5月・6月は、新しい生活に慣れ始める一方で、子どもたちの心が揺れやすくなる時期です。
レッスンの中で見える“落ち着かなさ”や“集中できない様子”は、単なる態度ではなく、心の乱れが表面に出ていることも少なくありません。
最近、そんなサインを示す生徒さんと向き合う機会が続きました。 新しい友だち関係、成長のアンバランスさ、理由の分からないイライラ…。 子ども自身も説明できない“ちぐはぐさ”を抱えていることがあります。
大切なのは、その行動の奥にある心の揺らぎに気づいてあげること。
叱るのでも、急いで正すのでもなく、まずは「どうしたのかな」と静かに寄り添う姿勢だと感じています。
ある生徒さんには、レッスンの中でそっと声をかけ、
「一人でピアノに向かう時間が、気持ちを整えてくれることがあるよ」 と伝えました。
理解できるかどうかは分からない。 それでも、同じ目線でゆっくり話すと、子どもの表情が少しずつ変わり、 ピアノに向かう姿勢も柔らかくなっていきました。
そして、奏でた音が変わった瞬間、 その子の心に“音が届いた”ことを、はっきりと感じました。
すぐに何かが解決するわけではありません。 けれど、音楽が子どもの心を支え、整える力を持っていることを、改めて実感した出来事でした。
傍にいらしたお母様とも、 「私たちもこんな時期を通って成長してきたのに、忘れてしまいますね」 と話し合いました。
子どもの心の揺らぎに気づき、音楽を通してそっと寄り添う。 その積み重ねが、レッスンの質を深め、子どもたちの成長を支えるのだと思います。