アジアアロワナの飼育方法|水槽の大きさ、費用、餌、病気、混泳、飼い方 | す〜さんの釣行記&釣り情報・時々AQUA

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アジアアロワナは大型魚マニアからも人気の高い淡水魚です。アジアアロワナは全長60cmとシルバーアロワナやブラックアロワナよりやや小型で、120〜150cmの水槽でも飼育できるのも人気の理由でしょう。
アジアアロワナは成魚になると50cmを超える大きさまで成長しますが、輸入されてくる幼魚は15cm未満の幼魚が多く、小型の若魚から飼育して体色の変化を楽しむのがおすすめですよ。
最終的に120cm以上の水槽が必要な大型魚なので飼育設備の費用も高額にあり、アジアアロワナ自体の価格も綺麗な種類を選ぶと非常に高価になりますが、その美しさと迫力は熱帯魚の中でもトップクラスです。
今回はアジアアロワナの特徴や飼育に必要な水槽、混泳、病気などについて紹介します。


アジアアロワナの特徴
分布:東南アジア
全長:60〜70cm
寿命:10〜15年
性格:やや気が強い個体もいる
水槽:横幅120×奥行き60×高さ45cm以上(理想は150cm)
水温:24〜30℃
水質:PH6.0〜7.5

アジアアロワナはアロワナ科に属する淡水魚で、古代魚と呼ばれる魚の一種でもあります。アジアアロワナは東南アジアの島々に広く分布していますが、これは大陸が一つだった頃に進化して、その後地殻変動によって島々に分かれたからです。近縁種にはシルバーアロワナやブラックアロワナ、ノーザンバラムンディがおり、世界最大級の淡水魚と言われるピラルクもアロワナに近い種類である。

アジアアロワナはワシントン条約によって取引が規制されているが、シンガポールやインドネシアで盛んにブリーディングされており、首元にマイクロチップが入ったブリード個体が安定的に輸入されています。

性格は個体差があり気が強く排他的な個体もいれば、全く無関心な個体もいます。攻撃的な性格だと呼吸に上がるポリプテルスに噛み付くなどする場合もありますが、複数の魚と混泳させて攻撃対象を分散させると大抵は上手くいくでしょう。


飼育費用
大型魚であるアジアアロワナの飼育費用は高額になります。120〜150cmのアクリル水槽は飼育設備全体で15〜60万円ほど、床の補強も必要となるため最終的に50万円以上の出費は想定しておいた方が良いでしょう。電気代や餌代と言ったランニングコストも月1〜2万円くらいになります。更にアジアアロワナは寿命も10年以上と長く、長年払い続ける費用も含めて最後まで飽きずに飼育できるかもよく検討してください。


種類・バリエーション
アジアアロワナには非常に沢山の品種がありますが、主に3種類の色で区別することができます。

赤・レッド
赤色・レッド系のアジアアロワナは見栄えがするため特に人気が高い。金色より価格と発色の良さが比例するので、濃い赤色をしたアジアアロワナが欲しいなら30万円くらい出さないといけない。赤は台湾や中国では縁起が良い色のため特に人気である。
赤色を強く発色させるには底面・背面・側面を黒にするとよい。 
バンジャールレッド、紅龍などが有名。

金色・ゴールド
金色のアジアアロワナはゴージャスな印象がありスタイリッシュな印象を受ける。金色のアジアアロワナは体色を濃く見せたいなら鑑賞面以外をブラックに、明るく白っぽい体色にしたいならホワイトや水色にするのがおすすめ。


グリーンアロワナ
グリーンアロワナは最も価格が安いアジアアロワナである。グリーンアロワナはアジアアロワナではないと言う人もいるが、シルエットはアジアアロワナなので、安くアジアアロワナが欲しい人にはおすすめ。

その他
プラチナやアルビノ、ショートボディと言った希少な変異個体も稀に販売されている。


アジアアロワナの販売価格
アジアアロワナの販売価格は3万円くらいと安い物から、レアな個体では1000万円以上するまでピンからキリまである。基本的には30万円程度出せればアジアアロワナとして綺麗と言える個体が手に入るでしょう。
参考までに購入するまえに品種名で検索して、成長した時の色合いを調べておくと安心です。


水槽
アジアアロワナの成魚を飼育するには最低でも横幅120cm×奥行き60cm×高さ45cmの「120cmワイド水槽」が必要です。規格品の120cm×45×45cm水槽ではアロワナは飼育できないので注意してください。アジアアロワナは体が固く奥行き60cmだと大型個体は反転が窮屈そうです。出来れば水槽の奥行きも70〜75cmは確保してあげたいですね。

他の魚と混泳させなり、複数のアジアアロワナを飼育したいなら、確実に150×75×60cm以上の水槽が必要になります。アジアアロワナも品種によって60cmを超えて育つこともあるので、120cm水槽だと1匹でも手狭に感じるかもしれませんよ。

アクリル板の色も重要
アジアアロワナは水槽の底面・背面・側面の色によって体色が薄くなったり濃くなったりと変化します。アクリル水槽なら注文する際に板の色が指定できるので、過背金龍や紅龍を綺麗に見せたいなら底面・背面・側面のカラーにもこだわりたいですね。基本的に体色を濃くしたいならブラックにして、明るめにするならホワイトを選ぶとよいでしょう。
ただ、全面クリアのアクリル水槽より色付きだと価格は高くなります。クリアのアクリル水槽でも底面黒と近い効果を得る方法として、底面が隠れる程度にガーネットサンドという砂を敷くと体色が濃くなります。ただし、ガーネットサンドを敷くと水換えする際にサンドクリーナーで砂を掃除する手間が増えてしまうのが難点です。

アロワナは非常にジャンプ力の強い魚で、水槽の蓋くらいは軽く弾き飛ばし、水槽から飛び出してしまいます。飛び出しによる事故死が非常に多いので、蓋の上にはペットボトルを2〜4本載せるなどして、飛び出し対策して下さい。
蓋自体も成魚の場合はガラス蓋だと割れるので、ポリカーボネート(ポリカ蓋)やアクリル製の蓋を使用します。厚みは重しを乗せても歪まないように5mm以上の厚さがおすすめです。蓋自体も重い方が飛び出し難くなりますからね。
水槽自体に蓋が跳ね上がらないような、蓋を引っ掛けたり、ネジでフランジと固定できる加工をしてくれる水槽メーカーもありますよ。


水槽設備の入手
120cm以上の水槽はほとんどお店で販売されていないので、「アクリル水槽」をアクリル水槽専門の水槽メーカーや大型魚に強い熱帯魚専門店で注文して購入する事になります。基本的に水槽台やフィルターなど飼育設備一式を注文するとよいでしょう。この時、水槽の色や水槽台の高さなども指定します。
120×60×45cmアクリル水槽の販売価格は6万円〜8万円ほど。アクリル水槽の価格はアクリル板の品質や板厚、接着方法によって変わりますし、強度も変わってくるので信頼できる水槽メーカー、熱帯魚ショップで注文するようにしましょう。熱帯魚ショップで注文するメリットとして、水槽だけでなくフィルターやヒーターなどの飼育設備全体を一緒に揃えることができます。大抵価格も単品より安くなるはずです。

とにかく安く欲しいなら、オークションやフリマアプリで中古品を探すのもありですね。画像でしか状態を確認できないので、届いたら予想より傷だらけだったなんて事もありますよ。


床の補強が必要です
ちなみに、120cm以上の水槽は木造住宅なら必ず床の補強が必要になります。120cmワイド水槽で400kg、150cm水槽で600kg程度の総重量となるため、補強しないと床が抜けてしまいます。鉄筋コンクリート構造(RC)のマンションなら、構造次第では150cm水槽までは普通に設置できるかもしれません。筆者も180cm水槽と90cm水槽をマンションの4階に置いてましたしから。
水槽を設置する前に必ず施工業者に床の強度を確認して下さい。あと、契約上の問題で賃貸だと水槽自体の設置が無理な物件もありますよ。


幼魚の飼育水槽
アジアアロワナは大抵15cm未満の幼魚が販売されているので、幼魚のうちから大きな水槽は必要ありません。アロワナの全長が水槽幅の3分の1以上まで成長したら段階的に水槽サイズを大きくしてください。
水槽サイズの目安として、15〜20cmまでは60cm水槽、20〜30cmまでは90cm水槽、30〜40cmまでは120cm水槽、40cm以上は150cm水槽に移すのがおすすめ。

ただ、何個も水槽を購入するのは金銭的な負担が気になる人もいるでしょう。その場合、できるだけ安く済ませたいなら、60cm水槽以降は最終的に飼育する水槽に移してもよい。あまり広すぎて怯えたり生き餌を捕食できない場合は、セパレーターで水槽を仕切って狭くすればよい。成長に合わせて徐々にセパレーターをずらしていけば良いでしょう。


濾過フィルター
大型魚で水を汚すので濾過フィルターはできるだけ濾過能力の高い「上部式フィルター」や「オーバーフロー式濾過」を採用しましょう。90cm水槽までなら「外部式フィルター」も使用できます。上部式フィルターと外部式フィルターを2種類組み合わせて使用すると、片方を掃除してももう一方が機能するためより水質が安定します。外部式フィルターは酸欠になりやすいので、シャワーパイプ(排水パイプ)の水流を水面に向けるなどして水面を波立たせたり、エアーポンプを使い水中に酸素を取り込むようにして対策して下さい。

オーバーフロー
オーバーフロー式濾過は水槽自体に配管が付いていて、水槽の下に濾過槽を設置することができるため、非常に大きな濾過槽を設けられるのが特徴です。濾過能力も高く総水量も増えるため、水質は格段に安定しますが、オーバーフローは水槽設備自体をオーバーフロー用で注文する必要があるため、費用が通常濾過の水槽設備より2〜3倍以上になるのと、設備の総重量が重くなるデメリットもあります。

水換えするのが重要
どんな濾過フィルターを使うにしても、最終的にはしっかり水換えするのが水質の維持に1番効果があります。週1〜2回、3分の1から半分の量を換えるようにして下さい。
目安としてはPH(ペーパー)が6.0を下回らないように水換えするのが理想的です。水換えささてもPHが上がらなくなってきたら、水換え量が少なくて硝酸塩が蓄積しているか、濾過槽に汚れが沢山溜まっている可能性があります。
PHの降下を防止するためにサンゴ砂をろ材に混ぜて使う人もいますけど、硝酸塩の蓄積に気付きにくくなるので注意が必要です。


ろ材
ろ材には目詰まりし難いLサイズ以上の大きなリング状ろ材を使うのがおすすめ。ウールマットは汚れたら小まめに洗浄するか交換して下さい。


エアーポンプ
溶存酸素量の豊富な水はアジアアロワナと濾過バクテリアの活性を高めますし、万が一濾過フィルターが故障して停止してもアロワナの酸欠を防げます。多少エアーポンプの音はきになるものの、エアレーションを施した方が安心ですよ。


浄水器
大型水槽にバケツで水を入れるのは大変です。浄水器を使えば水道から直接注水できますし、30℃以内の温水も注水できるので冬場の水換えも安心。浄水器は必ず用意しておきましょう。
給湯器によっては抵抗になる浄水器が使えないタイプもあるので、必ず給湯器の説明書を確認して下さい。



照明
アジアアロワナを綺麗に見せるには照明も重要です。アジアアロワナの飼育に使われる照明には水槽の上に置くタイプと、水中ライトの2種類があります。近年はLED照明が種類なので、照明器具はLEDでかまいません。
水中ライトは光をアロワナを横から照射できるので、アロワナをより美しく見せられる。水中蛍光灯は水温上昇が気になるので、近年主流の水中LEDがおすすめです。満遍なく光を当てるために両方の照明を使用している人もいますね。蓋のに置く照明は多少は飛び出し対策にもなります。水中照明は破損する可能性もあるので注意が必要です。

照明の色は赤色系なら白色にプラスして赤を含んだ色の照明を使用し、金色系は白色に青色を加えたの照明を選びましょう。確かに照明によってアジアアロワナはより綺麗に見えますが、あくまで照明の色の比率は好みで、真っ赤な照明で飼育している人もいますし、自然に白い照明だけで飼育する人もいます。

照明の点灯時間
アジアアロワナの生息地では日照時間が10〜12時間なので、照明の点灯時間も1日10〜12時間が理想的。照明の照射時間が長いとコケの発生も増えますし、基本的には10時間で良いでしょう。


エサ
アジアアロワナは浮上性の人工飼料や生き餌、昆虫を食べる。基本的には「ひかり カーニバル」のような浮上性の人工飼料だけでも飼育が可能です。
より大きく育てたい人や家を長時間開けがちなら、メダカや小赤(金魚)のような生き餌さを常に泳がせておくとよい。
コオロギやミルワーム、デュビアと言った昆虫はアロワナの好物ですが、栄養価が高い変わりに与え過ぎると消化不良と肥満の原因になります。人工飼料や魚にプラスしてオヤツ程度に与えましょう。
クリルも好みますが、クリルの与え過ぎは背曲がりの原因になるので、こちらもオヤツ程度に与えてください。


水質
アジアアロワナに適した水質は水温26〜28℃、PH(ペーパー)6.0〜7.0の酸性〜中性です。ペーパーが下がり過ぎると体表や目が白く濁って肌荒れするので注意して下さい。
水換えの量が不十分だと徐々にペーパーが下がってしまうので、時々ペーパーメーターで計測するようにしましょう。


混泳
アジアアロワナは大きさが近い様々な大型魚と混泳が可能。ポリプテルスやアイスポットシクリッド、淡水エイ、パロットファイヤー、カラープロキロダスは相性がよく、混泳させている人をよく見かける。
カラープロキロダスはコケと残餌を掃除してくれるので特におすすめの混泳魚だ。
混泳に注意が必要なのは気が強いシクリッド系のオスカーや、スネークヘッド、プレコ類など。プレコは縄張り意識が強くアロワナに体当たりしたり、アクリル を齧って曇らせてしまいます。

混泳は1対1だと争う場合があるので、混泳させるなら同種他種を問わず3匹以上からの混泳がおすすめです。


病気
アジアアロワナなどアロワナは「目垂れ」や「顎ズレ」と言う特有の疾患が生じる事があります。病気と言う訳ではなく、食習慣や飼育環境が影響すると言われています。

目垂れ
目垂れはアロワナが底面ばかり意識して見ていると発生すると言われています。目タレの原因には底層に混泳魚がいる、底面からの反射、水槽が高い位置にあり人間やペットを見下ろしているなど、アロワナが下を気にして見ている状態が続くと発症すると言われています。混泳魚の餌で沈下製の餌を拾って食べるアロワナも下を見がちなので要注意です。
自然化でアロワナは上方向か横方向を意識して見ていますが、飼育下では下を意識して見る機会が多いために目が垂れてしまうんだそうです。

目垂れの対策としては水槽台を低くする、底面がクリアならガーネットサンドなど砂を敷く、鑑賞する時以外は水槽側面(透明の面)を布など幕で覆う、底層魚を取り出すなどして予防しましょう。
水槽の真上に鳥や蝶々の玩具をぶら下げるなど、上を意識させる方法もありますが、あまり意図的に上方向を意識させ過ぎると、ジャンプしてしまい水槽から飛び出したり怪我に繋がるので、よく注意しないといけません。

また、高カロリーな餌の与えすぎで脂肪が溜まり目が垂れると言う人もいます。成魚になってから目が垂れたなら肥満じゃないかも確認してみましょう。迫力を求めてコオロギやミルワームのような高カロリーな餌を与え過ぎている人も多いですからね。


顎ズレ
顎ズレはアロワナの下顎が伸びてシャクレたようになってしまう状態です。顎ズレを起こす原因としては、アロワナが成長不良を起こしている可能性があります。
アロワナの顎の成長スピードは一定と言われており、水槽サイズが小さかったり、餌を控えていると体の成長は遅くなりますが、顎だけは普通の速度で成長するため顎だけが長くなってしまうんだそうです。
顎ズレを予防するには成長段階に合った水槽に移動する、しっかりバランス良く餌を与える事が重要です。

また、ジャンプして蓋にぶつけた怪我により、顎がコブ状に隆起してしまうこともあるので、ジャンプしないように原因を取り除いてください。


【まとめ】
アジアアロワナの飼育には費用が掛かりますが、所有欲を満たしてくれる魚ですし、来客が来たら目を引く存在になることは間違いありません。