send off - おわかれ


世界の片隅で静かに生きていた小さな命がいなくなった。
幼稚園からの幼なじみの息子クンが24歳の若さでまさかの他界。
誰が亡くなっても痛感するのは、ひとがひとりこの世界からいなくなるっていうのはそりゃそりゃあ大変なことだってこと。
途上国でこんなに大変なことが、飢餓だったり、伝染病だったりで、我々のそれよりももっともっと頻繁に起こっているのならそれはそれは大変なことだ。

加え、去年乳がんを煩い手術をした親しい人の中に、遠隔転移がみつかり、これだという治療方法がないというがっくりくる知らせあり、なんともココロ落ち着かない1週間だった。

つまり、私は果てしなく非力なのだと。

仕事が終わってから車を走らせて息子クンのお通夜へ。
道中スカイツリーが見えて、タワーマンションが見えて、数えきれない命がひしめき合っている東京の街を尻目に、人が亡くなるってことは、今、目の前にはいないけどどっかにいるんじゃない?ってな可能性が「絶対に」なくなるってこと。この世の中絶対なんてことは滅多にない。絶対にいなくて、絶対にもう会えなくて、絶対にもどってこないのだと、強烈に思う。

他界した24歳の青年の彼女は更に若くて、あっち側に逝ってしまった「彼氏」の脇で、まるで彼がまだ「こっち側」にいるかのようにそばにいてた。

今更ながらに、人を好きだとか、愛しているとか思う気持ちのつよさってすごいって思う。

なんてたって、別がいないんだから。他の誰かじゃだめなんだから。