アメフラシは全長30cmまで成長する貝類の仲間で、磯や岩礁帯に生息しています。貝の背中を触ると小さな貝殻があるのがわかります。紫色の汁を出したり、色鮮やかな縮れ麺のような卵を生んだりと、ユニークな生態も特徴的ですね。
アメフラシは分類上「軟体動物門腹足綱後鰓亜綱アメフラシ目アメフラシ科アメフラシ属」となる軟体動物・海水性の貝類です。自由に移動する事ができるので、貝類の中でも巻貝やカタツムリ、ナメクジに近い種類と言えますね。
外見はナメクジを太くしたような体型をしており、背中はやや盛り上がりヒダの様な物が付いており、中央に巻貝だった頃の名残である平たい貝殻が付いています。
移動や身体の固定には巻貝やカタツムリと同じく吸着性のある足を使います。
紫色の液体で防御する
アメフラシは危険を感じると紫色の液体を放出して身を守る。この液体にはサポニンと呼ばれる生物が含まれており、外敵を追い払うのに役だっている。
アメフラシの生息場所・採取方法
アメフラシは磯のような岩礁帯に生息しています。アメフラシの採取方法ですが、水温が暖かくなる春から秋・5〜10月頃に磯の浅場に移動してきます。潮溜りなど目に付く場所にいるので採取しやすいでしょう。磯で潮溜り、海中の岩を探すと張り付いているアメフラシが見つかります。潮位が下がる干潮時に、普段海中に沈んでいる岩場を探すと良いでしょう。
手が届く潮溜りや浅場に居るとは限らないので、3m以上の長さに伸びる釣り用のタモアミ用意しておけば、大抵目につく場所に居るアメフラシを安全に捕まえる事が出来ますよ。
アメフラシは釣れる事もある
磯で釣りをしているとルアーや仕掛けの釣り針にアメフラシが引っかかる「スレ掛かり」で釣れる事がある。大きなアメフラシだと仕掛けが切れたりするし、紫の汁を出したりと、釣り人的にアメフラシが釣れても全く嬉しくない。ナマコなら食べるんですが..とは言え、下記で紹介するようにアメフラシは食べられるので、もしアメフラシが釣れたら食べてみるのもありか??
アメフラシは食べられる
アメフラシ料理なんてものは聞かないものの、アメフラシは毒もなく普通に食べる事ができます。日本でも食用として食べられており、主に千葉県、島根県の一部地域で食されています。
アメフラシ自体に味はほとんど無く、ナマコのように弾力のある食感を楽しむ。
アメフラシの調理方法
アメフラシを料理する前の下処理は簡単で、丸ごと茹でてから冷水に付けて粗熱を取るか、1晩茹で汁に付け置きしてから、皮を洗い軽く擦り落としてから内蔵と背中の貝殻を取り抜きます。茹で汁に付け置きすると身が柔らかくなると言われています。
茹でた水、捌く際に紫色の汁が出るので、家族からひんしゅくをかわないように、使う鍋やまな板など、調理器具を使う際は注意して下さい。
アメフラシに味はないため、輪切りや千切りなど食べやすい大きさに切り、酢の物や炒め物に混ぜて食感を楽しむ為に使うと良い。アメフラシをメインで食べると言うより、キクラゲのような使い方が良いでしょう。
アメフラシの飼育
アメフラシは短期間なら飼育も出来ますが、飼育の難易度は高いです。まず驚くと紫色の汁を出しますが、閉鎖的な水槽内でこの汁を出してしまうと、自分自身の毒素で死んでしまいます。
また、アメフラシは新鮮な生の海藻を食べる為、新鮮なアオサなどの海藻を用意できるか、またその個体が好んで食べる餌を用意しないといけません。
水族館の様に水を循環したり、餌を採取できる環境じゃないとアメフラシの長期飼育は難しいと言えるでしょう。
どおしてもアメフラシを飼育したいなら、出来るだけ小型の個体を採取すると良いですね。水槽の容量に対して小さい方が水も汚しにくいですから。
水槽サイズはアメフラシの体長の3倍の横幅を目安に選んでください。10cmのアメフラシなら最低でも30cm水槽が必要です。水槽の水量が多いほど水質が安定するので飼育は楽になりますよ。
餌の海藻は石などオモリになる物に輪ゴムで巻きつけて近くに沈めてあげましょう。紫色の汁を出したら全ての水を水換えして入れ換えて下さい。飼育水は人工海水で問題ありません。
水温は20〜26℃を維持するようにし、28℃を超えないように注意してください。夏場の飼育では水温が高くなりすぎるので水槽用のクーラーが必要です。
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