what is Authentic salsa? サルサに宿るメキシコ魂


たらら~ん、
すっかりスーパーハイです。ハッピーホルモン、アドレナリンが分泌しまくってます。恍惚の人になってしまいそうです。

とある記事を読んでいたら、味蕾が刺激され、まるで新鮮なチリの入っている官能的なタイ料理やメキシコ料理を食した時のようなハイになってしまった。頬もなぜか紅潮(笑)


この記事、2010年3月16日付けのthe new york timesの記事です。言葉責めで、じらされてハイになりたいという方がいれば是非是非、言葉で刺激されてみてください。

リンクはっておきますから!(笑)

click here for the original article:
http://www.nytimes.com/2010/03/17/dining/17salsa.html?_r=1&pagewanted=2

お題目は、Rediscovering Salsa, the Soul of Mexico in a Bowlです。私としてもこれは半永久保存版にして、またNYに行くことがあったら、言及されていた数々のレストランを責めてみたいと思っています。ライターはJulia Moskinさんというお方。

アメリカは中間選挙を間近に控えて、移民問題もなんだかどんどんcontroversialになっているようだし、
メキシコの国境のまちでは、警察署長になり手がいなくて、二十歳の女性が所長に就任することになったなんて昨日のニュースで言っていた。


先日、メキシコシティで楽しいフライデーナイトを共にした、ユダヤ系メキシコ人の熟女たちは、冗談めかしに、
こちら(メキシコ側)では、ガンを持たないre- conquerなんていっているのよ~なんていって笑った。つまり、再び北アメリカをヒスパニック系が少しずつ(戦争を起こしたり、流血騒ぎをしたりせずして)征服し返しているんだというジョークなんだけど(笑)、まんざらジョークでもないのかもしれない。
メキシコシティからアメリカ西海岸行きの飛行機も、ダラス行きの飛行機も、またその逆も多くのメキシコ人の往来は顕著だった。これだもの、人だけではなく、メキシコの食文化だって、アメリカで台頭していても不思議じゃない。


私の拙い<ざっと訳>では味蕾が刺激されること、ないかもしれませんが、いつも通り、<ざっと訳>を載せておきます。


<ざっと訳>


アメリカ合衆国メキシコ料理店は容易ではない。ブリトーのないメニューをみて憤慨するお客もある。ブリートーがメニューにあるといって憤慨するお客もある。さらに、卓上にチップスとサルサがないレストランが本物のメキシカンレストランだとする人もあれば、チップスやサルサのフリーサービスのないレストランをぼったくりだと言うお客もある。
『ここアメリカではだれもが自分はメキシコ料理を知っている』と思い込んでいると言うのはNoLIta内のLa Esquinaのシェフ、Nicholas Cox氏。そして付け加える。『テキサスやカリフォルニア出身の人は特にね』。
特にサルサに関しては、最も誤解の多いメキシコ料理の輸出品だ。
パリのメキシカンレストランでは、サルサはcornichon picklesとケチャップとでつくる。日本ではししとうとキューピーマヨネーズを混ぜてつくる。アメリカの工場では、コーンシロップと赤ピーマンとでつくる。

日本でししとうとキューピーマヨネーズでサルサをつくるってほんと?

cornichon pickles(つまり英国でいうGherkinのことね)
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アメリカ合衆国が1980年代にサルサを”発見”して間もなくして、サルサは人気を博した。広く知られているのは1992年にケチャップよりも売り上げを伸ばした事だ。アメリカのシェフたちは、市販のサルサが、濃厚で甘くソースが混ぜ合わされ進化していく傍らで、ピーチサルサや、コーンサルサなどを料理にあしらった。
しかし、サルサが世界をめぐるうちに、サルサというのはメキシコ発祥であるというアイデンティティがしばしば見失われてしまう。


Tulcingo del Valleのオーナー、Irma Verdejo氏は、彼女の店にやってくるお客は常々サルサというのは、混ぜ合わされた調味料の一般名称だと思っていると言う。
同氏は『私はいつもお客と口論しているのよ。お客はこのサルサをあの料理につけて欲しいと言ったり、もっと辛くしてとか、もう少しマイルドにしてとか言うの。そして、お客はいつもサルサは無料だと思っているの』

Oaxaca大学の学生であり、将来はシェフになるというJavier Olmedo氏はこう話す。『トルティーヤチップスをシャベル代わりに、サルサをのせて食べる人っていうのはメキシコ人にとっては奇妙に見えるものです。多分アメリカの人達だって誰かがサラダドレッシングをボトルから直接飲んでいるのを見るたら奇妙に思うでしょう』

サルサは、メキシコの台所に欠かせない。繰り返し食されるコーンや、かぼちゃや豆類とは対照的だ。フランス料理のシェフがbéarnaise sauceにはbéarnaise sauceに、hollandaise sauceにはhollandaise sauceにしっくりくる料理があることを心得ているように、メキシコ料理のシェフも、それぞれのサルサが、ちがった特質や役割を持っていることを心得ている。


<ご参考>

Béarnaise sauce
Béarnaise sauce (French: Sauce béarnaise) [be.aʁnɛz][1] is a sauce made of clarified butter emulsified in egg yolks and flavored with herbs. It is considered to be a 'child' of the mother Hollandaise sauce, one[2] of the five sauces in the French haute cuisine mother sauce repertoire. The difference is only in their flavoring: Béarnaise uses shallot, chervil, peppercorn, and tarragon while Hollandaise uses lemon juice.


Hollandaise sauce
Hollandaise sauce is an emulsion of egg yolk and butter, usually seasoned with lemon juice, salt, and a little white pepper or cayenne pepper. In appearance it is light yellow and opaque, smooth and creamy. The flavor is rich and buttery, with a mild tang added by the seasonings, yet not so strong as to overpower mildly-flavored foods.
Hollandaise is one[1] of the five sauces in the French haute cuisine mother sauce repertoire. It is so named because it was believed to have mimicked a Dutch sauce for the state visit to France of the King of the Netherlands. Hollandaise sauce is well known as a key ingredient of Eggs Benedict, and is often paired with vegetables such as steamed asparagus.


最近、ニューヨークのメキシコ料理の並ぶテーブルで、本物のサルサソースの数々が本来の”行き場”を見つけている。『現在、メキシコとアメリカ合衆国の間で、なにが素晴らしいメキシコ料理なのかということについての対話が行われています』と話すのはGuadalajaraサンフランシスコのベイエリアを行き来しながら大人になったIris Avelar氏。サンフランシスコでは彼女の両親がレストランビジネスに携わっていた。彼女自身も、WilliamsburgとBrooklynにあるメキシカンレストラン La Superiorのオーナーだ。La Superiorの売りは、吟味に調理されたメキシコの屋台フードだ。

『20年前に両親がレストランを回転した時、私たちのレストランは、チリの全く入っていないGringo salsaを用意しておかなくてはならなかったわ。今ではそんなことは二度と起こらない』とIris Avelar氏は言う。

Gringo:ラテンアメリカで外国人、特にアメリカ人やカナダ人の蔑称。

今ではアメリカ合衆国でも伝統的な方法でつくられる素晴らしく美味なるサルサの数々は、La Superiorのような、通をひきつけるアッパーイーストサイドのCascabel Taqueriaや、イーストビレッジのMercadito、ローワーイーストサイドのBarrio Chino、最近Boweryに開店したばかりのHecho en Dumboなどで、簡単に見つかるようになった。これらのレストランばかりではない。昔からある、Tulcingo del ValleやQueensにあるTortilleria Nixtamalや、Tia Juliaなどもまたしかりだ。

これらのレストランの厨房でサルサをつくるシェフ達は、『赤かみどり(のいずれかのサルサ)』とか、『マイルドかホット』などという選択肢のレベルをはるかに超えている。
シェフたちは、グリーンサルサに新鮮なチリとレーズンのような甘さをもつ乾燥したチリの風味でアクセントをつける。慎重にサルサを火にかけ、肉料理や、自家製のチョリソーソーセージや、子牛のタンの煮込み料理などの濃厚さとは対照的なサルサをつくる。シェフたちは、サルサを1晩寝かし味を丸くし、他のサルサの食材のぴりっとする風味が一層引き立つように工夫をする。

これらのレストランに行っても、メキシコ料理、スペイン料理、フランス料理、アメリカ料理が洗練された技巧で混ぜ合わされた『コンテンポラリーなメキシコ料理』にやあやかれない。
これらのレストランは、おしゃれに讃えられたtaquerias(タコス料理店)で、メキシコの最も庶民的で、知名度の高い料理に敬意を表している。

『質の良いタコスというのは完璧な食べ物です。トルティーヤとチキンや肉などのタンパク質源、そしてそれらの味を酸味と辛さと塩気ぐんと引き立てるサルサは天才的なメキシコ流の味付け方法だ。』というのは、Hecho en Dumboのシェフ、Danny Mena氏。メキシコシティ出身だ。La SuperiorのオーナーのひとりであるFelipe Mendez氏は『メキシコでは、タコスのおいしさの決め手は肉だけど、サルサの味によってタコスが特別なものになると言われています』と話した。サルサという語の意味は単にスペン語では『ソース』だ。しかし、メキシコでいう本来のサルサといえば、十中八九の場合、チリが用いられいてる。

だからといって、サルサは単なるチリの辛さを味覚に伝達する液体という役割を担っているだけではない。サルサは辛いだけではなく、味わいがあり深さがあるものだ。これらは、ピリ辛感、甘さ、塩分、そしてスパイシーさなどが混じり合って生まれる。
サルサはぴりっと辛くなくてはならないが、かといってノックアウトされてしまう辛さではない(けれど、ゆるく、赤いcholulaやtapatio やvalentinaのようなsalsa picanteは除く。salsa picanteはただただ辛い)。

サルサは、新鮮なチリ(serrano, jalapeño, poblano or habaneroなど)か、乾燥したチリ (guajillo, cascabel, ancho, morita or chipotle)などでつくることができるが、2つのチリが混ぜ合わされることはない。
カボチャのタネや、ピーナツ、あるいはクローブcanela(メキシコ原産のシナモンのような樹皮)等と一緒に暖めらた濃厚なサルサもある。tomatillosやトマトのサルサもある。
調理されていないサルサ(cruda)、調理されたサルサ(cocida)などもある。調理されたサルサには、salsa ranchera (田舎風ソースの意)、salsa verde(tomatillosからつくられる)は、卓上ソースとしても、chilaquiles (油で調理されたトルティーヤをサルサの中で煮込んだ料理)などで調理用ソースとしても使われる。

tomatillos
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画像拝借先:http://twosmallfarms.blogspot.com/2007_07_01_archive.html

chilaquiles
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画像拝借先:レシピもここから

火が通されていないサルサは、一口食べるごとに、強烈な刺激があり、辛さと酸っぱさの花火があがる。火の通ったサルサは、まるで柔らかいキャンドルライト。ゆっくりと、そして確実な暖かさを放つ。

最も基本的なサルサは、細かく切ったトマトに、グリーンチリとタマネギが入ったものだ。ローカルなメキシカンレストランでチップスと一緒に出される例の”あのサルサ”だ。
このサルサは、しばしば『pico de gallo』と北アメリカでは呼ばれるが、メキシコでは単に”salsa mexicana”と呼ばれている。

pico de gallo/salsa mexicana
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画像拝借先:レシピもこちらから


最も本格サルサは、チリとトマトとたまねぎとニンニクというほんの数種類の材料がベースになっている。なのでアメリカの一般家庭のシェフも本格的なものがつくれる。深い味わいと質感をつくり出すのは、いかにしてこれらの材料が調理されるかだ。薫製のような味わいを出すには、あぶる。クリーミーさをだすには、炒める。鮮やかさを出すのには茹でる。あるいはポンチにするのにフードプロセッサーにかける。

ニューヨークで最高のサルサの中の1つは、調和がとれていて、静かに時間をかけてつくられたla Esquinaのsalsa rancheraだ。2005年のオープン以来、Gloria Reynosoによって毎日つくられている。このサルサのベースになっているのは、crimsonペーストだ。甘いが、苦みと土臭さを持ち備えていて、乾燥したguajilloチリを水で戻したものが使われている。このサルサは、la Esquina のメニューのひとつ、Huevos Rancheros (メキシコの伝統的な朝食)に使われると、半熟のタマゴの黄身とスープ風に煮込まれたブラックビーンと共に甘美に混ざり合うのだ。

Huevos Rancheros
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『この融合は本当にばっちりなのです』というのはCox氏、同レストランのシェフだ。Cox氏はローストミートが『思ったよりに込み肉がパサついている』時にこのサルサを使うという。調理により、あるいは料理してから時間が経ち、料理が少し乾いて来てしまった時にサルサを使用するというのは本格的なサルサの使用方法だ。家庭のシェフには耳寄りな裏技だ。

ほかにも忘れ難いニューヨークのサルサソースを挙げよう。Mercaditoのsalsa de cacahuetes。- ピーナツと4つの異なる乾燥チリを用いた少々オイリーなサルサ。
Salsa borracha。伝統的なテキーラを用いてアルコールを含み、長時間調理されたタマネギの甘みの効いたサルサ。ウエストビレッジのCabritoのヤギのローストの上にかかっているサルサだ。
“本格派”とは言えないが、ユニオンスクエアの新参者、Dos Torosのレッドソースも素晴らしい。花のようで、燃えるようなhabanero チリが使われている。ユカタン( Yucatán)地方以外でhabaneroチリが使われるのは稀。
Tulcingo del Valleでは、クリーミーな、salsa rojaだ。クローブとメキシコのシナモンcanelaのスパイスが効いている。canelaはバルサのような柔らかいかけらだ。シェフのJesus Verdejoは、このサルサは郷里のPueblaでは基本的なソースだという。濃厚で複雑な味わいがある。乾燥したárbol チリとタマネギが油で炒められ、ソースは、ブレンダーにかけられ乳化し、クリーミーでピンク色になる。ブレンダーは、モダンスタイルのメキシコ料理の要となる調理道具だ。

Yucatán
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画像拝借先:http://www.pickatrail.com/jupiter/location/north_america/mexico/yucatan.html


伝統的なサルサをつくる調理道具は、ごつごつとした質感のモルタルが使われているすりばち(molcajete)と、黒い火山岩でつくられたtejolote(pestle)だ。
材料をくだき、すりピューレ状にする。時に、荒めのピューレ状が望ましいが、インタビューに答えたほとんどのシェフが、完全にピューレ状になったきめの細かいサルサが、アメリカ合衆国でもメキシコでも、モダンスタイルのメキシカンレストランのスタンダードなのだそうだ。

molcajete
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Hecho en DumboのMena氏は彼自慢のsalsa verdeをつくるのに大ぶりの手に持つタイプのブレンダーを使う。円熟したtomatilloをべースにしserranoチリ風味の濃縮されたソースだ。そして彼は、このサルサは万能だと言う。

現代のメキシコでは、サルサによくウースターソース(salsa inglesa)醤油(salsa de soya)Maggiソースチキンスープが使われていたりする。
何によってサルサを真正のものであると決められるかを話している中で、Mena氏が言った。『メキシコではサルサに野菜や果物以外のものが入っていることだってある。いったい誰が本物のサルサは何かなんてことをどうやって知りうることができようか』

//ざっと訳ここまで。
(盛り込んだ画像等は私が勝手にしたことで、オリジナル記事とは全く関係ありませんので~)

メキシコ料理は本当に深い。
トルティーヤにお肉を載せて、サルサをかけて食べる、基本のメキシコ料理を、貧乏人の食べる洗練されていない食べ物だとして、見向きもしなくなっているモダンヤッピーメキシカンは間違っとる!(笑)

それにしても、言葉責めの挙げ句、すっかり『おあずけ』を喰わされた気分(笑)



久々の料理ネタでした。