brighton Pride - part 2/strong>

イギリス滞在中、昔仲良しだった男友達の携帯に、突如連絡をしてみた。

『今夜これからもしよかったら、a cup of teaでもいただきにちょろっと顔をだしてもいいかしらん?20分後に電話するから考えといて』と、スカイプアウトを利用して彼の携帯にメッセージを送った。

20分後に電話をすると、かなり驚いている。
彼とはクリスマスカードを交換するくらいになっていて、ずっと連絡は途絶えたままだったから、勿論私がイギリスに、そして歩いて10分足らずのところに生息してたとは知る由もない。

そして、、、

勿論嫌だとはいえなかった彼(笑)

20分後に冷えたPinot grigioをオフライセンスで買って、彼の家を訪問した。
引っ越してから遊びにくるのは初めてだ。築100年記念を来年に控える家だ。

3年振りくらいの再会だけど、ほんとの友だちにはあまり年月のギャップなんかあんまり関係ない。

彼はゲイで、恋人と4、5年一緒に暮らしている。籍こそいれていないが、Miniature Schnauzerを二匹飼っていてもうほとんど娘と息子のいる4人家族同然になっていた(笑)2年かけて湛然に仕上げたガーデンもなかなか素敵に仕上がっていた。彼の彼が、職を辞め、住んでいた家を売り、私の友だちのいる地域に引っ越してきた。私の友だちの方もそれだけ勇気ある行動をとってくれた恋人に感謝し、自分の好きなことを自粛しても恋人が新しい生活で寂しい思いをしたりホームシックにならないように頑張った。家も自分の家に彼が住んでいるような感じになってしまってはいけないと、ふたりで新居に引っ越したのだ。

このカップルは、brigton prideなんかには出かけて行かないタイプだ。ゲイバーにも『行く必要がない』といって、行かない。静かに、ゲイであることを宣伝もせず、そこにとくにアイデンティティも求めずに、2人で、家でプライベートな時間を愛犬とともに楽しんでいる。

こんな2人が、その後いつ、どの友だちの家に泊るかきちんと決めてなかった私に『家にも良かったら数泊しないか』と言ってくれた。すぐにお言葉に甘えるのが私のよいところ。
彼らの言葉通りのsweet homeに数泊お世話になったけど、、、彼らのホスピタリティはまるで甘い蜜。すっかり病み付きになりそうになった。

マグカップも、紅茶も、ベッドメーキングも、シャワージェルも、なにもかも、心地よい。
料理や食にものすごくこだわる(とりわけ)私の友だち。オリーブオイルの種類も、半端じゃない。スパイスも、ハーブもなんでもそろってる。チーズもシリアルも選びたい放題だ(笑)
ゲストルームはアースカラーっぽいグリーンが基調で、植物がモチーフになっていて、とても気持ちよかった。じっくりと根をはって、しっかりとした基盤をもち、ちゃらちゃら/ふらふらしないで生活をしている人の家というのはこんなにも行き届き、心地がよいのかと、思わず自己の私生活を振り返ってしまった(汗)。彼らのガーデンには本当に訪問客が多い。きつねに、ハトに、かもめに、小さな小鳥達、そしてカエルもレギュラーな訪問者らしい。庭に座っているとちょっと離れたところにあるフットボールのスタジアムから歓声(いや、イギリスなんで罵倒か、、、)が聞こえてくる。空にはヘリコプターがう回し、フーリガン共を見張っている(笑)

2人はとても幸せそうで、とっても安定してるみたいだった。
素晴らしい。
幸せなカップルを見るほど勇気づけられるものはない。

彼らが、めちゃくちゃ素敵な提案をしてくれた。日曜日に他の仲良しだった仲間を呼んでBBQパーティを開いてくれるという。そうすれば私も皆に会ってゆっくり話しもできるでしょって。

英国の自分が暮らした町で、気心の知れた仲間といると、まじでまじで、とっても心地よいソファに身体が気持ちよく沈んでいくような気持ちになる。



あー、帰って来た~って。


アタシがアタシな感じ。



日曜日は最高のBBQ日和りで、彼が最高のおもてなしをしてくれた。
ひっさびさに、親しい友人たちと、日曜日のガーデンで、もうすぐできるBBQの臭いをくんくんかぎながら飲むpimm's(1860年にロンドンで登場したお酒らしい)は最高だ。

pimm's

大きなジャグにシトラスフルーツ、ミントの葉、キュウリ、ストロベリーなんかをいれてこのpimm'sとレモネードをいれて氷をいれて飲む、イギリスの夏ならではの飲み物だ。
こんなものが、イギリスを離れて久しい私にはかなり嬉しい。おかしなもので住んでいる時に当たり前に思って話しのタネにもしなかったようなものに感動するのである。

pimm'sを片手に、友達の毒舌、うわさ話(やっぱりなくちゃだめでしょう)、BBQ、などなどで暗くなるまで楽しいひとときを過ごしたら、バースデーケーキがでてきた。そうだ、そういえば、彼女の誕生日は夏だった。。。友達のひとりがキャンドルを吹き消す。こういうところにいつもぬかりがないのも、この私のゲイ友だ。彼の家にいつもクリスマスも集まって、ご機嫌なパーティメニューをこさえてもらっていた。プレゼントのラッピングも、カードのセンスも一番良いのは彼だった。



陽が落ちて今度は友達が、庭にある木にぶら下がる無数のランプに点灯。なんて幻想的なのかしら、、、。嗚呼、帰りたくない、帰りたくないよぉと思う私。友達っていい。友達が好きだーって叫びたくなる。



翌日がフライアウトだったのだけど、友達は私を残して仕事にいった後、半休をとって戻って来てくれた。
もったいないし(休みが)、そういうことをしてもらうと別れが辛くなるからよしとくれという私の意見は聞き入れられず、彼は家に戻って来てくれた。彼が戻って来きてから私が出てゆく迄の時間はほんの30分足らずだったっちゅうのに。

彼の恋人は昼休みに電話をかけてきてくれた。やさしいのぉ。あったかいのぉ。私にもこんな恋人が、、、(笑)彼もすっかり新しい職場と環境に馴染み、今いるところを"home"と思えるようになったそうだ。確かに彼らのいるところからは、gatwick airportにもheathrow airportにも比較的近く、ロンドンにもフランスにもぷらりと行けるところだ。motor way(高速道路)にも乗りやすいし、イギリスの中では比較的天候もマイルドなところだ。


是非とも彼らに日本に来てもらいたいところだが、私の友達、、、飛行機が怖くて乗れない。
彼のママがクレタ島に引っ越したっていうのに、彼の彼がひとりで彼女を訪ねたらしい。


日本に誘い込むのは難易度が高いかもな。