レッスンの中で生徒さんがどのように変化していくかは、 指導者がどこに焦点を当てて声をかけるかによって大きく変わります。
先日、教室に通われている生徒さんのお父様が、月に一度レッスンを受けられました。
大人の学び直しは、子どものレッスンとはまた違う深さがあり、指導者にとっても多くの気づきを与えてくれます。
その方は、お仕事で忙しい中でも丁寧に練習を重ねておられ、音にその姿勢がしっかり表れていました。 曲としては一区切りつけても良い段階でしたが、あえて“細部の質”に踏み込んだ提案をしてみました。
たとえば、
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接続詞のようなフレーズのニュアンス
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音を「置く」瞬間の質
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左手が語っている内容への耳の向け方
など、表面的な「弾けている/弾けていない」ではなく、 音楽の内側にある“意味”や“気配”に触れるようなアプローチです。
すると、その方はこうおっしゃいました。
「言われる通りに弾くと、曲がどんどん変わっていくのがわかる。」
さらに続けて、
「音楽を丁寧に弾くことは、人との心の機微にもつながる気がします。 仕事の場面でも、自分が変わっていくような感覚があるんです。 感性が育つというのは、こういうことなのかと最近感じます。」
これは、指導者として非常に大切な示唆を含んでいます。
音を丁寧に扱うことは、単なる技術向上ではなく、 その人の内側の成長につながっていく。
そして、その変化は「気づかないうちに」起きるものですが、 生徒さん自身が言葉にしてくれたことは、指導者として本当に嬉しい瞬間でした。
同じようなことを、先週は別の生徒さんも話してくれました。
「先に進むより、じっくりその曲に取り組むことが楽しくなってきた。」
これは、指導者が“深く味わう学び”を丁寧に提示したときに生まれる変化です。
生徒さんが「深く味わうことの楽しさ」に気づく瞬間は、 指導者が“どこを見るか”によって生まれます。
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進度よりも、音の質
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正しさよりも、意味
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できる/できないよりも、感じる力
こうした視点をレッスンに取り入れることで、 生徒さんの内側が静かに育っていきます。
音楽が、人の心をそっと育てていく。 その変化を見届けられることは、指導者にとって何よりの喜びです。