しんみり・・・
ストゥルーニャンの松並木。
ここを始めて通ったのは路線バスでだった。
脳裏に焼きついた、あの5年以上前のワンシーン。
青空だったなぁ。
実はポルトロッシュにて。
通り抜けるばかりで足を停めたのは初めて。
あら?鰯がそこら中に・・・。プカプカ腹を上に。
湾中無数の鰯・・・。カチコチ死後硬直中。
しかし、かもめ達すら既に興味ナシ、な量。
浜辺清掃員がビニール袋に鰯を集める。
昼過ぎには大きな40㍑袋がワンダース程出来上がっていた。
(鰯を狙っているうちの娘。終始拾って行こうよー、と言っていた。)
このおじさんによると、
「水が冷たすぎて凍って死んでいる。」のだって。鰯。
へぇー。納得いくのかいかないのか。
ま、地元民がそう仰るのだからね、
よそもんがどうこう云う場面では無し、か。
海辺でお子達を遊ばせ、帰宅。
夜は日本へ戻られるWさんに会う。
別れ際には久々に目頭が熱くなって、胸きゅーっとなった。
ここのところ、頭と身体ばかりがグルグルしてたのが、
久方振りに心へ何かが流れ込んだ。
お互い常に一対の自由と責任の狭間で
よろよろとバランスをとろうとしながら、
目標とか理想とかに向ってその日その日を踏みしめている。
言葉少なな彼の姿にはシッカリとした輪郭がある。
生真面目で、ストレート過ぎるぐらいに悩んでいるのが
手に取るように感じられ、
同じ”親”と云うスタンスの似通った不安を共有している感覚と、
毎度ながらの親心的な感情が渦巻く。
信念をぎゅっと握り締めて一歩先へ。
決断の良し悪しなんて誰が決める訳でもない。
いつもいつもお子達と目線を合わせて遊んでくれた。
今度会うのは何処でだろう。