does positive reinforcement work?


以前にもお話ししたことがあるかと思いますが、私のつくづくハッピーだと思えることのひとつに、手作りのお料理でおもてなしをしてもらうことというのがあるのですが、私のボーイフレンドまったく人に食べさせるような料理をつくることなく現在に至ってしまったような人でして、人が食べるものをつくるなどということはとてつもないプレッシャーとして彼の肩に重くのしかかるらしいのです。一時帰国した際、実家に厄介になりました時も、「伝統があって、家族にボーイフレンドをはじめて家に連れて行くときはそのボーイフレンドが料理を家族に作ることになっていて、それはまあ言ってみればテストのようなものね」といった私の言葉をすっかり真に受けた彼。1ヶ月も前からフリークアウトしてました(笑)。
このような彼ですから、なだめても、だましても、すかしても、おだてても、脅かしても(笑)、なかなか料理に対する重い腰があがらず、私もすっかり諦めモードになっておりました。

北京に引っ越して来て新しい生活がはじまりました。お手伝いはキッチンでもできるのですが、間とか手際とかいったものがまるでなし(涙)。私は彼に求め過ぎだと機嫌をななめにする始末(ため息)。私は私で彼の間の悪さにため息。北ヨーロッパの家庭料理というのは、大きなお肉のかたまりをどんとオーブンにいれて待つこと2時間といった料理が多く、絶妙のタイミングだとか、技ありの料理とかといったものとはほど遠いので、のんびりおしゃべりをしながら、時には手をとめたりして呑気にお料理をするものが多いので、仕方がないといえば仕方がないですね。おそばがのびないようにとか、野菜がしゃきしゃきしたままであるようにとか、焼きすぎないように、煮すぎないようにといった微妙なところは、多くの西洋人にとってはtoo fussyなのでしょう。

his stamp card

ところがある日、仕事から帰って来た彼に、ふざけ半分に私が手作りしたイラストと彼の名前入りの「スタンプカード」をあげたのです。首からも下げられるようにもしてあげました。スタンプをためると何かもらえたりするよくまちの商店街のお店が発行しているようなあれです。大笑いをして終わりになるはずだったのですが、次の日、会社から電話があり、今日は自分が夕食をつくってみるというのです。こんなことはいまだかつてあった試しがないのでなにが彼をそうさせたのかと私も不思議に思いました。すると彼が「夕食をつくったら星はいくつもらえるの?」というのです。どうもスタンプをためたくて料理をつくってみるつもりになったらしい。。。そして同じことがまたその次の晩にも起こりました。また1日の終わりに「雑巾がけもしたし、洗濯物も干したし(ドライクリーニングにだそうとおもったものを思い切りコットン扱いで洗われちゃいました)、ゴミも出したのだからたくさん星をくれ。今日は最低でも7つはもらえるはずだ」(笑)というのです。とりたててスタンプが全部たまったらなにかを上げるとかそういうことは言っていないのに。。。

料理の方はどうだったかというと、スパゲッティーボロネーゼ風のパスタ料理と、焼うどんをつくってくれました。どちらもおいしかったです。
2つ以上の料理に同時期に着手するということは無理なようです。

小さい時から彼のお母さんが病弱でほとんど床に伏せたままだったので、お父さんも仕事とお母さんの看護であまり息子どころではなかったらしいのです。なので3歳違いの弟とふたりで大きくなったようなものらしく、彼のやり方には度肝の抜かれます。

どうやらこのカードにたまったスタンプというのは、彼にとって、自分がよいパートナーだということの証のようなものに思えるらしいのです。スタンプをためて何かを獲得するぞというよりは、私が彼のガンンバっていることを無視することなく認識しているということがpositive reinforcementになってるようなのです。

それにしても、子供でもだまされないようなpositive reinforcement(ほめて伸ばしていく)がどれだけ大切かを目の当たりにして、どれだけ大切かを実感。