dad  舅 恋人の親


Independence Day: 1776年にアメリカ独立宣言が公布されたことを記念して、毎年7月4日に定められているアメリカ合衆国の祝日

アメリカの独立記念日に際して、ボーイフレンドのお父さんの話し。

私のボーイフレンドの母親はずっと昔に亡くなってしまった(写真を見たけど、すんごい綺麗な人だった)が、もうすぐ93歳になるお父さんの健在ぶりは、もう感心するもの、驚くのも通り越して、笑っちゃうほど。

耳が遠いことはさておき、1何から何まで100%自立している、ばりばりの一人暮らし。庭の手入れから、トヨタ車を乗り回し、買い物、炊事、洗濯、すべて自立。図書館に通い、本を借り、世界のニュースにも結構高いアンテナを立てている。とにかくすごい。地下室はランドリールームになっているのだが、そこのベンチやウェイト、ステーショナリーバイクを置いて、ちょっとしたエクササイズもしているようだし、最近ではskechersのシューズを新調してパワーウォークを始めたらしい。これお父さん的には『マイブーム』らしく、ウォーキングの話しで最近はもちきり。

ちなみにひ孫との年齢差92歳!

まさにアメリカを生きてきたジェントルマン。さすがに1776年にアメリカが独立したのは見届けてないみたいだけど(笑)。

世界第一次大戦、大恐慌、第2次大戦、エラフィッシュジェラルド、デュークエリントン、ダイナワシントン、シナトラなどなど、その時代その時代に聞いてきた人だ。
いきなりアメリカという大国がリッチになっていった経過だけでなく、アメリカの陰の部分も十分経験している。昔の写真をみると、ボーイフレンドのお父さんと恋に堕ちてしまえるくらい、超ハンサム。当時のまだ元気だったお母さんのファッションもヴォーグからそのままでてきたみたいでとっても可愛い。

今年春に初めて遊びに行き初対面をしたこのボーイフレンドの父親は、滞在中、朝の紅茶から始まって、ご飯の心配、洗濯物と、よ~く私の面倒を見てくれた。本来なら、数泊だけお世話になり、後は気兼ねのないホテルに滞在と思っていたのに、あんまり居心地がいいので、ホテルの予約をドタキャンして、お父さんのお世話になり通した。定年して多分もう30年くらい経ってるというのに、特に出かける日でなくても、きちんとアイロンのかかったシャツを着ていたりする(もちろんアイロンをかけるのも自分)。あっち→耳がすこぶる遠い、こっち→ノンネイティブスピーカという狭間で一人でプリプリしてたのはボーイフレンドただ一人。そんな彼を尻目に、お父さんも私も、聞こえないところ、聞き取れないところはほっといて、結構楽しく意気投合したのだ。そして二人に『お前の喋り方が悪い。早口は悪い癖だ。言葉と言葉がくっつきあっていて聞き取りづらい喋り方しかしない』とさんざん批判されてへこんでいたのはボーイフレンドだ。

このお父さんが必要以上に、私たちがまた遊びに行くのを楽しみにしてる。我が息子には言わないような、『ちょっぴりひとりぼっちは寂しい』的なことも私にはちらり言ったりもする。

先日このお父さんのお兄さんが亡くなった。あらかじめ段取りがされていて、葬儀ではお父さんがスピーチをすることになっていた。葬儀の席で、司会者が、『どなたか最後にお別れの言葉をおっしゃりたい方はいますか?』と言った時、お父さんは『よし、自分の番だ』と思った。お父さんの真後ろに座っていた年配の女性は挙手し、スピーチをすべく立ち上がった。そして二人同時にスピーチを始めたのだが、耳の遠いお父さんには後ろのおばあちゃま(これまた90歳以上の高齢)の弱々しい声だど耳に入らない、、、。

最終的にまだおよびでなかったことに気づいたお父さんは、今度は『ニッキーが朝、出がけにせかすから、補聴器を忘れたんだ。あの後ろに座っている孫娘が、、、』とお父さんを迎えにいった最後列に座っている孫娘を指差してさんざぶつぶつ言った後、スピーチにやっと戻ったと思いきや、

"my bother is a person who called a spade a spade...well he even called a diamond a spade!"と切り出し、周りをひやひやさせたらしい。

私はこんなお茶目なボーイフレンドの父親が好きだ。お父さんに素敵なガールフレンドができればいいのにといつも思っている。

長寿の家系らしく、親戚が集まってピクニックなどというイベントには、それでもまだ数名お父さんよりも高齢者が参加してくるらしい。お父さん、まだ子供つくれたり、、、!?

昨日はどうやら、ボーイフレンドの昔昔の恋人がNYからコロラドスプリングスに車で移動する途中に、セントルイスに立ち寄り、お父さんをランチに連れて行ってくれたらしい。おもしろいエピソードがまた生まれてるかもしれない。