political correctness - 差別用語コードにひっかからない 4

前回"Political correctness"についておしゃべりしたのが4月のこと。
今日は数カ月振りに政治的公正(ポリティカルポライトネス)にからむ(反した)ジョークをご紹介したいと思います。

重複になりますが、おさらいです。

政治的公正(ポリティカルポライトネス/political politeness)とは:

従来の欧米の伝統価値観や文化が西欧白人男性優位であったことの反省に立ち、女性や、アジア系、アフリカ系、ラテンアメリカ系などの住民、アメリカンインディアン、同性愛者などの社会的小数派の文化、権利、感情を尊重し、彼らを傷つける言動を排除しようとすること。(リーダース)

political correctness is a term which originally referred to efforts to redress, primarily in the use of language, real or preceived discrimination on the basis of race, gender, or other criteria. An example would be substituting the word disabled for cripple of a person with a permanent injury. (wikipedia)


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注)political correctness - 差別用語コードにひっかからない 3では、Avenue QEveryone's A Little Bit Racistのリリックをご紹介してあります。

about Avenue Q
http://www.fanpop.com/spots/avenue-q/images/123974/title/avenue-q-logo-photo

$BANANA SPIRIT

画像拝借先:http://www.fanpop.com/spots/avenue-q/images/123974/title/avenue-q-logo-photo



はてさて、前置きが長くなりましたが、本日の”気をつけた方がいい”ジョーク。つまりこの手のジョークは、言うのも笑うのも反応するのも、TPOをわきまえなければなりません。要注意ジョークむかっの例としてとりあげたいと思います。




OLD GRUDGES

There was a Jew and a Chinese sitting at the bar drinking. All of a sudden the Jew turns and punches the Chinese in the face knocking him off his stool, stunned the Chinese gets up and says, "What the hell was that for?"

The Jew replies, "That was for Pearl Harbor."
The Chinese says, "That was the Japanese, I'm Chinese."
The Jew says, "Well you have black hair squinted eyes and buckteeth, it's all the same to me."

The Chinese says "Okay" and sits on his stool and continues drinking. About a half hour later the Chinese turns and punches the Jew in the face knocking him off his stool. The Jew gets up and says, "What the hell was that for?"

The Chinese says "That was for the Titanic."
The Jew replies, "The Titanic? That was an Iceberg."
The Chinese says, "Iceberg, Goldberg, Steinberg, it's all the same to me."


<ざっと訳>

過去の恨み

ユダヤ人と中国人がふたりバーのカウンターに座って酒を飲んでいた。
突然、ユダヤ人が薮から棒に中国人の顔面にパンチを入れたもんだから、中国人はスツールから転げ落ちた。面食らった中国人は起き上がり言った。「いったいなんでオレが殴られるんだ?」

「真珠湾攻撃へのお返しさ」ユダヤ人が答えた。
「攻撃したのは日本人で、おれは中国人だ」と中国人。
「関係ないね。お前の髪は黒いし、つり上がったやぶにらみの目に、出っ歯。オレにとっちゃ中国人も日本人も一緒さ」ユダヤ人が言った。

「OK」中国人は言い、カウンターに座って酒を飲み続けた。30分くらい経った頃、今度は中国人がだしぬけに、ユダヤ人の顔面めがけてパンチを入れ、ユダヤ人はスツールから転げ落ちた。ユダヤ人は床から起き上がり、言った。「いったいなんでオレが殴られるんだ?」

「タイタニック号のかたきさ」中国人が答えた。
「タイタニック号だって?タイタニック号はアイスバーグ(氷山)にぶつかって沈没したんだぜ」とユダヤ人。
「関係ないね。アイスバーグ、ゴールドバーグ、ステインバーグ、みんなオレにとっちゃ一緒さ」中国人が言った。





ジョークの説明をするほど陳腐なものはございませんが、敢えてさせていただきたいと思います。

まず、これは間違いなく人種差別的ジョークカテゴリーに属します。
ジョークは面と向かっては言えない”タブー”を扱うことが多いので、人種、男尊女卑、差別、セックス、同性愛などが題材になることが多いですね。

まず、このジョークを聞いて、不快に思う中国人や日本人があるでしょう。
日本人と中国人を一緒にしちゃってますし、真珠湾をいきなりせめて来たJAP的な怒りのようなものから、このユダヤ人は中国人をなぐってしまったように思われます。ちなみに、日本を略して言及する際、JPNとするヒトは心得のあるヒトだと見受けます。JPNはニュートラルな意味での日本人や日本。JAPとすると蔑称的意味合いが入ることが多いです(2次大戦前はニュートラルな意味しかもっていなかったみたいですが、真珠湾を”奇襲”したあの悪者日本人というニュアンスが真珠湾攻撃から込められるようになったみたいです)。私個人としては、JAPを普通にニューとなるな意味の略式表記で使っていますが。

また日本人/中国人を蔑むかのようなステレオタイプの東洋人の外見についての描写があります。東洋人の目について、また口元についてです。目はやぶにらみで(多分つり上がっていて細いことからそのように見えるのかもしれません)、出っ歯(buck teeth)。これはどうも、アメリカの大陸横断鉄道(1869年開通)をつくるのに労働者として使われた中国人のアメリカでのステレオタイプのイメージにつながっているようです。


あ~、ジョークって深い(笑)ドクロ


ジョークに話しを戻し、
クロスカウンターパンチを30分後に入れた中国人ですが、今度は、薮から棒に、タイタニック号のかたきと、ユダヤ人を殴ったんで、ユダヤ人がわけがわからず、なんで殴られなくちゃあかんねん?と聞きます。すると、中国人の言い草が、アイスバーグもゴールドバーグもステインバーグも一緒やんけ!です。日本人と中国人のオレを一緒にするのなら、こっちだって、アイスバーグとユダヤ人を一緒にしたる!というわけです。何故氷山とユダヤ人が一緒になるかというと、ユダヤ系のヒトたちには、ールドバーグもステインバーグ的なうんちゃらバーグという名字が多いからです。

また、このジョークの裏読みとして、
東洋について無関心/無知な西洋人(多分ここではユダヤ系アメリカ人)についての風刺がこめられているととれなくもありません。
東洋について無知なユダヤ系アメリカ人が、無知と傲慢さで中国人をバーでやり込めるが、まんまとやり返されたというオチともとれなくありません。


香港って国?東京って香港のどこにあるの?的な質問をするヒト、西洋にはまだ根強く生息しています。

誰かがジョークを言い、皆が爆笑した。自分はなんとなくしかジョークの内容がわかっていなくて、あんまりよくわからないまま、皆に合わしてヘラヘラしてたとか、そういうのって危険です。その無責任な笑いで誰かの気分を害してるかもしれないし、日本人のことや、東洋人のことを差別しているとってもrudeなジョークにへらへらしてるなんていったら、ちょっと情けないです(その後しっかり他のジョークでもってきり返せるなら別ですが)。

肌の色などの容姿についてはあまり社交的な場でふれない方が無難です。西洋人の高い鼻をばかにしているつもりはなくても、ときどきテレビで視聴者を笑わせるためにか、偽物の高い鼻をつけて、英語訛りの英語を話す西洋人を模倣する日本人がいますが、あれも日本の外にでたらあり得ない笑いのセンスです。顔をアフリカ系アメリカ人か、カリブ系アメリカ人に見せかけるように黒く塗ってテレビに出てくるとかも今思うとちょっと信じられない常識です。


そう思うと、一番罪がないのって、奥さんが旦那さんとのエッチに満足してない的なsexジョークかな~(笑)叫び
まぁ、顔で笑って心で傷ついている殿方もあるかと思いますが。

上述のような人種差別チックなジョークも、あまり神経質にならず、言い合える仲っていうのもありますから、過敏になりすぎる必要はないとは思います。
毒舌って結局誰か特定のヒト/ヒトたちのことをやり込めていることが多いですからね。