What are little boys made of? - おとこのこって なんでできてる?

この詩、Nursery Rhymeにはじめて触れたのは、小学校1年生か2年生の頃。
当時、この詩を読んで、”おさとう”のくだりで、1キロの袋入りのスプーン印の砂糖的なものを連想し、「砂糖のようなすてきなものって、、、砂糖って素敵か?!」とピンと来てなかった私ですが、


What are little boys made of?
What are little boys made of?
Frogs and snails and puppydogs' tails,
And that are little boys made of.

What are little girls made of?
What are little girls made of?
Sugar and spice and all things nice,
And that are little girls made of.


おとこのこって なんでできてる?
おとこのこって なんでできてる?
 かえるに かたつむりに
 こいぬのしっぽ
そんなもんでできてるよ

おんなのこって なんでできてる?
おんなのこって なんでできてる?
 おさとうと スパイスと
 すてきななにもかも
そんなもんでできてるよ

 (谷川俊太郎 訳)


今思うと、もしかしたらこのライムは、ビクトリア時代あたりにつくられたもので、お砂糖やらスパイスやらが、ブリティッシュエンパイアーの植民地からブリテン島に運ばれ始めた頃のことなのかもしれませぬ。お茶、コーヒー、スパイス、砂糖なんかが大西洋や太平洋を渡りブリテン等に貴重なものとして届いていた頃だと思えば、そのエキゾチックなものに対する憧憬が伝わってくるようでもあります。


さて、とある方”が、ご家族、部下、同僚などと一緒に来日された折、東京見物をされ、私が同席する機会がありました。その際、タクシー数台で、都内を移動することがあったのですが、私の同乗者の中に、このお方の18歳の息子さんがありました。さわやか~な18歳です。
目的地に着き、タクシー下車とあいなった時に、私が料金を払おうとすると、まったくをもってスマートに18歳の彼が、料金を支払ったのです。あまりのスマートさに違和感もなく、私もお言葉に甘えて出した財布を引っ込めてしまったのですが、母親でもおかしくなかろうという女性二人とタクシーに乗って、スマートにタクシー代を払える10代男子が、それじゃあ日本にどれだけいるかと思うとかなり疑わしかったりします。

どうしてこの文化圏による違いはでるんじゃろ?

と思われた方は多いはず。

そこで思わず思い出す一言。


Manners make men. (マナーが男をつくる)



by 私の友人

この一言は、先日シドニーにいる私と同世代の友達家族を訪れたときに、家族の中では、お父さんである私の友人が、6歳の息子君に向かって言った一言。

息子君が、スクランブルエッグを食べ終えた後に、食べ終わったのなら、お母さんに(スクランブルエッグをつくってくれたことに対して)お礼を言わなくちゃと、息子君を促した。息子君とってもスウィートにお母さんにお礼をいったのだけど、ナイフとフォークはちゃんとそろえなかったのね。ナイフとフォークをお皿の上でそろえてなかったのに気づいたお父さんが、ほれほれ、ナイフとフォークもちゃんとそろえなきゃと言った後で、息子君と肩を組んで、よいマナーがいい男をつくるんだぜとウインク。

イングリッシュジェントルマン製作所での作成工程(失礼!)をかいま見たような気がしました。


でもそう言われてみると、西洋と言いますか、キリスト教圏といいますか、では、成長中の男の子に、父兄が、男だったら強くなれ的なことをいう場面よりも、男だったらお行儀よくジェントルマンらしくと教えられている場面の方がよっぽど頻繁に出くわします。

シドニーで2日間共に過ごした友人家族も、勉強しろとか、もっとうまく泳げるようになれとか、そう言った教育的なことというよりも、人にものを頼むときの頼み方表現とか、まだご飯を食べている人がひとりでもいたら食事の席を立ってはならぬとか、ナイフとフォークの持ち方とか、誰かが話しているときは口をはさんではならぬとか、マナーの教育的指導の方が耳に入ってきました。とこのように書いてしまうと、煙ったい父親のようでありますが、そこは私の友人、イギリス人らしいユーモアをふんだんに盛り込んで、息子君に問いかけるので、思わず周りで聞いていて楽しくなりました。

そうだよな~、ローマも1日にして成らずだけど、
ジェントルマンも1日にして成らず。

デートの時だけいかしたジェントルマンになるなんていううまい話はないわけです。
もちろんその逆もまたしかり。晴れの日だけ淑女になりましょうっていうのはありえないと思ってまずまちがいなし。日本にもお里が知れるというという表現がありますね~。

この6歳の息子君は、私を実に上手にエスコートしてくれ、ぱっちんピン留めをプレゼントしてくれましたラブラブ
将来が楽しみなイングリッシュジェントルマンです。

息子君のお母さんが私がしていたサングラスを褒めると、
横から、



I like everything you are wearing.


などと、思わずこちらもでれーとおだてられてしまうようなことを言ってくれるわけです(笑)



ある文化圏の人にはさらりとできることが、他の文化圏の人にはとても難しいなんてことがよくあります。どうして日本のステレオタイプの男性は、パートナーに、ご飯をつくってくれてとてもおいしかった、どうもありがとう、ちゅっとやるのが難しくなるのか、どうして東日本大震災では、地震のどさくさにまぎれたような犯罪が目立っては発生しなかったのか、どうしてフランス人は夏のバカンス1ヶ月があたりまえで、日本人には有給をつかっても2週間休むことが”不可能”なのか、どうして先進国と後進国ができあがっていったのかといったカルチャーコードは、人間ウォッチングをする上でとても興味深い点でございます。

ぜひ読んでみたい一冊。


$BANANA SPIRIT