quarter-life crisis - 人生4分の1すぎた時の危機

出先からのアクセスです。時差が半日くらいあったりすると、朝も暗いうちからお目目ぱっちり目で目覚められるし、夜も9時を過ぎると眠くなるなど、別人間になった気分が味わえるから嬉しかったりします。

- わたし風のラマダンかしらね~(笑)
半日生活をひっくり返えしてリセットするわけです、私っていうシステムをひらめき電球


ところで、


”むかし”に比べていろんなことが若年化しているみたいだけど、一方で人間のたましい的な”成熟期”は遅くなっているような気もしないでもないけど、そのへんどうなんだろうか。


mid-life crisisっていう言葉があるけど、日本語にも同等の表現ってあるのでしょうか?
辞書を引くと

mid-life crisis:中年の危機


とありますが、mid-life crisisの様には使われていないのではないかしらん?
多分、アラフォーとかそういった造語にはこのmid-life crisis感が含まれている場合もありそうだし、日本語だったら、倦怠期なんていうのが一番使い勝手の良い語であるのかもしれません。

mid-life crisisっていうのは、まあ大人の思春期といえば分かりやすいのか、中年と呼ばれる年代にさしかかった言ってみればおじさん/おばさんの揺れる心、更に悪化した場合には、落ち込み状態や鬱状態、はたまた錯乱状態を指して言うことばであります。

ある時、いやでも痛感しちゃうわけです、しみじみと。。。。


ああ、我はもう若くないんだって。多分とっても深いところで。
ある時鏡に映った自分がすっかり肩のおちたおっさんだったとか、
もう子育ても終わり、自分には子育ての他に何もないと実感したとか、
気づいたら、人生の半分が既にすぎてしまったとか、
その手のことね。



自分はまだ大統領にも立候補してないし、エベレストも制覇してないし、世界一周もしていない。
それどころか、toeic 900点という目標も達成してないし、会社でもまだ役職についていない。
、、、、、もう人生半分終わっているっていうのに、、、、、。
といって急に焦ったり、落ち込んだり。もしかしたら思春期のティーンよりある意味繊細で、タチが悪いかもっあせる
そして我々"middle age"が拗ねてもぐれてもティーンほど可愛くありません(笑)


デスパレートな妻たちを見た/見ている人だと、リネットの旦那さんのトムがその典型的な行動をドラマのなかでとってますね。スポーツカーに乗りたがり、中年おやじバンドをつくってはじける。または一国の主になりたいと、サラリーマンを辞めてビザ屋で起業。
これもミッドライフクライシスの典型例だと思われます。

ついでに、映画、sex and the city2キャリーの行動もある意味、ミッドライフクライシスなのかもしれません(飛行機の中で再び同映画を鑑賞したので、ふと(笑))、


子どもを作らないで夫婦ふたりでやっていこうとしているキャリーが、Mr bigとの結婚生活が、マンネリ化して退屈なものになっちゃうのではないかと不安になって、Mr Bigを無理矢理パーティに連れ出したりする。


一緒に年老いてきた奥さんをすて、若い女性に走るのも、ミッドライフクライシスの典型的症状。
自分が怪しく思えて仕方のない時には、やはり他人様からのassuranceを求めてしまうのも、人間ってものなのかもしれません。くたびれた中年おやじ(おばちゃん)になりつつあっても、若い女性(男性)と恋愛ができるオレ(あたし)というところで新アイデンティティを確立しようというデスパレートな試みであったりすることもあるかと思いますが。

だいたい、40歳とか50歳になって、人生がもう半分も残ってなくて、もう2度と若かったあの頃には戻れなくて、一層『死』に近づいていることをがーんとrealizeしてしまったものの、直面できずに、心理的に目をそらそうとしちゃうわけです。

ホルモンの減少に比例し、もしかしてもしかしたら、思い込み度も減少して行くのかもしれません。
若い時は思い込みが強い故、ほとんど不可能なことが可能になっちゃたりしますが、変に成熟して、節度や、身の程をわきまえる的なdesciplineができるようになってしまうと却って欲しいものが手に入りづらくなるのもある意味事実かもしれません。が、あんまりギラついた中年もね~叫び


注)middle ageの幅をどのように定義するかはいろいろあって、40くらいから60歳くらいまでというヒトもあるし、40ではまだまだmiddle ageではないというヒトもあります。なので、万が一その年齢枠に入られていたからとて、決して落ち込んだりしないでくださいね~(笑)

一度で良いから燃えるような恋をしたいとか(笑)ラブラブ


bitchyな言い方をしてしまえば、これって、まあ『悪あがきしたくなるお年頃』ってことなのかしら(笑)
いやだわ~ガーン


その頃って、多くのカップルが、倦怠期を迎えていたり、人生の中盤で、病気、失敗、チャレンジ、子どもの事、親のこと、いろいろあって負荷も高い時だし、体力気力も弱り始め、しんどさを感じる時でもあります。そしてまさにパートナーからのやさしい言葉や気遣いを求めたいような精神状態であるのにも関わらず、皮肉にも、関係のマンネリ化、倦怠化などで思うようにやさしいケアを受けられなかったりしちゃうから困りものです。


mid-life crisisは昔からあった症状で、この造語は、英語版ウィキペディアによると、1965にElliott Jaques(カナダの心理学社で、2003年にお亡くなりになっている様)によってつくられたのだそうでございます。

そして、ミッドライフクライシスって、極めて普通の、健康的な症状で、多かれ少なかれ誰もが経験する言ってみれば、ある世代から次世代への過渡期に経験する内面的な葛藤なのかと思います。

ミッドライフクライシス時に顕われる感情について、allaboutによるとこのようにあります。
http://divorcesupport.about.com/od/isdivorcethesolution/f/midlifecrisis.htm

<ざっと訳>は実に”ざっと”つけておきました。


ビックリマークUnhappiness with life and the lifestyle that may have provided them with happiness for many years.
今まで長年幸せだと感じていた生活や、妻についての不満。

ビックリマークBoredom with people and things that may have been of interest to them before.
今までおもしろいと思っていた人々や物事に対する倦怠感。

ビックリマークFeeling a need for adventure and change.
冒険など、大きなことをしたいと思う感情。

ビックリマークQuestioning the choices, they have made in their lives and the validity of decisions they made years before.
今までの人生の中で自分がしてきた選択や決断への疑問。

ビックリマークConfusion about who they are and where they are going.
自分は誰で、これからどんなところにたどり着くのかといった混乱。

ビックリマークAnger at their spouse and blame for feeling tied down.
伴侶に対する怒り、また伴侶が自分を縛っているという非難。

ビックリマークUnable to make decisions about where they want to go with their life.
これから人生をどうしたらいいのかわからない。

ビックリマークDoubt that they ever loved their spouse and resentment over the marriage.
伴侶を本当に愛したのかという懐疑心と、結婚に対する憤慨。

ビックリマークA desire for a new and passionate, intimate relationship.
新しい、情熱的な恋愛をしたいという欲求。


はてさて、上述がミッドライフクライシスの大まかな概要であるとしてです。
最近では、親の世代が経験することがなかった、quarter-life crisisというのを経験している20代の若者が多いのだそう。それじゃあ、思春期が終わったと思ったらすぐにquarter-life crisisに突入じゃないですか!ビックリマーク

quarter-life crisisとは、
自分がいったい何者なのか、自分は人生をこれからどのように生きていくのかなどを己に問い、多くはstatus conscious (他者の間で自分の立ち位置が気になる)、またおしゃれじゃなくちゃいけないとか、最新のガジェット(iPadとかその手のもの)を持ってないとヤバいといったプレッシャーを感じているんだそう。

これは日本の若者について特に言っているのではなく、私が聞きかじったのは英BBCからです。
(そして英国では中年は35歳からはじまると思っている人が一番多いという統計結果があるんだそう)

quarter-life crisisの考えられる要因として、

1. 抱えている学費(自らローンを組んで大学に行き、働きながら返済していく)
2. ”どうせ”手に届かないマイホーム
3. 不況による、極めて競争率の高い就職市場

などが挙げられていました。

なんだか落ち込んできます。
丁度、英国人であった亡夫のことを思い出してみると、私が彼と出会った頃は大学を卒業してまだ数年の頃で、確かに、student loanを抱えてました。毎月のお給料から数万円ずつ返済してましたね。
でもquarter-life crisisの症状は皆無。
不況とか、その時代の景気って人格形成にも影響を与えるっていいますからね。恐るべし不況です。

ペシミストの私は、世界には、ミッドライフクライシスで苦しむ母とクオーターライフクライシスで苦しむむすめなんていう組み合わせもあるのではないかと心配になります。いえいえ、それぞれが16歳で出産していたら、ミッドライフクライシスなおばあちゃんと、クオーターライフクライシスなむすめと、思春期の孫なんてこともっ!(休暇中には暇なことを考える時間があるので嬉しい♪)となると、こげな3ジェネレーションのそろったクリスマスのプレゼント交換時には殺人事件が起きたりしちゃうとか?!


quarter-life crisisでは、人生設計がうまく出来なかったり、これから自分は毎朝ラッシュにゆられて出社していく人生を送るのかと思って落ち込んだり、自分の将来が栄えあるものにはどうしても思えずやる気を失ったり、といった感じの症状のことを指して言われることのようです。

いやいや、最近まで聞くことがなかったこの新語ですが、
amazonで調べて見ると出てくる、出てくる、この手の本がゴマンと出てきます。

http://www.amazon.com/Quarterlife-Crisis-Unique-Challenges-Twenties/dp/1585421065


一冊読んでみたいとも思いますが、自分としてはもう既に、quarter-lifeは超えてきてますんで。ドクロ


(それにわたくし、自己啓発本のあまりのポジティブさにいんちき臭さを感じてしまう皮肉屋ですんで)

それにしても人間ってのは、いろいろな心理的ステージを経て年齢を重ねていくものですな。
確かに自らの人生、undoして最初っからやり直させて~っショック!て時はあるには十分ありますが、
クライシスを恐れずに、クライシスがなかったら人生について考えることなく、無意味に人生を過ごしてしまったに違いないから、変化する機会を与えてくれたクライシスに感謝しよう的なmind-settingで対処していくのがよろしいのかと、、、(笑)


<おまけ>

退職し、年金暮らしをしてらっしゃるような年齢層の方々を、

英国では、old age pensioners (OAP)
米国では、senior citizen


と呼ぶのだそうで(さすがに最近では英国でもOAPという言葉が使われる頻度は減ってきているようですが)、婉曲的表現を好む英国人と、ダイレクトな表現を好む米国人というステレオタイプの国民性を、この年金受給者という言葉だけを例にとってみると、まるで反映していないのがおもしろいな~と思いましたが、言葉尻に神経質にならなくてはいけないのは、英国というよりもむしろ米国ですものね。


$BANANA SPIRIT

↑このcartoonにはこうあります。

it's hard to feel as fit as a fiddle when you're shaped like "cello"!
(チェロ体型になっちゃった日にゃ、バイオリンみたいに若々しくいるのは簡単じゃないの!)

as fit as fiddle:very fit and well(どうやら肉体的/外見的ニュアンスが強い)
という表現と、中年になってお肉のつきはじめ、pear shapeになった女性の身体とチェロをかけてます。

私の持つ、middle aged womenという表現に直結するイメージは、Beryl Cookの描く、女性たちです。

http://www.lissgallery.com/beryl_cook/berylcookscollection.htm?gclid=CL2QsqPRnaQCFQpf2god5nNBFA

$BANANA SPIRIT
画像拝借先:http://www.guardian.co.uk/artanddesign/artblog/2008/may/28/womenastheyreallyare

ぷよぷよボディーをぱつぱつなちょっと若作りしすぎ感のある衣装で包み、ナイトアウトする中年女性が題材です(笑)なんどもBeryl Cookのバースデーカードやクリスマスカードを今まで人に送ってきました(笑)変に(良い意味で)イギリスっぽいのもグッドです(笑)