the tragedy of the Habsburg Monarchy- ハブスブルグ家の悲劇
2009年10月18日にハプスブルグ展に行った時は、アドミッションを払うのにパスモが使えることや、ベラスケス以外の作品にふれただけで、ハイライトともいえるDiego Velazquezの白衣の王女マルガリータ・テレサや、皇太子フェリペ・プロスペロの絵については一切ふれなかったけど、
<過去の関連記事>
Treasures of the Habsburg Monarchy - THE ハプスブルク
今夜、NHKの教育テレビの「怖い絵」で、ハプスブルグ家がネタになってました。
ふーんと改めて感慨深いものがあったのでここで少しシェアしておこうと思います。おつきあいください。
番組をみながらとったメモを元にしたエントリです。少し誤解や間違いがあるかもしれません。更なる興味がおありの方はダブルチェックしてみてください。
まずは、その当時のこの王家の”プライド”。
「高貴なる青い血」といわれていたらしく、この青い血とは、あのまっちろい肌に欠陥がうきでてるような青さのことをいうんだそう。つまり北ヨーロッパのあのフェア(よく言えばすけるような色の白さ、わるく言えばなまっちょろさ)な肌色、目の色、髪の毛のいろのことね。やっぱり、、、ヨーロッパでは、あの金髪、青い目、白い肌こそが、上流階級っていうなんていうか、根強い連想が根強いのです。
そしてこのハプスブルグ家はこの高貴なる青い血を守ろうとして高貴なる青い血によって滅びてしまうっていうこの皮肉の中にドラマ性を感じちゃうのは私だけじゃないはず。
結局、支配する側のこのフェアな顔した北方(つまりオーストリアハプスブルグ家)系はここにやってきた支配するものだったわけで、支配する側のこの王家にとっては、もともとそこにいた人達っていうのは、自分たちが支配する下々のモノ達だったわけで、そんな輩と交わりたくなかったんでありましょう。
近親婚の危険を知りつつも、どんどん血を濃くして行ってしまう。
宮廷画家ベラスケス(Diego Velazquez)は、フェレペ4世に才能を見いだされ、この王家を描き続けることに一生捧げることとなってしまう。
Diego Velazquezの白衣の王女マルガリータ・テレサの肖像画は、ため息がでちゃうほど、王女の可憐振り、気位の高さなんかがすごーく表現されていると誰もが思う作品だと思う。
このマルガリータ•テレサから遡ること4代。ハプスブルグ家ではカルロス一世(オーストリアXスペイン最初の嫡男)が王に即位する。その息子がフェリペ2世。どんどん勢力を増し、領土をひろげ、ポルトガルも支配下に置く。マドリッド郊外にあるお城は金銀がふんだんにあしらわれている。
ところが、(歴代多産だったといわれるハプスグルグ家だけど)
フェレペ2世は、3度も結婚したんだけど、次々に妻や子供が亡くなってしまう。結局41歳になっても独身。世継ぎのいない王は大ピンチに陥る。とはいえなかなか相手もいない。プロテスタントとは結婚できないし、カトリックっていっても、血族多いし、その上コドモが産めそうなおなごとなるとなかなかいなかったんだそうだ。アラフォーの婚活はいつの時代も山有り谷有りなのか?!
なので苦肉の策か、タブーをおかして、妹の子、つまり自分の姪にあたるアナというむすめと結婚する。うらら~。おじさん。
カトリック教会はこれを認めたわけではなかったが、当時のハプスブルグ家の勢力は強くて
カトリック教会側もあんまりつべこべ言えなかったらしい。5人の子宝を授かるけど
次々に夭折。たったひとりだけ生き延びてくれたのが、フェレペ3世。
そして次世代のフェレペ4世、無能王と呼ばれちゃってたらしい。どんな無能ぶりを発揮したのかは今度調べてみるわね~。
またしても最初の結婚で8人の子宝に恵まれるには恵まれるけど次々夭折。
44歳で独身になってしまう。じいさんにあたるフェレペ2世のマネをしたわけじゃないとは思うけど、同じ決断をして姪と結婚しちゃうの。しかもその年齢差は30歳。近親婚にロリコンかい?
でもって生まれたのが、マルガリータ。あの美しいマルガリータ。
なんて皮肉な話しなのかしら。カトリックの教義に反して生まれたむすめの美しさがこんなに半端じゃなかったなんて。近交係数っていうので近親度というか、血の濃さを表すと、マルガリータは0.254なんだそうだ(かなり高いってことらしい)。
マルガリータの肖像画
http://pinkchiffon.web.infoseek.co.jp/Margarita4.htm
近親婚が悪いのは知ってる。が、生まれて来たコドモのたったひとりでもいいから生きながらえてくれたらそれでいいんじゃとばかりのスタンスだったハプスブルグ家。
どうしても、肌や目の色や髪の毛の色が黒々したその地にいた下々とは交わりたくなかったんだね~。
マルガリータと歳の差6歳にして、フェレペ4世にも待望の男の子が誕生する。プロスペロ王子だ。
フェレペ父さんは50代だったそう。この知らせに国中が歓喜。が、マルガリータもプロスペロもなんたって近親婚だからか、虚弱体質。とくにこの王子、ずぇったいに長生きできないだろうなーと誰もが思ったそうだ。
王子の肖像画
http://pinkchiffon.web.infoseek.co.jp/Margaritaf5.htm
↑絵をみればわかるけど、もう手の表情には死神が近づいているのが表現されている。はかなすぎる。
この絵は王子が2歳くらいの時に描かれたらしい。この絵を仕上げた翌年にDiego Velazquezが亡くなり、そのまた翌年に王子が亡くなってしまう。
はかない。4歳くらいで死んじゃうなんて。
そのはかなさを強調するかのような肖像画だ。
このあどけなさも、ぬけるような肌色も、体中につけられたお守りも、なにもかもむなしい。
王子が亡くなった時、無能王は56歳。まさかの男の子が再び生まれる。4歳で王位を継承し、カルロス2世となる。最初は奇跡の子と言われたが、後にのろわれた子と言われながらも、1900年まで(39歳まで)生き延びた。ここでこのハプスブルグ王朝が滅びる。
何の因果か、マルガリータも自分の伯父さんの結婚し、21歳でお産をする時に子供と共に亡くなってしまう。
現在、一家は京都にいらっしゃいます♪
The ハプスブルグ
京都国立博物館(東山七条)
2010年1月6日(水)~3月14日(日)
休館日:
毎週月曜日
ただし1月11日(月・祝)、
翌12日(火)は開館。
2009年10月18日にハプスブルグ展に行った時は、アドミッションを払うのにパスモが使えることや、ベラスケス以外の作品にふれただけで、ハイライトともいえるDiego Velazquezの白衣の王女マルガリータ・テレサや、皇太子フェリペ・プロスペロの絵については一切ふれなかったけど、
<過去の関連記事>
Treasures of the Habsburg Monarchy - THE ハプスブルク
今夜、NHKの教育テレビの「怖い絵」で、ハプスブルグ家がネタになってました。
ふーんと改めて感慨深いものがあったのでここで少しシェアしておこうと思います。おつきあいください。
番組をみながらとったメモを元にしたエントリです。少し誤解や間違いがあるかもしれません。更なる興味がおありの方はダブルチェックしてみてください。
まずは、その当時のこの王家の”プライド”。
「高貴なる青い血」といわれていたらしく、この青い血とは、あのまっちろい肌に欠陥がうきでてるような青さのことをいうんだそう。つまり北ヨーロッパのあのフェア(よく言えばすけるような色の白さ、わるく言えばなまっちょろさ)な肌色、目の色、髪の毛のいろのことね。やっぱり、、、ヨーロッパでは、あの金髪、青い目、白い肌こそが、上流階級っていうなんていうか、根強い連想が根強いのです。
そしてこのハプスブルグ家はこの高貴なる青い血を守ろうとして高貴なる青い血によって滅びてしまうっていうこの皮肉の中にドラマ性を感じちゃうのは私だけじゃないはず。
結局、支配する側のこのフェアな顔した北方(つまりオーストリアハプスブルグ家)系はここにやってきた支配するものだったわけで、支配する側のこの王家にとっては、もともとそこにいた人達っていうのは、自分たちが支配する下々のモノ達だったわけで、そんな輩と交わりたくなかったんでありましょう。
近親婚の危険を知りつつも、どんどん血を濃くして行ってしまう。
宮廷画家ベラスケス(Diego Velazquez)は、フェレペ4世に才能を見いだされ、この王家を描き続けることに一生捧げることとなってしまう。
Diego Velazquezの白衣の王女マルガリータ・テレサの肖像画は、ため息がでちゃうほど、王女の可憐振り、気位の高さなんかがすごーく表現されていると誰もが思う作品だと思う。
このマルガリータ•テレサから遡ること4代。ハプスブルグ家ではカルロス一世(オーストリアXスペイン最初の嫡男)が王に即位する。その息子がフェリペ2世。どんどん勢力を増し、領土をひろげ、ポルトガルも支配下に置く。マドリッド郊外にあるお城は金銀がふんだんにあしらわれている。
ところが、(歴代多産だったといわれるハプスグルグ家だけど)
フェレペ2世は、3度も結婚したんだけど、次々に妻や子供が亡くなってしまう。結局41歳になっても独身。世継ぎのいない王は大ピンチに陥る。とはいえなかなか相手もいない。プロテスタントとは結婚できないし、カトリックっていっても、血族多いし、その上コドモが産めそうなおなごとなるとなかなかいなかったんだそうだ。アラフォーの婚活はいつの時代も山有り谷有りなのか?!
なので苦肉の策か、タブーをおかして、妹の子、つまり自分の姪にあたるアナというむすめと結婚する。うらら~。おじさん。
カトリック教会はこれを認めたわけではなかったが、当時のハプスブルグ家の勢力は強くて
カトリック教会側もあんまりつべこべ言えなかったらしい。5人の子宝を授かるけど
次々に夭折。たったひとりだけ生き延びてくれたのが、フェレペ3世。
そして次世代のフェレペ4世、無能王と呼ばれちゃってたらしい。どんな無能ぶりを発揮したのかは今度調べてみるわね~。
またしても最初の結婚で8人の子宝に恵まれるには恵まれるけど次々夭折。
44歳で独身になってしまう。じいさんにあたるフェレペ2世のマネをしたわけじゃないとは思うけど、同じ決断をして姪と結婚しちゃうの。しかもその年齢差は30歳。近親婚にロリコンかい?
でもって生まれたのが、マルガリータ。あの美しいマルガリータ。
なんて皮肉な話しなのかしら。カトリックの教義に反して生まれたむすめの美しさがこんなに半端じゃなかったなんて。近交係数っていうので近親度というか、血の濃さを表すと、マルガリータは0.254なんだそうだ(かなり高いってことらしい)。
マルガリータの肖像画
http://pinkchiffon.web.infoseek.co.jp/Margarita4.htm
近親婚が悪いのは知ってる。が、生まれて来たコドモのたったひとりでもいいから生きながらえてくれたらそれでいいんじゃとばかりのスタンスだったハプスブルグ家。
どうしても、肌や目の色や髪の毛の色が黒々したその地にいた下々とは交わりたくなかったんだね~。
マルガリータと歳の差6歳にして、フェレペ4世にも待望の男の子が誕生する。プロスペロ王子だ。
フェレペ父さんは50代だったそう。この知らせに国中が歓喜。が、マルガリータもプロスペロもなんたって近親婚だからか、虚弱体質。とくにこの王子、ずぇったいに長生きできないだろうなーと誰もが思ったそうだ。
王子の肖像画
http://pinkchiffon.web.infoseek.co.jp/Margaritaf5.htm
↑絵をみればわかるけど、もう手の表情には死神が近づいているのが表現されている。はかなすぎる。
この絵は王子が2歳くらいの時に描かれたらしい。この絵を仕上げた翌年にDiego Velazquezが亡くなり、そのまた翌年に王子が亡くなってしまう。
はかない。4歳くらいで死んじゃうなんて。
そのはかなさを強調するかのような肖像画だ。
このあどけなさも、ぬけるような肌色も、体中につけられたお守りも、なにもかもむなしい。
王子が亡くなった時、無能王は56歳。まさかの男の子が再び生まれる。4歳で王位を継承し、カルロス2世となる。最初は奇跡の子と言われたが、後にのろわれた子と言われながらも、1900年まで(39歳まで)生き延びた。ここでこのハプスブルグ王朝が滅びる。
何の因果か、マルガリータも自分の伯父さんの結婚し、21歳でお産をする時に子供と共に亡くなってしまう。
現在、一家は京都にいらっしゃいます♪
The ハプスブルグ
京都国立博物館(東山七条)
2010年1月6日(水)~3月14日(日)
休館日:
毎週月曜日
ただし1月11日(月・祝)、
翌12日(火)は開館。