a day off after the olympic - オリンピック関係者の休日 - 2

昨日は昨日で、ニューヨーカーX2と、チャイニーズアメリカンの女性、そしてボーイフレンドと私で、食事、その後飲みに行った。皆さんオリンピックという大仕事を終えて、数日北京での休暇を楽しんでから次なる出張先に行くなり、自国に帰るなりするらしい。

ニューヨーカーはニューヨーカーで北京の生活をうらやましく思うことがあるらしい。
例えば、タクシー運賃が安いから気軽にタクシーを利用できるとか、僕なんて通勤に片道2時間もかかるけど北京なら歩いて通勤ができちゃうとか。

特筆すべくは、この二人のニューヨーカーが今回のオリンピック中の中国の”偉業”を絶賛してたことだ。
中国の努力は並大抵のものじゃなかったはずだ。中国にきて、『笑顔でゲストを迎える』という基本中の基本を再認識させてもらった(ボランティアを通して)、こんなに素晴らしいオリンピックはまたとない、ロンドンではこういうわけにはいかない、何を食べても何でもかんでも美味しいなどなど。ハード面ソフト面双方にたいそうご満悦な様子。

すぐに考えさせられてしまう性質の私は、もう食事の最中から考えだしてしまった叫び

何についてって、

結果さえ素晴らしければ、経過や手段は多少ひどくても黙認されちゃうのかな~
ステージ上でさえだけ素晴らしく人目に映れば、舞台裏でどんなに悲惨なことが起こっていてもいいのかな~


なんてなこと。

プレゼン能力や、パフォーマンススキルもそりゃぁ大事だけど。
どんなに素晴らしい経過をたどってたって、プレゼン能力やパフォーマンススキルがなかったら人には伝わらなかったり誤解されてそれで砂に埋もれてしまう。そんなのもったいない。

けど、私は私のまぶたの裏に住む無数の工人さん達を思った。
あの炎天下のなか、キュウリとパン切れを車が忙しく往来する道路の傍らにしゃがみ込んで食事してたな。
つま先は裸足で、軍手もせずに重たい石を掘り起こしてた。
自分のヘルメットの中にこねたセメントを入れてレンガを積んでた。

あー、ゴンレンさ~ん。お元気ですか?
もう北京には帰ってこないのですか?

あなた方がいなくて寂しいです。
あなた方がじろじろ見てくれないから道を歩いていてもなんだか物足りないです。

いらない家具をもしかしたら喜んでもらってくれるかもしれない。
ボーイフレンドとはサイズが合わない服をあげたら喜んでうけとってくれるかもしれない。
チュウゴク語が上手になったらゴンレンさんとゆっくり腹をわって話しをしてみたい。
ゴンレンさんの出身地についていろいろ聞いてみたい。
などなど、いろいろ心で思いながら、実際には見られるだけでお話をすることができませんでした。

鳥の巣に行った時、ゴンレンさんたちが汗まみれ泥まみれになって働いてくれた結晶なんだなーと思って、ゴンレンさんを懐かしく思い出しました。すっかり私のアパートの周りに新しいピカピカのビルができあがって、ゴンレンさん達が道に座り込んでタバコを吸ったり、ご飯を食べたりしていたことが思い出されます。近所のナイトマーケットも閉鎖されてしまって、初めてナイトマーケットに足を踏み入れた時のドキドキ感はもうあそこにはありません。真っ黒になって暑い中肉体労働をして、建物や競技場が出来あがって、オリンピックが始まるといった途端に北京から追いやられてしまったゴンレンさん。故郷の村に帰る前におみやげを買うことはできたのでしょうか?

私はピッカピカのsnobbishなビルを見るとあなた方ゴンレンさんを思い出します。

なんてゴンレンさんへの手紙まで頭の中で仕上げてしまった。
そしたら余計にゴンレンさんへの感情移入が高まって、新しいピカピカビルに、有り余るほどのオリンピック人員なんかを通して「中国」の努力をほめた耐えてるニューヨーークからのゲスト達に、反発意見を言ってた私。オリンピックをここまで派手にする必要は本当にあったのか?そんなshow-offなところで外国人ゲストに強い印象を与えるよりも、自国の本当に貧しい人に予算まわす方が尊敬しうるってもんじゃないの?

って。

嗚呼、ごめんねゴンレンさん。たまたま北京に滞在している人に私がこんなことをいっても、少しもあなた方の助けにはならないですね。なんのかんの頭では考えつつも、決して行動にうつさなかった私の小心を許してね。

私がプリンセスだったら、ゴンレンさんご一行様を全員熱海1泊旅行にご招待するのに。
ゴンレンさんがいないと北京が北京でないみたいで寂しい。

あら?ゴンレンさんへの熱いメッセージになってしまった。oops!! えっ