cool american chap - いかしたアメリカンアンティークディーラー


アメリカで出会った、いかしたアンティークディーラーの方の話しをします。

高齢者が孤独に生きる社会構造が、気がついていたら出来上がっていたというニッポン。
いろいろ哀しいニュースが問題になる昨今故、このディーラー君のお話を是非。


この方、全米を車で旅し、アンティークの買い付けなどをし、ご自分のワークショップでゲットしたアンティークの修理をしたりし、また手塩にかけたアンティークを売る、というような仕事をされているようで、ポニーテールといい、オーラといい、なんだかとてもヒッピー風です。


そこらでマリファナかなにかでとんでいても別に驚かない風貌といえば風貌でして、、、(笑)
(奥様はとっても”普通”の方でしたが)。


私がガレージにお邪魔した時は、
とってもエレガントなチェリーのテーブル(多分ギャッツビーの時代)を入手したばかりだと見せてくれたのですが、うっとり♪


この方のお隣りには、一人暮らしをするお年寄りがいるのですが、耳が遠くて会話にならないということで、お互いにフラストレーションになるから最近喋るのを差し控えちゃったんだ~というようなことをおっしゃりました。

『耳の遠いお年寄りと関わるのは、”うざい”のかしら?』と私は邪推し、邪推した後で、確かに話そうとしても会話にならなかったらしょうがないよな~と勝手になっとくしていました。


が、ここで終わらなかったのが、このアンティークくんです。


ある日、家の前の歩道の芝生に水まきをはじめたアンティークくんですが、なんと、ご自宅の前の芝生はそっちのけで、向こう三軒両隣の水まきを始めたのです。
一軒やるのも何軒やるもの一緒だからと(どうせ水まきするのはスプリンクラーだしとも言っていました)。そして話しによるとバックヤードの芝生の水やり、手入れなども、まとめてお隣のお年寄りの分までいつもやってあげちゃうんだそうです。


なかなかうまく話しができないから、会話こそぐっと減ったと言え、
お隣のお年寄りが購読していない新聞を、アンティーク君は自分が読み終えたあと、お隣との間にあるフェンスにビニールの入れ物をとりつけ、そこに入れておくことにしてあるのだそうです。
そして、お隣のお年寄りが毎朝それを取り、1日遅れのご自分が購読していない新聞を読むのだそうです。


こうすることによって、隣に住んでいるアンティーク君は、毎朝新聞がなくなっていることをチェックし、万が一、新聞がそのままになっていたら、お年寄りに何かあったのかもしれないと、気づいてあげることができるから、ととってもさりげなく言っていました。ご本人、人助けをしているつもりまるでなし(笑)


そして隣で暮らすお年寄りも、助けられている自覚まるでなし。
のようで(笑)


まったく隣の若者は、もごもご話してまったく何をいってるかわからないから、面倒だからあの若者を見ても話しかけないことにしたんだなんて大いばり。



このアンティークくんのような人がご近所にいれば、亡くなってミイラ化されるまでだれも気づかなかったなんてことはないかもしれませんね~。


このヒッピー風のアンティークくんがとてもクールに見えたのでした♪



なんで日本はこんなに無関心な人の集団になってしまったんでしょ?

集団とかしがらみとか義理とか付き合いとかそういうのを煩わしいと感じていた気持ちが、欧米の”個人主義”というあたらしい主義に出会って、一挙に個人主義崇拝をはじめてしまったのでしょうか?
でも、日本で日本人がいう”個人主義”と、実際の欧米のコミュニティで暮らす方々の個人主義はまるで違うように思えます。

個人主義というのは、周りの人に無関心でいることではなくて、個人を尊重することこそが個人主義だと思うのですが。。。。