hotel confidential - ホテルコンフィデンシャル

Newsweek(2011年6月13日号)からの記事です。
Hotel Confidential
It's the dirty secret about business travel. Many married men expect sex along with their room service, according to a NEWSWEEK poll. But will the Strauss-Kahn scandal change the rules of the game?
出張の裏に隠された汚れた事実。
既婚男性の多くが客室係の女性とのセックスを期待していることがニュースウィークが行った調査で浮き彫りに。
Strauss-Kahn氏の起こした醜聞がこの火遊びのルールを変えることになるのか?


<ざっと訳>はずっと下方に載せてありますので、必要であればご参考程度にご利用ください。


オンライン版ではなく、紙版のNewsweekでは既婚男性を対象に行った調査結果がもう少し詳しく出ています。

今日特筆したい点は2点ありまして、

1つは、
この手の「事件」あるいは「犯罪」(まだStrauss-Kahn氏が有罪だと決まったわけではありませんが)を取り扱った日本の記事がめちゃくちゃ少ないということ。そもそも海外のメディアで取り上げられていることと、日本のメディアが大きく取り上げることは普段から「ずれ」がありますし、震災後、それどころじゃないということもございましょう。

ただ、日本では、この手の事件というのは、あるまじき、罰せられるべき「犯罪」というよりも、醜態、醜聞くらいの軽視の傾向があるのなら、それは問題であると私は考えたいと思います。

女遊びは芸の肥やし

だとか、


テレビで俗にいう”お笑い”インダストリーの人たちが、まるで「かっこいい」ことのように、あるいは「単におもしろおかしいこと」のように、当たり前のように軽く取り扱われているのは、ちょっと民度が低いかと思ってしまいます。民放のバラエティ番組を見ていると、ナイーブな視聴者なら、無責任で軽はずみな性行動を男性がとることは、その男性が女性から賞賛されていて、もてててかっちょいいことという間違ったメッセージを受け取ってしまいかねません。


先日騒動を起こした内田裕也氏についてとった樹木希林さんの言動に、さすがだ。あっぱれ。すごい。などという声が多く寄せられますが、


夫の醜態を許さず、離婚して新たな道を見つけていこうという決断をとった人っていうのは、あまり日本文化の中では賞賛されません。



演歌なんかも、歌詞をチェックしてみると、いろいろ我慢しながらそれでもあなただけだといってついてくる女性/待っててくれる女性が美徳として、歌いまくられています(汗)






どこかで、男性っていうのはそういう生き物でしょうがないのよという、甘やかしの風潮があるのは、男性にとっても女性にとっても良くないと私は思っています。そげな風潮は、次世代の人たちには引き継いでいってほしくないと思います。
我々の子供世代が大人になった時に、「男の浮気と女の浮気はやっぱり違うじゃない~?」なんて発言をする女性も男性もいないよう願っています(笑)



2点目は、度重なる出張でホテル滞在の多いビジネスマンの方々も、今まで通りに(悪気&下心なく)振る舞い、トラブルに巻き込まれたなどということがないように、常識とマナーをアップデートしておくのも良策かもしれないということでございます。男性側の自己防衛です。平和な日本出身の我々は自己防衛が甘いところが多分にあるので気をつけたいと思います。


紙版のNewsweekには、最近のホテルでの客側のエチケットとして
(もちろん男性がひとりで宿泊している場合のことを言っているかと思いますが)

1. きちんと着衣していないような状態で、客室のドアを開けるのは危険。
(ベルが鳴ったからといって、着替えの途中や、シャワーから飛び出してドアを開けてしまったりして誤解をうけたらたまりません)

2. 客室かかりの人への個人的なことへの質問や、経済的なことについての質問はさける。
(売春をほのめかしていると思われないようにせよということですね。個人的なことへの質問というのはどれくらい網羅しているのかをチェックしておいた方がいいかもしれません)

3. PPVのチャンネル(ポルノなどと取り扱っているチャンネル)の見方、リモコンの操作の仕方などを客室係に聞かぬよう。
(これは誤解を招きやすいシチュエーションになるのは容易に想像がつきますね)

4. 客室係が現れたらさっさと部屋をでること。部屋を出られないようなら後で出直してもらうよう客室係に頼むこと。

5. 客室係に100ドルのチップなど払わぬこと



客室係の女性が部屋のベルを押したら、「ごめんごめんシャワーを浴びてて」と、あんまりちゃんと服を着終わっていない男性がドアを開けて、「まあ、入って入って。僕はちょっと仕事が終わってないのでここで仕事をさせてもらうけど」と言い、掃除をしていると、「悪いんだけどついでにこのリモコンの操作教えてくれない?んでPPVはどうやってみるんだったっけ~?」などと聞き、チップをはずみ、「ところで君、家族は?」なんて話したら、かなり危険だってことです。外見について褒めるのも危険です。

話しはすこしずれますが、日本の場合だったら、住宅事情が悪いので、一人暮らしのワンルームの部屋への訪問(ガス屋さんでも保険屋さんでもなんでも)なんていうのも誤解を招きやすい状況かもしれません。

繰り返しになりますが、


自分はそんな悪いことはしないから関係ない。


ではなくて、しっかりと自己防衛もするのが良策です。



<ざっと訳>
ホテルコンフィデンシャル

出張の裏に隠された汚れた事実。
既婚男性の多くが客室係の女性とのセックスを期待していることがニュースウィークが行った調査で浮き彫りに。
Strauss-Kahn氏の起こした醜聞がこの火遊びのルールを変えることになるのか?

Dominique Strauss-Kahn(ドミニク・ストロス・カーン)は次期仏大統領として歴史に名を残す変わりに、サービス業従事者にいまいち”サービス”してもらえなかった男として人々の記憶に残るかもしれない。
セックスを、ホテルに宿泊すれば無料でついてくるシャンプーや枕の上のチョコレート同様のアメニティのひとつだと考える出張中のビジネスマンは少なくない。Dominique Strauss-Kahn(ドミニク・ストロス・カーン)が宿泊していたホテルの部屋にやってきた女性に性的な乱暴をした容疑で、手が後ろに回った状態で公衆の面前に自身の姿を晒すことになる以前は、ほとんどのホテルがこのようなことには素知らぬふりをしてきたが、もう知らぬ存ぜぬではいられない。先月末、ニューヨーク市警に高級ホテルで知られるPierre hotelから連行されたエジプト人ビジネスマンのホテルのメイドに性的暴力を行った容疑がかかった後、同ホテルは客室係全員に非常ボタンを常備持ち歩かせることにするという。セントラルパークサウスのリッツカールトンホテルも同様の措置をとるつもりだとういう。ジェネラルマネジャーであるScott Geraghtyさんは同ホテルは既に毎日のミーティングで、管理者側は、客室係全員に具体的な安全基準を示し、警戒を怠らないことの重要性と、勤務中に不審に思うようなことがあったらすべて報告するよう繰り返し指示している。サービス業の中で最大の労働組会、UNITEはすべての従業員にセクシャルハラスメント対応のトレーニングを受けさせるよう呼びかけている。

ホテルのスタッフへのどんな振る舞いなら未だ尚、大丈夫なのかを知ろうとする、出張者は少し物怖じしている。
自分の客室のドアが閉まっている状態で、ルームサービスで運ばれてきた朝食を配膳してもらっても大丈夫なのか?コンシェルジェにマッサージを部屋に呼んで欲しいと頼んだら、マッサージ以上のことを欲しているのではないかと怪しまれるか?エレベーターの中でホテルのスタッフに軽口をたたいても大丈夫か?
— いや、大丈夫ではない。
ニューヨークのRegency Hotelの従業員によると、男性の宿泊客は、親しみのある態度や、笑顔は、職務上のことであるのに、色目を使われたと勘違いすることがあるという。

もしこれらの質問が難しい質問だと言うのであれば、それは留守中に男性は羽目をはずす傾向があるからだ。新しいThe Newsweek Daily Beast Companyが行った400人の既婚男性を対象に行った世論調査の結果、出張中にパートナーに隠れて浮気をしたいと思っていることを認めた男性は21%、実際に経験済みの既婚男性は8%(この8%の既婚男性の大半が常習者)、6%の既婚男性が、出張中にお金を払って女性と寝たことがあり、その他の回答者も、ホテルのスタッフに言い寄ったことがあり、ニュースウィークの世論調査に答えた既婚男性の3%が宿泊先の従業員を口説いたことがあり(そのうち半分以上が拒絶されている)、2%が肉体関係を持っている。たとえ肉体関係を持たなかったとしても、12%の回答者が、きちんと着衣してないような状態でもホテルのスタッフを部屋に通すという答えからもかなり開放的になっているのがわかる。マッサージについては、12%のマッサージを頼んだことのある既婚男性が、マッサージには性的な行為も含まれていたと言っているが、この中に自分からマッサージ師を連れ込んだとする人はいない。

17年ホテルの客室係として勤務し、現在トロントにて、労働組合の代表でもあるAndria Babbingtonさんは、今でもそのような事態が彼女の身にはじめて起きたときのことを覚えていると話す。わずか43キロほどの体重しかなかった18歳のAndria Babbingtonさんは、客室に朝食を運ぶよう命じられたが、客室で宿泊客が全裸でベッドの上に横たわっているのに気づいた。「その宿泊客は、私に性器に触れるよう言い、現金をさしだしたが、「私の職務はそこまでやりません」と言い、数分客は私をそばに来させようとしたが、毛布をベッドのふちにやり、部屋を出たのです」と話す。上司にこの出来事を報告したが、得られたサポートはほとんどなかった。「みんな笑っていました。おもしろおかしいことだとみんなが思っていました。みんながおかしいと思ったのは、そんな話を聞いたのははじめてじゃなかったからです。その笑いとは、「あなたもこれでお仲間ね」といったたぐいのものでした」。

力のある男性がホテルで素行が悪いのは今に始まったことではない。NBAのスーパースター、Kobe Bryant氏は、当時19歳であったコロラド州イーグルのホテル従業員に性的暴行をはたらいたとして2003年逮捕された(この事例は示談)。2006年には元副大統領のAl Gore氏がオレゴン州ポートランドのホテルでマッサージセラピストの体をさわったりキスをしたりしたとして起訴された。スポーツアナウンサーであるMarv Alabert氏が愛人にほかの人も交えた性行為をしようと持ちかけたのを断られた後で、女性を襲い、オーラルセックスを強要したのはリッツカールトンでの出来事であった(Marv Alabert氏は事実だと認めた)。

ホテル側からの公式な言及によると、ホテル側は施設内での不適切な行為を大目に見ることはないとしている。が、多くの出張者達は、ホテルの外にわざわざ出なくとも、あらゆる”課外授業”がホテルの中にいながらにしてできてしまうことを心得ている。部屋まで荷物を運んできてくれるベルマンはいつでもお勧めのストリップクラブを教えてくれるし、階上でのPPV(視聴本数払い)のポルノビデオについてから、階下のロビー階でバーに行けば、セミプロがバーで客引きをするのが黙認されている。Eliot Spitzer氏と最近他界した作曲家のJoseph Brooks師が贔屓にしていた売春宿の元女将のKristin Davisさんは、その手のビジネスを本格的にやっていたころは、マンハッタンのリRitz-CarltonやGansevoortといった宿泊施設の中に仲介人がいて、彼女のために一役買っていたという(Ritz-Carlton はこれを否定しており、Gansevoortはコメントを拒否)。アトランタでは、小粋なホテルであるドアマンが25年近くも同じホテルに従事し、200ドルでポップスターに売春婦を送り込み、NBAやNFLのメンバーが宿泊する部屋に女性のグルーピーを送り込むという割のいいサイドビジネスを行っていた(選手たちからの苦情は一切ない)。「一言でいうとこれがホテルビジネスなのだ。ホテル側は、宿泊客や従業員に起きていることの多くを無視している」というのは姓はふせておきたいというアンソニーという名のこのドアマンの言葉だ。

この理由を理解するのは簡単だ。ホテル業界では常に客が正しいとされる。宿泊客のささいな軽罪をあれこれ咎めていられないからだ。一晩何千ドルもする特別室に宿泊する富と名声のある客にはだ。いかなる宿泊客も、それが理に叶っていても叶っていなくても(ホテルへの)不平不満を無数の見込み客に向かってトリップアドバイザー(TripAdvisor)やトラベロシティ(Travelocity)などのウェッブサイト上で宣伝することができるような時代にあって、ホテルは宿泊客の機嫌を損なわないためなら何でもする。そして安全や、基本的な良識ですら宿泊客の要求には叶わない。一泊2200ドルの部屋もあるというビバリーヒルズにあるホテルで10年間従事したという客室かかりの女性によると、度重なる客からの嫌がらせをホテル側に報告しようと試みたが、反応はないに等しかった。彼女の胸元をある宿泊客がつかんだ後も、上司は彼女にその部屋に戻り掃除を終わらせるように指示したという。「私は言われた通りにしました」とこの女性。
Yasmin Vasquezさんは全米の様々なホテルで働いてきたシングルマザーだ。Yasmin Vasquezさんがカリフォルニア州のホテルで同僚がどんな風に性的暴行を受けていたかを思い返す。ホテル側に事実を報告したが、嘘をついていると言われた。なぜこのような事実がまともにとりあげられなかったのかは察しがつく。「私の同僚は不法滞在者で、ホテルもそれを知っていたからだ」とYasmin Vasquezさん。

ラスベガスの大規模なリゾートで長年セキュリティー責任者を務める者が、セクシャルハラスメントを経営側がどうあつかうかについてこのように話している。「我々は警察ではない。罪を着せられたいと誰かが思わない限りは我々は何かを犯罪だと決めつけたいと思っていない。行政に電話かけるようなことはしないようにしよう」。これは地まさにマンハッタンで活躍する弁護士、Jack Tucknerさんが取り扱ったことのある元の女性のための権利団体からの緊急電話の内容と重なる。警察などかつて法の執行者側にいた者が、「醜聞は内輪の中だけにとどめておこうというホテルに雇われているのはわかっている」。
しかし、腐敗は一層されるはじめている。ホテルの経営側と宿泊客側双方が行いを正すことを余儀なくされている。—少なくともしばらくの間は。
Jack Tucknerが、いくつもの女性の権利団体から受けた緊急電話でしばしば問い合わせを受ける案件と重なっている。

テレビでも活躍する富と名声のある人向けのセキュリティコンサルタントのBo Dietl 氏は、現在クライアントには出張中に、不適切な性的な誤解を招くようないかなる状況をもさけるべきだと言っている。「このような時世では、どんな人に対しても注意が必要です」と同氏。「Dominique Strauss-Kahn(ドミニク・ストロス・カーン)をメディアがこぞって追いまわさなかったとしたら、(Pierre hotelで)このエジプト人の男の性的暴行が明るみにでたと思いますか?そんなことはあり得ません」。

<関連記事>
http://www.cnn.co.jp/business/30002951.html