moving in Beijing - 北京で部屋探し 1



最近、引っ越そうと思って、あるチュウゴク人の若い女の子と連絡をとった。

いろいろ紹介できる物件があるよーっ

じゃあお願い紹介して~!

明日時間ある?

じゃあ明日会いましょ!

というやりとりが難なくあって、それでは会いましょうという当日になった。
とりあえず物件から最寄りだと思われる地下鉄の駅で待ち合わせしたのだが、

少し遅れちゃった私が駅についてすぐに電話をすると、

もう待ち合わせ場所で待ってるのよー、早く来てね

というので待ち合わせ場所に行くと、誰もいない。
電話をかけると、


あと10分待ってくれ

という。いつもペテンにかけられたようなかけられてないような、、、そんな気分が蔓延する巨大都市北京。

10分待って彼女は電動自転車で登場。さっそうと電動自転車にまたがってというよりも、操作もいまいちわからないのにやっとこさ乗ってきたようにしか見えない。
どうも間違った操作をしてしまったらしく、当然のように乗り上げた歩道で騒音を生み続けてた。アホ臭いいろいろなクラクションが次から次へと披露される。

かと思いきや、私に後ろに乗れと命令。
言葉通り命令だ。

くっ面白そうじゃんという悪魔のささやきが私の中でして、バリバリの熟女たるや、電動ちゃりにまたがってしまった私。

あらら、けど、フットレストが壊れてて倒れない。

関係ない、関係ない、足を上げてれば大丈夫だから!

という彼女にむっ。

あのね~、そう簡単にいうけど、どんだけ腹筋使うか知ってんの、あーた!やっぱりいやよ、こんなの危ないし。やーめた!

大丈夫大丈夫。危なくない危なくない

ここで漸く熟女に戻った私。こんなところでみすみすこけてけがしてたまるか。これ以上古傷を増やしてどうする?アラフォーオンナが電動チャリの後ろにのってこけて鼻をすりむいてもしゃれにならない。

という賢者のささやきを聞いて私はまたがったチャリからちょっとがっかりしたけど、降りた。

ねえ、タクシーで行こうよ

OKOKOK、けど私のチャリをここにとめたら誰かが盗むにきまってるから、私はやっぱりチャリでいく。あなたはタクシーで行って頂戴。タクシーの運ちゃんに私が行き先をいうし、タクシー代も絶対払っちゃダメよこっちでもつから

というやりとりがあって、やっと紹介物件にたどり着いた。物件付近で彼女を待つ事さらに10分。

ところが彼女の言い草はギャク。

私のこと電動バイクだと6分でここまでこれたのよー、早いでしょー。ずっと待ってたんだから!

こういうことにとりあう元気は北京にいると失せてくる。
そういいたいならそういうことにしておこうと、生気をぬかれて思うようになる。



彼女との会話中、私のする質問と質問に対する答えがだんだんちぐはくになっていく。
彼女がいわんとしてることもいまいちこっちは理解ができなくなっていく。彼女の英語会話力の限界は思った通りあっという間にやってきた。詳しい事はチュウゴク語でいってもらったほうがいいくらいだ。

オーナーがやってきて部屋の鍵を開けるという。

あれ?さっき鍵もってるっていってたのに。

という程の理解と事実のギャップ、聞いた話しと実際の違いなど気にしていたらチュウゴクでは生きていけない。

オーナーはチュウゴク人の若い女性でここに2つ物件を持ってて他にもいろいろ持ってるのよー。


という彼女と共に階上に上がる。上がってからあれ、やっぱりオーナーがまだ下にいるのかもしれないと下に降りて行く。。。オーナーがやってきて鍵をあけてくれた。

不動産やの彼女はいう。

2物件のうちのより良い方を先にみせてあげるから。


あけてびっくり玉手箱。


ばっちすぎる。
きっきたなすぎる。
これでましな方物件なわけ?

どんな風に汚かったかったかってそりゃああなた、、、

水洗トイレのポットの中の水面がかなり高くなってて(怪しいサインよね?)、茶色い。
近くにトイレと悪戦苦闘した跡と思われる茶色くひからびたモップ等あり。
シャワーはシャワースタンドにちゃんとかかってなくて、台所もなにもかも、とにかく触ればべとべとしそうでかなりおえっ。

オーナーの彼女はうら若く、ヤッピーじゃ全然なくて、いたいけでかわいくて、地味なアイドルみたいな顔をしてる。で、この不潔さを恥ずかしがる気配はまるでなし。

こんな部屋は人気ですぐに借り手がついてしまう。
なかなかよい部屋でしょう?この値段ではなかなか借りられませんよ。
先日見に来たオーストラリア人がかなり気に入ってたみたいだから、早くしないと。。。
なんてことをいたいけな顔をしていってのける。

でも、ねえ、なんでこんな汚いの?

いやいや安心してちょうだい。入るって決めてくれたらヒトを入れて掃除するから。

ねえ、だから、この心理が私には理解できないわけ。
どうせ掃除しなくちゃいけないんだからまず先に掃除してからヒトを案内しようよ。とりあえずゴミくらいは捨てても。。。

ねえ、中国じゃ借り手は出て行く時掃除してでてかないわけ?

そうなのよ。皆必要なものだけもっていらないものはのこして出て行っちゃうのよね~。

とあっけらかん。
借り手を見つけたいのならどうして掃除くらいできないか?
借り手の借りたい心をくすぐってほしいのに、そいでどうする?


この可愛いくて清楚なお顔と、きたない部屋のギャップ。
このショック、どっかで経験してる!
そうそう、中国のトイレや更衣室でだ。
可愛いお嬢さんたちが、そこまで浅ましいか!という醜態(涙)を見せつけてくるところだ。
あのギャップに考えさせられてしまう。きわめて動物的だ。

セールスポイントだと思うのか、どれだけ多くの外国人がこのアパートに住んでるかを繰り返す。

で、だから?

と言いたいところだけどぐっと無視する。

じゃあもう1つの物件もみせてもらってもよいかしら?

もう1つの物件の方が悪いはずだったのに、こちらの方が何十倍もましだった。出し惜しみ作戦?
最悪なものから見せて、敵が最悪物件で手をうったらラッキーってなところなのかしら?
よーわからん。

不潔さは一緒だったけど、リフォームの途中だったから。床もきれいになるみたいだったし壁もぬりかえてある。しかも窓からの眺めがとてもよい。公園の緑がとっても綺麗。なんとなくニンゲンの住む部屋っぽい。

ッテなコメントをすると、、、

じゃあ決まりね?決まりでしょ?リザーブするでしょ?

とくる。

やれやれだ。

でもなー、やはり、ちっちゃい羽蟻のような虫の大群が死んでる台所などをみてしまうと、どうしても腰が引ける。冷蔵庫をあけてみると、ふるーい野菜の葉(?)がはりついてる。隣に並んだ洗濯機もこわい。
それらを指差して

ねえ、これとこれ、私が使う羽目になるんだよね?

とすっぱい顔をして尋ねると、

もちろんよ♪みーんなあなたが使っていいのよー。

とこんなワンダフルなことってないでしょう?と言わんばかりに恩を着せてくる。
私は、

まさかこんなこ汚いの使わせるんじゃないでしょうね~?こんなの使いたくないんだけど??

という意味だったんだけど。ねえさっき、外からみた外見はちょっと今イチだけど中にはいるとびっくりするわよー、綺麗でっていってなかったっけか?

というか二人のこの女性達はきたないとも思っていないようで、、、

ね、トイレなんて使えないんじゃないの?つまっちゃってて。使えるって言い張るのならちょっと流してみてよ。

と私にいじわるされて、トイレを流してみた彼女。

ほらみなさい。ぼごっといって水かさが溢れんばかりに増えちゃったじゃないの。こんな状態なら、デンタルフロスを1本間違って流しちゃっただけで大洪水になるわ。


え~そうかなー、でも大丈夫。入る時までに全部チェックしてなおしておくから

くらくらくら~ショック!

とき始めたので、去る事にした。

オーナーと別れた途端に今度は彼女、

ワンルームも興味があるのならこの先に自分の持ち物があるんだけどみないかっていう。
すごいよいアパートだよーって。

なに?自分所有物件?

イスラム教徒の彼女。ご両親からこの物件を授かったそうだ。自分はボーイフレンドと彼の家族と同居中なだそう。

チュウゴク人の美容整形のドクターがつい最近まで住んでたって言う。彼はアメリカに引っ越して行ったんだそうだ。

その物件はすぐそこだから歩いて行こう

げーっ何分歩くわけ?

ほんの10分よ

けど北京の徒歩10分は歩くと25分くらいかかってる。やっとたどり着いてエレベータにのると、張り紙がしてある。読んでみると、

住人の皆様へ
お騒がせしているネズミ問題ですが、ネズミを殺す毒を敷地内にいろいろおきました。ペットなどが食べないよう気をつけてください。

って、ねっネズミ出るってことじゃん!

だめじゃん。ってかやだよそんなの。

エレベータを下りるとすごい工事の真っ最中。

だめじゃん。ってかやだよこんなの。

いや~な予感どおり部屋はまたしても同じだ。

汚く、だらしなく、乱れまくり、よごれまくり、散らかりまくりのまま放置されてる。
クローゼットの中をおそるおそるあけてみると、死体はなかったけど、前のテナントの私物が置き去りにされたままだ。

こういうふうに部屋を出て行く神経の持ち主に麻酔されて偽物の鼻筋をいれられたり、まぶたを二重にされるってどうよ?これで彼、ビバリーヒルズのビヨウ整形外科なんかに潜り込んでたりしちゃうのかもね~。
チュウゴクで場数を踏んで、アメリカデビュー、、、みたいな?

あたし、こういうのだめなの。ニンゲンのにおいを彷彿されるものっておえっとくる。
もうこうなってくると拒絶反応が。。。


きっと綺麗にしてくれると気を取り直してこんなこ汚いところを借りようと契約するヒトがいるんかいな?

あーもう疲れた。時間の無駄だった。帰りたい。帰ってジム行こっ。

と思っていると、私の心がどんどん興味を失っていることに気づいたのか


ワンルームに興味があるのなら◯◯アパートにも物件があるけど見に行く?

と彼女。


もうたくさん。


とはいってみたものの、ちょいまちぃ~!
◯◯アパートって私の友達が住んでたところじゃないの。なかなかよいところよー。
あそこのワンルームなら全然悪くないじゃないの。

行く行く~!

といってからまた私を25分歩かせて来た道を戻り彼女のオフィスに突き合わせようとする。

ねぇ、もう歩くの嫌なんだけど。。。◯◯アパートまでタクるんだったらここからオフィスまでもタクらない?

という私に彼女も腹に一物もちながらも同意。

っていうか初めからもっとちゃんとオーガナイズしてくれれば1時間の節約にはなったと思うんだけど?
彼女の移動はもう右往左往状態。無駄がかなり多い。

とにかく彼女、鍵があかない、鍵が(カバンの中から)みつからない、書いたメモがみつからない、大家さんの電話番号が、、、あれ?などとなんだかかなりあぶなっかしい。
どこまでわかって仕事してるのかも怪しい。

その上この言葉の壁だ。営業トークは問題ないが、実際に細かく聞いたり聞かれたりしなくちゃいけないところになると、英語ががくんと怪しくなる。

最後に連れて行ってくれたところは、はっきりいって雲泥の差物件だった。

ピカピカにきれい。サービスアパートメント、建物もできたてのほやほや、ハイソな香り。
可愛い西洋人のお兄ちゃんがエレベータに乗り合わせたので、早速物件情報を彼からゲット。
タクシーを使えば便利だしなかなか快適だと。タクシーもみつかりやすいと。ふーん。

なんで?

なんではじめっからこういうところに(予算枠には大差なし)??

突如彼女はこんなこともいいだす。

あたし、お金なんていらないから。心配しないで!

まったくをもって、

はぁ?何いってんの?

だ。

だからね、あなたからお金をとろうとなんてしてないんだってばー!

ときた。

ますますわからん。

なくなりかけた根気でもってよくよく聞いてみると、コミッションはいただきません。コミッションを頂かない代わりに、オーナーから手数料をもらいますのでということらしい。脳みそをフル活動して想像しないとなかなかコミュニケーションも難しい。

なんだかかなりくらくらしてかなり疲れて、最後の物件を見た後は、早々に彼女と別れた。


後日チュウゴク通の友だちに見せてもらったお部屋のばっちさを話すと、こんなんが当たり前なんだそうだ。明るく綺麗な彼女のお部屋も見に行った時はものすごかったんだそうだ。ふ~ん、そういうもんなんだ。
それから上海などではこうやってチャリに2ケツ(ぷっ)で、物件まわりなんていうのもよくあることなんだそうだ。

つまり、ほとんど外国人だけが対象の、ローカルな場所の相場とはいろんなことが桁違いに違うところ以外じゃこんなこと当たり前なのだろう。この差なに?


でも面白かった、この体験。部屋探しをしなければ垣間みられなかった実態(笑)
どこの国にいても、同じバンドの中でその国を推し量っちゃいけない。。と思ふ。
いろんなバンドにワープしてだんだんその国が理解できるようになるのかもって。

この話し、もうちょっと続きます(笑)