久しぶりに本を読んだ感想をブログに書きます。
ニットコレクションの開催を決めてから本をゆっくり読む時間を作ることができず、コレクション後日本に一時帰国をした時間を久しぶりの読書タイムとしました。

上海の友人iyo chanから「この本hiroyo chan好きかも~」と言って貸してくれたこちらの本『利休にたずねよ』著:山本兼一氏
私は日本の古典関係にはあまり関心がないのですが、彼女がお勧めしてくれたからには何か彼女なりの私への解釈がそこにはあるのではないかと思って、楽しみながらページをめくり始めました。

茶の湯のカルチャーを築いた利休。彼の生き様を綴っています。

私が感銘を受けたのは、彼の「美」の解釈。
当時茶の湯の世界では道具等に対して、侘び、寂び、枯、というくすんだ美学が称賛されていましたが、彼はそのような艶を消し去ったモノの解釈は心が浮き立たないと捉え、大事なのは、そのモノの中に美しい命が隠されていることだと説いています。

文中より
「侘び茶といえど、艶がなければどうしようもない。」「大事なのは、命の優美な輝きだ」

そして彼は、この美意識を徹底的に全うします。
私はこの絶対的に追求する利休の心の持ち方に感銘を受けました。
そして、私自身がニットのデザインをしている時にこの「艶」というものをとても意識していることに気がつきました。
ニットというと、ナチュラルなデザイン、風合いの作品が多いですが、私の追求したいニットとは、そう、艶を感じられるモノにすることです。

利休は長い間このマインドを継続してきたので、70歳で亡くなる間際の頃は、茶の湯の世界では誰も越えられない唯一無二の存在になっていたと思います。私はニットデザインをこれからし続けていく上で、自分の軸からぶれないようにしっかりと意識して積み重ねていきたいと改めて感じました。

iyo chanどうもありがとう!