5回ガン告知をうけた整体師の闘病記 〜それでも元気で生活してる〜

5回ガン告知をうけた整体師の闘病記 〜それでも元気で生活してる〜

整体師をしながら、ガン治療と向き合ってきました。3回に及ぶ開腹手術を乗り越え毎日元気で過ごせてます。
人の身体を整える仕事なのに、自分の身体はなかなか手強いです(笑)
不安な日もありますが、笑ったり悩んだりしながらも生きてることに感謝




とりあえず手術は終わった。
私は心の底から思った。
「よし!これで一安心だ!」
だが現実は甘くなかった。
その後、私はICUへベッドごと運ばれた。

足にはメドマー(ふくらはぎをエアーでプシュプシュ圧迫するマッサージ機)が装着された。

最初は

「おっ、手術を頑張ったご褒美のマッサージ機かな?」

くらいに思っていた。

しかし後から知ったのだが、そうではなかった。

手術後は長時間ベッドで横になっているため、足の血流が悪くなりやすい。

すると足の血管に血の塊(血栓)ができることがあり、それが肺に飛ぶと命に関わることもあるらしい。

そこでメドマーがふくらはぎを定期的に圧迫し、歩いている時と同じように血液を心臓へ送り返す手助けをしてくれていたのだ。

つまりあの「プシュッ、プシュッ」という音は、

私の命を守るための音だったのである。

……とはいえ当時の私はそんなことを知らない。

ただひたすら


プシュッ……

プシュッ……

プシュッ……


と鳴り続ける機械に、

「なんだか落ち着かないなぁ……」

と思いながら横になっていた。


何とも言えない音が病室に響く…


術後ICUに入る理由は感染症などのリスクや容態が急変する可能性があるため、一晩しっかり様子を見るらしい


その時は
「ふーん」
くらいにしか思っていなかった。
だが後から調べてみると、
なかなか恐ろしい内容だった。
傷口が化膿する感染症。
お腹の中に膿が溜まる腹腔内膿瘍。
最悪の場合は腹膜炎。
さらに術後の癒着による腸閉塞。
聞けば聞くほど、
「えっ?」
「まだ終わってないの?」
という気持ちになる。
私の場合、
手術そのものよりも
この先何か起きるんじゃないか
という不安との戦いだった。
病室の天井を見ながら思う。
「せっかく手術が終わったのに、次は感染症との戦いかよ……」
もちろん全員に起きるわけではない。
今なら冷静にそう思える。
だが当時の私は初めての手術。
そんな冷静さなど持ち合わせていなかった。
そして人間は不安になるとやってはいけないことをやる。
そう。
ネット検索である。
検索。
さらに検索。
また検索。
すると出てくる出てくる。
怖い話ばかり。
不安になる。
落ち込む。
また調べる。
さらに不安になる。
完全な負のループである。
そして最後には、
そっとスマホを閉じた。
現実逃避である。
今思えば、
あの頃の私は完全にビビり散らかしていた。
誰よりも気が小さい私は、
最悪のことばかり考えていた。
プシュッ……
プシュッ……
プシュッ……
メドマーの音だけが静かな病室に響く。
私はその音を聞きながら、
不安を抱えたまま眠りについた。
病気になれば誰だって怖い。

むしろ平気な顔をしている人の方が少ないと思う。