはよう』の挨拶をし、普通に新聞を手に取りそれを読み、普通に朝ご飯を食べ、歯磨きをし、着替え、いつも通り普通に家を出て会社に向かったはずだ。そう、いたって『普通』に。ならいったいどこで『普通』の道を踏み外したのか。思い当たる節はない。(わかった!これは夢なんだ。目を閉じて3つ数えると…3…2…1…はいっ!……って…あり?)なにも変わっていない。現実だ。
「誰か~いないのか~?助けてくれ~。……お~い。」
どうやら、誰もいないらしく俺の声も虚しくこだまとなって消えた。俺はなぜかしら脱出ゲームのような感じで楽しみたくなった。が、仕事がある。
とにかく部屋にあるものを使ってここから逃げることを考えた。まずは机の中のものを調べた。ゲームではこういう時に机の中に何かあるものだ。(さぁ見よう。何がでるかな。何がでるかな。…)
結果…何もなかった。あるとすれば埃だけだ。成果はゼロ。次はベッドだ。ベッドの下とかには鍵みたいなのが落ちていてそれを使って脱出といったものだ。(残念だったな。ここで俺はゲームクリアだ。)……鉛筆。……鉛筆しかなかった。追加で埃。
俺はこの日すべての事を諦めてベッドで一日時間を潰した。
次に続く。
次でこのお話は完結です。さて聡太はどうやって脱出するのでしょうか。お楽しみに。