目の前で、もし人が倒れて、その人をただ取り囲み、救急車を待つ姿を目にした事はありませんか?
心停止を起こした場合、救急車を待っている間に、放置すると、死に至ります。「何かできなかったのか」
と後悔のないように、救命方法を御紹介します。
皆さんは、”AED”を目にした事はありますか? 緊急隊員が使用している医療機器です。
最近では駅や学校などでよく目にすると思います。
心停止を起こした時、1分後にAEDを使用すれば救命率90%、2分後なら80%、1分毎に10%ずつ低下してい
きます。救急車が到着するまでの平均6~8分の間にAEDを使用する事で命を助けられるのです。
■松田選手が教えてくれた”AED”の大切さとは?
サッカー元日本代表の松田直樹選手が練習中に突然、心室細房で倒れて亡くなってしまった事は、あまりにも衝撃的でした。
松田選手の練習していた練習場の管理事務所からAEDが、その日はたまたま少年サッカーの練習場へと貸し出されていました。AEDがあれば助かったかもしれないと話題になり、AEDの必要性が広まるようになりました。
AEDは、電極の付いたパッドの事で、裸の胸に当てる事で心臓の状態を自動的に判断し、血流を全身に送る事ができない不整脈を起こしていれば、電気ショックを与えて、心臓を正常に戻してくれる役割があります。
■AEDは優秀で誰でも簡単に使える?
AEDは電源を入れると、音声で勝手にアナウンスをします。指示に従えば良いので、誰もが初めてでも簡単に使用する事ができます。
(1)電源を入れる
電源を入れると勝手にアナウンスをしてくれるので、その指示に従いましょう。
(2)電極パッドを胸に貼る
電極のパッドが中に入っているので、それを裸の皮膚に貼ります。汗や水で濡れている場合はタオル等で拭きとります。貼る位置は、電極パッドに絵で書かれているので、絵の通りに貼ります。
(3)AEDが自動的に判断
電気ショックの必要があるかどうかをAEDが自動的に判断します。その間は離れていましょう。
(4)ショックボタンを押す
AEDが電気ショックの判断を下したら、周囲の人を離れさせ点滅しているショックボタンを押します。
(5)AEDの音声に従う
その後はAEDが自動で心拍数を測り、判断を下す為、音声メッセージに従います。
■一台30万円もするAEDの設置場所とは?
AEDは厚生労働省の研究によると、全国で38万3,247台設置されています。医療機関や消防機関を除き、一般の市民が使用できるAEDはその中の8割もあります。
AEDは一台30万円という事もあり、どこにでもあるわけではありません。駅や空港、学校、利用者の多い公共施設(市役所、図書館)、スポーツアリーナ、スポーツジム、ゴルフ場、交番、消防署、デパート等の大規模な商業施設にあります。
最近では設置数も増加しているので、常に歩きながらどこに設置されているかを確認しておきましょう。
2010年で、心停止の総数が22,463件あり、その内AEDを使用されたケースは3%しかありません。
本来であれば、義務教育や必須研修にするべきなのかもしれません。
しかし、AEDは誰でも簡単に使用できるようになっているので、緊急事態には積極的に使用しましょう。