あの素晴しい愛をもう一度






ご近所のどなたかの最近のピアノの練習曲が、どうやら『あの素晴しい愛をもう一度』なようで、
このフォークの名曲が毎日聞こえてきます。そしてだんだん上手になっていってらっしゃいます。
継続は力なり。

最近の記憶はとどまっていてはくれないのに、小学校の頃の音楽の教科書にたしか載っていたように思われるこの曲、ピアノのメロディーを聴いてると、ちゃーんとリリックがよみがえるからすごい。


この曲1971年につくられたのだそう。ウィキペディアをみると、実にいろーんな方々にカバーもされてきてる。サザンオールスターズとか、由紀さおりさんとか、岡崎友紀さんとか、トワ・エ・モアさんとか、なにしろたくさんの人がカバーしてる。

この歌を小学校の学び舎で、級友とともに歌っていたあの頃、私の脳内にあった『愛』への想像っていったいどんなんだったんだろう。

いつか自分も、ストッキングをはいたり、ブラジャーをしたりする大人になり、恋人ができて、結婚して団地で暮らすようになる的な、将来の愛への貧しい想像をしていたようにも思える(笑)
結婚や母になることを夢に描いているようなかわいげはなかった。

当時の級友たちもそれぞれがそれぞれの「すばらしい愛」を見つけて、所帯という愛のユニットを構築して暮らしてるのだろう。ユニット崩壊ストーリもあったかもしれないし、彼らのうちの何人かの子供たちが同じ学び舎で、同様に、『あの素晴しい愛をもう一度』を熱唱しているかもしれない。
確かに、『あの素晴しい愛をもう一度』などという、歌詞の内容は、子供が歌うから目を細めて聴いていられるのであって、とうのたった愛に破れたミドルエージが歌っては、醸し出すものが違ってくるのかもしれない。

※ わたくしが愛に破れたミドルエージと言っているのではございませぬが。


でも、今度、ご近所の生演奏で歌ってみようかしら、久々に。



今思うと、当時の義務教育とは不可解なもんだ。


ブルマは何だったんだ?
水泳の授業で、全く泳げない人だけがかぶっていた赤い帽子はなんだったんだ?
体調を壊し(今思えば、ナーバスブレークダウンだ)、学校に来なくなった担任はなんだったんだ?
教室で収拾がつかなくなって、泣いちゃった新任の担任の先生はなんだったんだ?
竹刀をもって校内を歩き回っていた男教師はなんだったんだ?
スカートの裾が膝から何センチのところにあるのかものさしではかる服装チェックはなんだったんだ?
前髪が長いと裁ちバサミで生徒の髪を切った教師はなんだったんだ?
体罰を生徒に与えるときに発していたヤクザな怒声と威嚇はなんだったんだ?
運動会や体育祭のときの、全員が歩調を完璧にあわせる軍隊めいた行進はなんだったんだ?
『気をつけ!』『安め!』はなんだったんだ?


すべては昭和のことである。


昭和に育った者が平成の世をつくった。
そして昭和を懐かしんでいる。