牛田智大さんピアノリサイタル@ザ・シンフォニーホール | 漢方養生LIFE~体も心も穏やかに

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こんにちは、ホリヤマです。

 

 

 

今日から4月。職場も新しい体制で新しい1年が始まります。また気持ち新たに取り組もうと思います。

 

 

 

さて今日は、牛田智大さんのピアノリサイタル感想文、2024.3.24大阪ザ・シンフォニーホール編です。

 

 

 

【2024.3.24*牛田智大ピアノリサイタル@ザ・シンフォニーホール】

2階のお気に入りの席を確保できたシンフォニーホール。そして八ヶ岳に引き続き今シリーズのプログラム2回目にして聴き納めです。

 

 

 

昨年のシンフォニーホールはシゲルカワイのピアノでした。今回は久しぶりに見るヤマハ。シンフォニーホールに納入10年目のCFX。牛田さんによると、10年前と比べると音色が清廉な方向に変化してきたように感じるピアノだったそうです。

 

 

 

<プログラム>

モーツァルト ピアノソナタ第4番 変ホ長調KV282

シューマン クライスレリアーナ op.16

ショパン 

即興曲第1番 変イ長調 op.29

即興曲第2番 嬰ヘ長調 op.36

即興曲第3番 変ト長調 op.51

ピアノソナタ第2番 ロ短調 op.58

 

 

 

モーツァルトの第1音がなった瞬間、私だけでなくホール中の聴衆がドキッとしたと思うんです。それはそれは美しく澄んだ音。そして丁寧に大切に1音1音牛田さんの指が運ばれ、それがホールに響く。もうその心地よさは初めての感覚です。モーツァルトとヤマハCFXとホールがまさに一体化したようです。牛田さんが本当に丁寧に丁寧に鍵盤に指を置いていく姿を見て思わずこちらは微笑んでしまいます。

 

 

 

そのうち八ヶ岳に引き続き、幻覚?錯覚?が見えてきたので自分でも驚きました。妖精なのか天使なのか白い小さな光が舞い降りてきて楽しそうにピアノの周りで遊びだします。自分でも頭おかしくなったのか?と思うほど。でもその幻覚錯覚を見て「あぁ今日のリサイタルは祝福されてるんだ」と嬉しくなったモーツァルト。

 

 

 

続いてシューマン。

八ヶ岳で初めて聴いた時にかなりの衝撃を受けた私は、八ヶ岳から帰ってきて毎日このクライスレリアーナを聴いていました。牛田さんセレクトのシューマンはいつも苦しくて胸が痛くなる。ほんとうに痛い。どうしてシューマンはこんなに最初から感情むき出しで迫ってくるのだろう?どうしてこんなに恥ずかしがらずに人間臭さを音楽にぶつけて表現するんだろう?とずっと感じていました。

 

 

 

でもこの日の牛田さんの演奏でなんとなく分かったような気がします。それはシューマンは「孤独」だったのではないだろうか?ということ。そのやり場のない感情を音楽にぶつけたんじゃないだろうか?どのあたりだったかもう覚えていないけれど中盤あたりで絶望、諦め、焦り、このまま息絶えるの?という言葉がふと浮かんできてシューマンを想って悲しくて涙が溢れました。7曲目の旋律で「生きてほしい」と心から願い、緩急を繰り返し消えていくように締めくくられる第8曲。

 

 

 

最後の音が完全に消えてなくなってからの割れんばかりの拍手。やっと息ができた。この感覚、昨年のシンフォニーホールで聴いた前半〆のシャコンヌと同じ。まだ前半〆なのにホールからは鳴りやまない拍手。きっとホール中の人が何かを感じ拍手でしか称賛できないことにもどかしさを感じていたと思います。本当に素晴らしかったです。

 

 

 

さぁ、後半のショパン。

休憩時間に調律が入り、少し音が変わったように感じました。

 

 

 

清々しさとどこか懐かしい気持ちになる即興曲1番、温かさが沁みる即興曲2番、そして甘美で優しさ、そして少し切なさを感じる美しい旋律の即興曲3番。前半のシューマンで心が締め付けられたあとだけにショパンの温かさが沁みます。

 

 

 

ラストのソナタ3番。

とにかくショパンの世界観溢れるソナタ。

儚い微かな音も激しく強い音もホールとピアノの響きが抜群で、消えていく音さえ短くもなく長くもなく、本当に心地良い長さで消えていく。計算されたものなのか感性なのかもう凄すぎてこの日にこの演奏を聴けたことに感謝しかありません。

 

 

 

作曲家と演奏家と聴衆の関係。ソナタを聴いている時にそんなことが浮かんできて私は誰を見て聴いているのか何を見て聴いているのか。もし牛田さん以外のかたの演奏を聴いても同じように感じるのだろうか?こんな感覚にさせてもらえることにこの上ない幸せを感じ感謝しかありません。

 

 

 

そしてこの日の朝、巨匠ポリーニの訃報が。アンコールがこの2曲になったのも意味があったように今は思えます。

牛田智大さん、モーツァルト、シューマン、ショパン、ヤマハCFX、ザ・シンフォニーホール、ありがとうございました!また1つ忘れられない想い出ができました♡

 

 

 

ホール正面のファンのかたからのお花。華やかで綺麗です。

 

なんとなく体中が熱を帯びていて少しクールダウンしたくて、お友達とホワイエで合流してティタイム。

 

 

 

早く始まってほしいと願うリサイタル、始まったら終わらないでほしいと願うリサイタル、終わったらまたすぐにでもお聴きしたいと願うリサイタル。また次回を楽しみに余韻に浸りたいと思います。

 

 

 

それでは今日も笑顔と養生を♡
そして少しのゆとりを持って♡