ボラと言えばウキ釣りやサビキ釣り、ルアーフィッシングで釣れるザ「外道」とも言える魚です。しかし、ボラは引きも強いし、水が綺麗な場所に生息しているボラは臭みも無く美味しい魚なんですよ。
特に冬に釣れる「寒ボラ」は脂が乗っていて絶品と言う人も多い。ボラのアジが気になったら水が綺麗な場所で釣って食べてみよう。今回はボラの生態や特徴、釣り方を解説します。
ボラの生態と特徴
ボラはボラ亜目ボラ目ボラ科ボラ属の魚で、平べったい頭部と鯉のように下顎が短い口が特徴。硬く大きな鱗には灰色の斑が入る。正面から見た顔は丸っこく目が非常に大きく、三角形に見える口元も可愛らしい。ボラは鯉のように細かい餌を吸い込み濾し取りながら食べるベントス食で、水中や泥の中からプランクトンや藻類などを濾し取って食べています。
ボラは日本全域の沿岸部にに生息しており一時的なら淡水でも生きられる。大抵は数十匹の群れで水面付近を回遊しており、身近な川や堀に大群で現れたり、水面を何度も飛び跳ねる姿も目にする、割と人目に触れる機会が多い魚である。海で連続で跳ねてる大きい魚がいたら大抵はボラである。
今でこそ食用魚としてはあまり流通しないが昔はボラの養殖も行われていた。冬ボラと呼ばれる冬に捕れる脂肪を蓄えたボラは一部の地域で珍重されているし、唐墨(カラスミ)は日本を代表する三大珍味である。
ボラの産卵時期は10〜1月頃とされ、水温の暖かいエリアまで群れで回遊して産卵を行う。
トドのつまりの「トド」はボラの事
ボラは出世魚でありハク→イナ→トドと成長過程で名前が変化する。「トドのつまり」は名前は変わるが最終的にはトドに行き着くと言う事から出来たことわざとされる。
ウキ釣り、サビキ釣り、ルアー釣りで釣れる外道
ボラは細かい餌をメインに食べるため、ウキ釣りでもなかなか口にフッキングしないが、うっかりサビキやルアーの針に引っかかってくる事がある。
ボラは非常にパワフルな魚でサイズも大きく、ウキ釣りやサビキ釣りの外道として引っかかると、仕掛けを切られる事もあるため釣り人からは嫌われるが、いざ狙って釣ろうとするとなかなか釣れない魚でもある。
海で飛び跳ねてる魚は高確率でボラ
海に行くとピョンピョンと連続で飛び跳ねている魚を見かける事がありますが、この海で跳ねる魚は大抵の場合「ボラ」です。ボラは驚いたり身の危険を感じると飛び跳ねる習性があり、多い時では10回以上連続でジャンプします。ボラが集まりやすい川の河口付近ではよく見られる光景です。
ボラは淡水にも適応
釣ったボラ食べるなら、できるだけ川の河口から遠いポイントで釣りたいものである。また工業地帯や湾奥で釣れたボラも臭みが非常に強い個体が多い。
臭いボラは体表のヌメリ自体も臭いので、持ち帰るなら匂いを嗅いで調べるとよい。
カラスミはボラの卵巣
カラスミとはボラの卵巣を塩漬けにしたものです。大きなボラを釣ったら自作のカラスミを作ってみるのも良いですね。
ボラが釣れる場所
ボラは堤防や漁港と海から近い河川、沖磯まで様々な場所で釣れる。しかし、ボラを狙って釣るにはメインの釣り方がギャング釣りとなるなので、足元に仕掛けを落とせて障害物が少ない堤防・波止が釣りやすいでしょう。
ボラも回遊する魚なので同じ場所に居るとは限りませんが、川の河口から近い漁港や堤防なら回遊してくる可能性も高くなる。
ボラの釣り方
引っ掛け釣り(ギャング釣り)
引っ掛け釣りはギャング釣りとも呼ばれ、大きな鉤爪のようや釣り針やルアーのトリプルフック、大量の釣り針が付いた仕掛けでボラを引っ掛けて釣る釣り方です。
ギャング針が付いた仕掛けを沈めておき、撒き餌を撒いて集まってきたボラが仕掛けの真上に来た瞬間に釣竿を煽ってボラを引っ掛け釣り上げます。回遊する群れを待って狙う事も可能。
スポーツマンシップ(フィッシャーマンシップ?)の観点から魚の体に針を引っ掛けて釣るのはアンフェアだと言う意見も多い釣り方です。なのでギャング釣りなんて名前で呼ばれているんでしょうね。
確かに他の釣り物だとスレ掛りで釣れても釣った数に入らないと言う人もいますし、釣り大会のルールでスレ掛りはカウントしない場合もあります。
とは言え食べるために釣るのであれば、傷付けてリリースする訳ではないので、本人が納得できれば釣り方を気にする必要はないでしょう。もしリリースを前提に釣るならギャング釣りはダメージが大き過ぎるのでやめましょう。
釣竿
ボラの引っ掛け釣りでタイミング良く針を引っ掛ける必要があるので、軽くても張りとパワーのあるシーバスロッドやライトショアジギングロッド、遠投磯竿が適している。
あまり柔らかい磯竿などの釣竿は適していないが、遠投磯竿なら重い事と取り回しの悪さを除けば使用できる。
リール・ライン
3000〜4000番のスピニンリールに4〜5号のナイロンライン、または1.5〜3号のPEラインを100〜150m巻いて使用します。
上記のラインの太さは余裕があるので釣りに慣れている人ならもう少し細くても大丈夫でしょう。長さも50mも巻いておけば普通にボラ釣りができます。
ギャング針
ギャング針やボラ針はボラを引っ掛けるための釣り針で、巨大な3〜4本鈎か小型の釣り針が複数組み合わさった形態をしている。ルアーフィッシング用のトリプルフックも使える。
ボラを集めるためのコマセカゴが付いたタイプもあり、このタイプは水深が深い場所やウキと組み合わせて少し沖に投げて使うこともできる。ボラを目で見て確認できる範囲とならります。
オモリは針の下に付けるタイプと針の上に付けるタイプがあります。下オモリならナス型、針の上ならスナップが付いたナツメオモリの3〜10号のオモリを購入して下さい。
大抵のギャング針には返しが付いていないので、一度引っ掛けたら常にテンションを保ったまま巻き上げないといけません。トリプルフックなら簡単にはバレません。
ギャング釣りの釣り方
ボラの引っ掛け釣りは釣り方が非常に簡単で、特別なテクニックも必要ない。ドラグ調整はラインを手で握って引っ張ると糸が出るくらい(2kg程度)に設定して釣りながら調整する。
まずはコマセを撒いて集まって来るボラのタナを確認し、次に先にギャング針が付いた仕掛けをボラの集まるタナより30cmほど下に沈めておきます。
仕掛けの周りにコマセを撒いて集まってきたボラが仕掛けの真上に来るタイミングで勢いよく竿をシャクリ上げてフッキングさせましょう。回遊が多い場所なら撒き餌が無くても釣れますよ。
ボラが引っ掛かったらとにかくラインテンションが緩まないように注意してやり取りし、水面まで浮いてきたら手早くタモ網に入れるか抜き上げます。
水面を群れで泳ぐボラならギャング釣りを群れより沖に投げて、そーっとボラの近くまで引っ張ってきて、一気にシャクリ上げて上手く引っ掛けるだけで良い。多少のコツを掴むまで慣れが必要ですが、沢山ボラが集まっているなら難しくはないですよ。
〈エサ釣り編〉
ウキ釣り
やや難易度は高くなりますが、ボラはウキ釣りでも釣る事ができます。ウキ釣りでは水面付近に見えるボラを針に付けたオキアミエサに食いつかせて釣る釣り方です。
タックル
エサ釣りのタックルは細いハリスを使うため、柔らかい磯竿や万能磯竿を使用するのがベストだ。ウキ釣り仕掛けは水面を狙うので簡単な固定ウキ仕掛けで問題ない。道糸は2号程度、ハリスは1.5〜2号と細い方が食いは良い。
仕掛け
ウキはB〜2Bの浮力でガン玉も浮力ど同様の物を用意。針はグレ針の4〜8、チヌ針の3〜6をオキアミの大きさに合わせて選びます。
ボラのエサ釣りは針が小さい方が有利なので、小さい針を選んでオキアミの尾の部分を小さくカットして付けるのも有効です。
エサ
付けエサにオキアミを使いますが、サイズは小さめで柔らかいタイプがおすすめ。コマセの中から選別しても問題ありません。
大きすぎるなら尾の先の部分をカットして針に刺します。
釣り方
オキアミが漂うタナをボラのいるタナに合わせる。次に仕掛けを入れたらオキアミコマセを撒いて集まってきたボラに付け餌を食わせる。ボラのエサ釣りが難しいのは、ボラはなかなかエサに食い付かないことで、付けエサの周りに沢山集めてもエサを食わない事が多い。
その場合は付け餌にアクションを付けると興味を持って食い付くかもしれません。竿をゆっくり持ち上げて付けエサを動かしたり、コマセを撒いたポイントより少し沖に入れた仕掛けを引っ張ってコマセに群がるボラの中に入れるとパクッと食いつく事がありますよ。
投げ釣り
ボラの吸い込み仕掛けを使用した釣りで鯉釣りによく似ている。吸い込み仕掛けをオキアミとダンゴ釣り用の集魚材で包みボラがいる付近に投入してアタリを待つのだ。
デメリットとして表層を回遊している群れには効果が無いため、ボラが積極的に底で餌を食べている場合に活用したい。
ボラの食べ方
【まとめ】
ボラを釣るなら断然引っ掛け釣り(ギャング釣り)が釣りやすいので、本気でボラを釣って食べたい人や初心者は引っ掛け釣りに挑戦して下さい。
もしかしたらご当地ルールで引っ掛け釣りが禁止の場所もあるかもしれないので、漁港などに注意書は良く確認して下さいね。
あと、大きなボラの抜き上げにはタモアミが必要なのでお忘れ無く。
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