Landon Donovan in a new TV CM - 話題のCM
<画像拝借先:http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/01/20/AR201001
2002557.html
>
このコマーシャルを見てみたい方はこちらをクリック
http://www.youtube.com/watch?v=A6zsw2rec6Q
アメリカのサッカー選手が、偽の口ひげをつけて、ステレオタイプのメキシコ人の風貌(ソンブレロやポンチョなどを身にまとっている)で、アメリカとメキシコの国境を違法に超えようとするのを、国境のところにいたオフィサーにみつかってしまうというストーリ仕立てのテレビコマーシャルです。
日本で暮らしている我々日本人にはピンとこないような、cultural sensitivity(デリケートな問題)がこのCMにはあるようだったので、取り上げてみました。
このCMで風刺されているのは、メキシコ人で、
多分このcMをみて気を悪くしたメキシコ人もいたことかと察します。
まず、この典型的なメキシコ人とされるLandon Donovanの出で立ちですが、このような風貌は、実は『典型的なメキシコ人』を象徴しているというよりも(実際にメキシコシティでこんな風貌の人はひとりもみかけなかったし)、貧困層のメキシコ人を象徴してしまっているようです。
ここに我々日本にいる日本人には見えて来ないほのめかしの複雑さがあります。
じゃあ、逆にアメリカ人を風刺するのによく使われている典型的アメリカ人として、
だぼだぼTシャツに短パン、カメラやビデオをクビからさげて、ウエストポーチにスニーカーというのがありますが、これも、このTVコマーシャルの中のメキシコ人を風刺するのと同様に、『センシティブ』?
かというとそうでもないみたいです。
なぜならば、
風刺のポイントは、
このポンチョのメキシコ人=貧困の象徴
Tシャツ短パンのアメリカ人=比較的豊か(だけど『そこそこユタカではあるけれど、ファッションセンスがださい』というところ)
だからです。
じゃあ、日本人が着物着てでてきたら、あるいは日本人がブランド品に身を固めてでてきたら、それは、やはり、offensiveな風刺になるの?
というと、
そうじゃないと思います。
着物は、日本の特定の層で生きる人達を象徴しているわけでもないし、貧しさも、世界に日本が批判される要因を象徴していたりもしないからです。ブランドづくしも、ださいし、個性がないけど、そこに戦争のひずみとか、貧しさとか、昔からある日中問題とかそういうのが関係していないし。
だからこのポンチョに口ひげ同等のステレオタイプな日本人風刺といったら、
多分、
日本人が神風特攻隊のようないでたちで登場するとか(間違った軍事国家のイメージという西洋でまかり通っていた日本のイメージと重なる)、
さもなくば、
芸者さんが、お客さんにお酌をしているシーンとか(日本の男社会、女性の地位の低さとか、ゲイシャ=プロスティチュート(prostitute 売春婦)という西洋人が誤解してしまいがちなポイントなどと重なる)、(注意:西洋圏で男性に女性がお酌をするというのはありえないと思うくらいでよいと思います。女性が積極的におしゃくをしている様はかなり奇妙です)
といったところなのでしょう。
同等のoffensive度といったら、例の、目尻を指でつり上げて、つり目をつくって、示す、
『日本人(あるいはその他の極東人)』をしめすジェスチャーでしょう。
なのでパーティの余興などで、メキシカンミュージックに合わせて何かやろうなんてことになった場合、
ソンブレロにポンチョに口ひげをつけて、皆の笑いを取ろうとしたなんていうと、、、、
インターナショナルな場では、イエローカードが出てしまう危険が多いにあるので辞めておいた方がよいでしょう。
(以前に、チュウゴク語の語学学校のクリスマスパーティで、アフリカ系アメリカ人に扮した日本人がパフォーマンスをしてたというのを見かけました。受けに受けてたのは日本人のみ。その他の外国人はすっぱい顔をしてました。多分、昔いた、顔を黒く塗ったアーティストなんかもかなりやばいと思います。セロテープで目をつりあげて日本人ですってガイコクジンがでてくるのと同じようなものですから)
そして、次の、このTVコマーシャルのエッセンス(?)は、
アメリカ人がメキシコ人に扮して(ずるして)国境を越えちゃおうとしてるということです。
これも、メキシコからの移民を問題視しているアメリカという現状を逆さの状況にして、風刺しています。
そして最後は、サッカー選手であるLandon Donovanが、ずるをしてまで国境を越えようとした理由が、sports lotteryです(Lotteryはくじのようなもの。ギャンブル性がある)。
メキシコやイタリアでは特筆すべきことではなくても、アメリカではもっともっとギャンブルに神経質だという側面をふまえてみると、これもなかなかうまいこと皮肉になっています。サッカー選手がサッカーの試合にかけるギャンブルをする為に、不法入国しちゃおうとするなんてストーリー、うまいな~って感動しちゃいました。
<画像拝借先:http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/01/20/AR201001
2002557.html
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このコマーシャルを見てみたい方はこちらをクリック
http://www.youtube.com/watch?v=A6zsw2rec6Q
アメリカのサッカー選手が、偽の口ひげをつけて、ステレオタイプのメキシコ人の風貌(ソンブレロやポンチョなどを身にまとっている)で、アメリカとメキシコの国境を違法に超えようとするのを、国境のところにいたオフィサーにみつかってしまうというストーリ仕立てのテレビコマーシャルです。
日本で暮らしている我々日本人にはピンとこないような、cultural sensitivity(デリケートな問題)がこのCMにはあるようだったので、取り上げてみました。
このCMで風刺されているのは、メキシコ人で、
多分このcMをみて気を悪くしたメキシコ人もいたことかと察します。
まず、この典型的なメキシコ人とされるLandon Donovanの出で立ちですが、このような風貌は、実は『典型的なメキシコ人』を象徴しているというよりも(実際にメキシコシティでこんな風貌の人はひとりもみかけなかったし)、貧困層のメキシコ人を象徴してしまっているようです。
ここに我々日本にいる日本人には見えて来ないほのめかしの複雑さがあります。
じゃあ、逆にアメリカ人を風刺するのによく使われている典型的アメリカ人として、
だぼだぼTシャツに短パン、カメラやビデオをクビからさげて、ウエストポーチにスニーカーというのがありますが、これも、このTVコマーシャルの中のメキシコ人を風刺するのと同様に、『センシティブ』?
かというとそうでもないみたいです。
なぜならば、
風刺のポイントは、
このポンチョのメキシコ人=貧困の象徴
Tシャツ短パンのアメリカ人=比較的豊か(だけど『そこそこユタカではあるけれど、ファッションセンスがださい』というところ)
だからです。
じゃあ、日本人が着物着てでてきたら、あるいは日本人がブランド品に身を固めてでてきたら、それは、やはり、offensiveな風刺になるの?
というと、
そうじゃないと思います。
着物は、日本の特定の層で生きる人達を象徴しているわけでもないし、貧しさも、世界に日本が批判される要因を象徴していたりもしないからです。ブランドづくしも、ださいし、個性がないけど、そこに戦争のひずみとか、貧しさとか、昔からある日中問題とかそういうのが関係していないし。
だからこのポンチョに口ひげ同等のステレオタイプな日本人風刺といったら、
多分、
日本人が神風特攻隊のようないでたちで登場するとか(間違った軍事国家のイメージという西洋でまかり通っていた日本のイメージと重なる)、
さもなくば、
芸者さんが、お客さんにお酌をしているシーンとか(日本の男社会、女性の地位の低さとか、ゲイシャ=プロスティチュート(prostitute 売春婦)という西洋人が誤解してしまいがちなポイントなどと重なる)、(注意:西洋圏で男性に女性がお酌をするというのはありえないと思うくらいでよいと思います。女性が積極的におしゃくをしている様はかなり奇妙です)
といったところなのでしょう。
同等のoffensive度といったら、例の、目尻を指でつり上げて、つり目をつくって、示す、
『日本人(あるいはその他の極東人)』をしめすジェスチャーでしょう。
なのでパーティの余興などで、メキシカンミュージックに合わせて何かやろうなんてことになった場合、
ソンブレロにポンチョに口ひげをつけて、皆の笑いを取ろうとしたなんていうと、、、、
インターナショナルな場では、イエローカードが出てしまう危険が多いにあるので辞めておいた方がよいでしょう。
(以前に、チュウゴク語の語学学校のクリスマスパーティで、アフリカ系アメリカ人に扮した日本人がパフォーマンスをしてたというのを見かけました。受けに受けてたのは日本人のみ。その他の外国人はすっぱい顔をしてました。多分、昔いた、顔を黒く塗ったアーティストなんかもかなりやばいと思います。セロテープで目をつりあげて日本人ですってガイコクジンがでてくるのと同じようなものですから)
そして、次の、このTVコマーシャルのエッセンス(?)は、
アメリカ人がメキシコ人に扮して(ずるして)国境を越えちゃおうとしてるということです。
これも、メキシコからの移民を問題視しているアメリカという現状を逆さの状況にして、風刺しています。
そして最後は、サッカー選手であるLandon Donovanが、ずるをしてまで国境を越えようとした理由が、sports lotteryです(Lotteryはくじのようなもの。ギャンブル性がある)。
メキシコやイタリアでは特筆すべきことではなくても、アメリカではもっともっとギャンブルに神経質だという側面をふまえてみると、これもなかなかうまいこと皮肉になっています。サッカー選手がサッカーの試合にかけるギャンブルをする為に、不法入国しちゃおうとするなんてストーリー、うまいな~って感動しちゃいました。