〇ヤクルト6―5阪神
今日は松岡と山哲の引退試合。
事前の報道で7回に投げるということが伝えられていたので、私は神宮球場で少しずつ少しずつ心の準備を整えていきました。
大事な引退試合であるのとともに、今日はブキャナンにぜひ10勝目をあげてほしい日でもありました。大きくリードした状態で7回を迎えたい。その願いに野手は応えてくれるだろうか。
ヤクルトは序盤から阪神先発才木を攻め、今日も初回に先制点をあげていきます。1アウトから哲人がヒットで出塁、昨日田中広輔に同じ数まで追いつかれてしまった盗塁でありますが、哲人はここで単独トップとなる33個目の盗塁を成功させました。
2回にはランナーを3人ためた状態でバレンティンに打席が回り、バレンティンはなんと、第38号3ランホームランを放つのです。これで点差は6になり、ブキャナンの勝利と松岡、山本の最終登板に向けての準備が着々と整っていきました。
5回にエラーがらみで1点をとられましたが、ブキャナンは勝利投手の権利をもって6回を投げきりマウンドを下りました。6回95球1失点。10勝目にふさわしい安定したピッチングであったといえましょう。
7回がやってきました。
ブルペンに目をやると、ベンチ入りしている投手陣が皆横一列に整列しています。まずは山本に力水をつけ、マウンドへ送り出しました。山本のために作られた山本のための歌かと勘違いするほど、神宮球場での浪漫飛行は山本のための曲でした。流れてきて当たり前。聞けて当たり前の浪漫飛行を神宮球場で聞くのは今日で最後です。ここのところ負けている場面での登板が多かった山哲。それでもこの曲に乗ってブルペンから颯爽と現れる山哲を見ていると不思議と明るい気持ちになったものでした。
「頼んだぞ」
いつもそんな気持ちでマウンドの山哲をみていた気がします。今日もそうしました。
陽川をセンターフライに打ち取り、山本は皆に讃えられながらプロ野球人生最後のピッチングを終えたのでした。
山本が1アウトをとったところでベンチから小川監督が出てきました。
今度は松岡が、「突然」とともにやってきました。
どんなときも、勝っているときも、負けているときも、いつも松岡だった。そんな印象です。まさか引退の年になるとは思わなかった今年の5月12日、DeNA戦との延長戦で10回裏からマウンドを任された松岡が、たった1点のリードを守り切ったことは忘れることはできません。
「年とって、プレッシャーがかかる中で抑えることができて嬉しかった」
松岡の熱い気持ち、気迫を、いまでも思い出します。
いつまでも名残は尽きません。でも、山本1アウト、松岡は2アウトをとってベンチへと下がっていきました。
思い出深いふたりの最後の登板を、涙なしに見ることはできませんでした。
今日はこのまま大きくリードした展開で試合終了なるかと思いきや、8回を任された梅野が4失点してしまいました。
ブキャナンの10勝目のことを思うと、同点にするわけにはいきません。無論逆転などされたら
すべてが台無しになってしまいます。でも、1点ですがリードしていることには変わりありませんので、端なくも石山のセーブシチュエーションが巡ってきたと思って開き直るのがいい。私の気持ちには少しばかり余裕がありました。
たった1点差ではありましたが、石山はリードを守り切りました。そしてヤクルトは今日も勝利をおさめたのでした。
勝利の余韻に浸る中、グランドでは着々と松岡、山本両選手のための引退セレモニーの準備が進められていきました。
「初勝利よりも初セーブよりも、打たれたことの方が記憶に残っている。ロッテ戦で1イニングに3本のホームランを打たれて降板したことがあったが、それでも監督、コーチ、ファンの皆様から信頼、声援をいただいたことを忘れない」(山本)
「この声援の中で野球をやめることができるのを幸せに思う」(松岡)
熱い気持ちと心のこもったふたりのスピーチを、涙なしに聞くことはできませんでした。
ふたりのピッチングがもう見られないのは、本当に寂しい。
いいときも悪い時も、いつも、どんな時も、ヤクルトを支えてくれてありがとう。
9年間、14年間、本当におつかれさまでした。
最後に…
松岡、山本の引退セレモニーが終わるまで少なからぬ阪神タイガースファンの方々が神宮球場に残ってくれていました。引退するふたりをねぎらう拍手を送ってくださった温かいお気持ち、嬉しかったです。ありがとうございました。
いよいよ明日が最終戦だなんて、信じられません。
こんなにもいい状態で最終戦を迎えることができるなんて。
感無量です。
明日も神宮球場で泣いてしまいそうです。
いつもお読みくださりありがとうございます
今日もポチっとしてくださいね