日本人は昔から「道」という文字や言葉が好きなようです。鎌倉時代に栄西禅師が抹茶の飲茶法を日本へもたらし茶道の基礎ができ、室町時代の中頃に池坊の僧侶が、仏さまに花をお供えしたことが供花の起源とされ華道の始まりだという。書道、香道、芸道の文化系そして武道系には剣道、弓道、武士道、柔道、相撲道、居合道、空手道、長刀道、合気道…かつては野球を野球道と呼んでいた時代があった。
このように日本人は社会の各所で「道」を重んじてきた。日本人は「道」という言葉や文字に高い精神を求め人として生きる道を追求してきたのだと感じます。
自然界にも、やっぱり「道」があります。潮の流れに「道」があり、季節風にも「道」があり、潮の流れと風の流れが微妙に交差して「道」を創っています。船はその上に乗っかってやってきます。飛行機は風の流れに乗ってやってきます。
如何に科学の先端技術を駆使しても自然界の「道」に逆らうことは出来ないし、勝ることもできないと思います。そして人の「道」、このように日本人は社会の各所に道を重んじてきた、我々の祖先は「道」という言葉や文字に高い精神性を求め、人として生きる「道」を追究してきたのだと感じます。
祖先が諭した「道」を私達は大切に受け止め引き継ぎたいものです。
「こころと命の相談室」快栄寺(eお坊さんねっと)説話集より

参考:「天台宗」法話集より抜粋・編集