Jewish passover festival - 過越

passover seder
from http://en.wikipedia.org/wiki/Passover_seder#Seder_Plate
The Passover Seder Plate (ke'ara)
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今夜は、ユダヤ人の宗教的行事、passover dinner(passover seder)のご相伴にあずかりました。
3000年前に起きた出来事を祝う行事です。

まずは、食べ物ネタの前に、passover/過越という宗教行事についてです。3月30日の日暮れ時にpassoverのフェスティバルは始まり、8日間つづきます。


passover: ((ユダヤ教))the passover。過ぎ越しの祭(出エジプトを記念するユダヤ人の祝い(exod.12))。the Jewish religious festival and holiday in memory of the escape of the jews from Egypt.

過越について
http://ja.wikipedia.org/wiki/過越

聖書にはこのような言及がある。

その夜、わたしはエジプトの国を巡り、人であれ、家畜であれ、エジプトの国のすべての初子【ういご】を撃つ。また、エジプトのすべての神々に裁きを行う。わたしは主(ヤハウェ)である。あなたたちのいる家に塗った血は、あなたたちのしるしとなる。血を見たならば、わたしはあなたたちを過ぎ越す。わたしがエジプトの国を撃つとき、滅ぼす者の災いはあなたたちに及ばない。この日は、あなたたちにとって記念すべき日となる。あなたたちは、この日を主(ヤハウェ)の祭りとして祝い、代々にわたって守るべき不変の定めとして祝わねばならない。
(出エジプト記12章12~14節)

<解釈>
ヘブライ人(イスラエル)を解放せよというモーセを拒絶するファラオとエジプトを、ヤハウェからの災厄が次々に襲いました。その第10番目の災厄は、エジプト領内すべての家の長男を殺すというものでした。このときイスラエル人は、ヤハウェからの指示を信じて家の門などに羊の血で目印をつけ、ヤハウェの災厄はその目印のある家は過ぎ越して行ったのです。
さすがのファラオも、臣民のすべての家から絶叫があがり、しかも王子まで死んだのを見て、イスラエルを解放したのです。

こうして、みずからの力で勝ち取ったのではなくヤハウェによって自由を与えられたイスラエルは、約束の地カナン(現パレスティナ地方)へと旅立ったのでした。
こののちヤハウェは、イスラエルで「我々をエジプトの奴隷の家から救い出した神」と呼ばれるようになりました。過ぎ越し祭は、このできごとを記念して、ヤハウェ自身の命令によって制定されたものです。


<参考サイト>
http://www.nunochu.com/matsuri/passover.html

↑何故passoverと言われるのかよくわかりますね。

ちなみにエジプトで、奴隷として従属させられていたユダヤ人たちが神様に救い出された記録が、出エジプト記。

出エジプト記:出エジプト記(exodus):旧約聖書中の第二書。モーセ五書の一。モーセがイスラエル民族を率いてエジプトを脱出、シナイ山に至るまでを記す。モーセの十戒はこの書二〇章にある。

ユダヤ人ってダレ?というと、
Judaea(ユダヤ)
前10-6世紀ごろ現在のパレスチナ地方にあったユダヤ人王国。前586年、バビロニアに征服され、滅亡、このためユダヤ人は故郷を奪われ、世界各地に分散。

はてさて、今宵のpassover dinnerですが、大勢の人が集まるパーティのようで、私も何か”規格”に合った物をつくって行こうと思い、避けた方がよい食材を聞くために電話をしてみました。

すると、リクエストは、
菜食であること。
raising agent (パンを膨らませるためのエージェント、例えばイースト菌など)を使わないで欲しい。
パンや、米などの炭水化物系を避けて欲しい。

などということでした。携帯電話の電波が悪かったので、私が聞こえた範囲ですが。

それでは、徐々に食べ物ネタに流れて行きましょう♪

どうしてpassoverのフェスティバル時期にパンがだめかっていうと、ユダヤ人たちは大慌てでエジプトを出たんだそうです。そう、パンが発酵して膨らむのを待つ間もないくらい大急ぎで。

When Pharaoh freed the Hebrews, it is said that they left in such a hurry that they could not wait for bread to rise. In commemoration, for the duration of Passover, no leavened bread is eaten, for which reason it is called "The Festival of the Unleavened Bread".


というわけで、Matzaという小麦粉と水でつくられた(ふわっとさせるような物質が入っていない)クラッカーのようなパンが、passover時期に食べられる習慣となったんだそうです。

matzaは、救済と自由のシンボルでもあるんだそうですが、"貧しい者の食べるパン”という意味もあるんだそうで、つまり、matzaはあの奴隷として酷使されていた試練の時を忘れないためにテーブルの上にあがる食べ物でもあるんだそうです。

また、ふわっとpuffed upしたパンを、puffed upした人間性(うぬぼれた、思い上がった、偉ぶるなどという意味があることから)とかけて、謙虚な気持ちを忘れないために、という意味合いもあるそうです。
eg. he is puffed up like a peacock.

また、調べてみると、passover sederではこれらの食材は御法度とのこと。
forbidden foodsは、chometzと呼ばれるらしい。

Wheat (小麦)
Barley (大麦)
Spelt (スペルト小麦、ドイツ小麦)
Rye (ライ麦)
Oats (オーツ麦)


http://en.wikipedia.org/wiki/Matza

seder plateという象徴的な6種類の食べ物を、passoverの第一夜と第二夜に食べる習慣があるそうです。
この6種類の食べ物とは、

以下の通りだそう。

1&2: ローマンレタス、ホースラディッシュ、エンダイブなどの苦みのある野菜→エジプトでの奴隷時代の強制労働のつらさを忘れないようにという意味を込めていただく。
Maror and Chazeret: Two types of bitter herbs, symbolizing the bitterness and harshness of the slavery which the Jews endured in Ancient Egypt. For maror, many people use freshly grated horseradish or whole horseradish root. Chazeret is typically romaine lettuce, whose roots are bitter-tasting. Either the horseradish or romaine lettuce may be eaten in fulfillment of the mitzvah of eating bitter herbs during the Seder.

3:エジプトで石造りの家をつくるのに奴隷として働いたユダヤ人が使用したモルタルに例えて、フルーツとナッツの入った甘いペースト。材料は刻んだりんご、ナッツ、シナモン、ワイン。
Charoset: A sweet, brown, pebbly paste of fruits and nuts, representing the mortar used by the Jewish slaves to build the storehouses of Egypt.

4:苦みのある野菜以外のパセリ、セロリ、あるいはゆでたジャガイモなどの野菜のうちどれかを塩水か酢か、あるいはcharosetと一緒に→奴隷時代の涙の味。
Karpas: A vegetable other than bitter herbs, usually parsley but sometimes something such as celery or cooked potato, which is dipped into salt water (Ashkenazi custom), vinegar (Sephardi custom), or charoset (older custom, still common amongst Yemenite Jews) at the beginning of the Seder.

5:ローストか茹でた4つ足動物の肉か、鳥やターキーの肉一切れ。できればすねの骨がついているもの。これは生け贄の象徴。出エジプト記がふれている3000年前には、羊が生け贄として捧げられていた。
Zeroa: A roasted lamb bone, symbolizing the korban Pesach (Pesach sacrifice), which was a lamb offered in the Temple in Jerusalem and was then roasted and eaten as part of the meal on Seder night.

6:ローストしたタマゴ。生け贄の象徴としてエルサレムのテンプルで捧げられていた。
Beitzah: A roasted egg, symbolizing the korban chagigah (festival sacrifice) that was offered in the Temple in Jerusalem and was then eaten as part of the meal on Seder night.

http://en.wikipedia.org/wiki/Passover_seder#Seder_Plate

<上述以外の参考資料>
The News (a Mexico city English language news paper) (2010年3月26日記事)

今宵のPassoverはどんな感じになるのか、ちょっぴりワクワクしてます。メキシコならでは個性あるseder plateがあったりするかもしれませぬ。

私はというと、規格に触れないと思われるものを3種類つくって持って行きます。

<一応グロッサリー>
Judaea(ユダヤ)
前10-6世紀ごろ現在のパレスチナ地方にあったユダヤ人王国。前586年、バビロニアに征服され、滅亡、このためユダヤ人は故郷を奪われ、世界各地に分散。

ユダヤ教:万物の創造神エホバを信ずるユダヤの民族的宗教、モーゼの戒律を生活の規範とし、旧約聖書を唯一の聖典とする、前6世紀ごろ成立。

ユダヤ人:パレスチナ地方を現住地とする、ヘブライ語を話すアラム族の一部、紀元前10世紀ごろに、パレスチナの地にユダヤ王国を建設。紀元前586年バビロニア人に滅ぼされて後は各国各地を流浪、他教徒から迫害されながらも多くのすぐれた人物を輩出。一方、シオニズム運動によって祖国再建に努力、1948年パレスチナにイスラエル共和国を建設した。

バビロニア(Babylonia):古代王国の1。メソポタミア南部にあった、首都バビロン。紀元前1800年ごろ建国され、ハムラビ王の時全盛、この王の時代に制定されたハムラビ法典は有名。のちアッシリアに滅ぼされたが、紀元前7世紀に新バビロニア王国として再建され、ネブカドネザル2世の時に繁栄、紀元前539年ペルシアに滅ぼされた。

エホバ(jehovah):旧約聖書の神聖で口にすべからざる神名YHWHの伝統的な読み方。近年ヤハウェとよまれることが多い。
エホバ:旧約聖書にあるユダヤ教の唯一絶対の神。


<おまけ画像>
Kosherのタコスレストラン?なんじゃそれ?!あせる
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ポランコ地区にあった、中東系のスーパーマーケット
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