医療 Therapist Moe!

もし、大切な人や周囲の人が突然、目の前で倒れたら、皆さんはどうしますか? 119番に電話して救急車を呼びますよね。救急車が来るまでに全国の平均で6分~8分かかると言われています。その間にもし、呼吸が止まってしまったらどうすれば良いでしょうか。

心臓が停止した後、数秒で呼吸が止まります。放置すると1分間毎に7~10%救命率が低下します。つまり、救急車が来るまでに、放置すれば数分で死に至ります。

救急車が来るまでの間の処置を”一時救命処置″と言います。この処置をできるか、できないかで生存率が大幅に変わってきます。起きてからでは遅すぎます。知らないが故に後悔する事のないように、大切な人や倒れている人の命を救助する方法を御紹介致します。

■“一時救命処置”の新たな順序とは?

一時救命処置とは、一般市民が行う事ができる応急手当で、気道確保、人口呼吸、心臓マッサージの事です。


(1)反応を確認

周囲が危険な場所でないかを確認し、危険な場合は、安全な場所に移動させ、仰向けに寝かせます。次に、相手の額に手を当てて、両肩を交互に叩きながら、「大丈夫ですか?」と呼びかけます。片方が麻痺してる場合、両肩を叩く事で反応がわかる為に両肩を叩く事がポイントです。


(2)大声で助けを呼ぶ

反応がない場合は、大声で周囲の人に助けを求めます。集まった人の中で、二人を選択し、そのうちの一人に「119番通報」ともう一人に「AEDを持ってきて下さい」と具体的に指示をします。自分しかいない時は、自分で119番通報をします。


(3)呼吸を確認

目で相手の胸の動きを見ます。耳で呼吸の音を聞きます。頬で息を確認します。相手の呼吸があれば、冷えないように温かくして救急車を待ちます。呼吸がない場合、又は、通常の呼吸と違う異常な呼吸の際には、“心臓マッサージ”を行います。


(4)心臓マッサージ

医療ドラマ等でも見た事がある方が多いと思いますが、相手の横に立ち、かなり強くリズミカルに心臓をマッサージします。

位置・・・胸の真ん中で左右の乳頭を結ぶ線の胸骨上です。

方法・・・両手でを重ね、下になる手の指は離します。

深さ・・・少なくとも5cm程沈むように強く押します。

リズム・・・一分間に約100回のリズムです。

回数・・・絶え間なく30回連続して圧迫します。


(5)気道確保

倒れている人は、舌が落ち込み空気の通り道を塞ぐ場合がある為、片手を額に置き、反対の手の指先を顎先に当て、空気を通りやすくします。


(6)人口呼吸

気道確保をしたまま、鼻を軽くつまみ、空気がもれないように自分の口を大きく開けて、相手の口を覆い、一回あたり、約1秒間かけて相手の胸が軽く膨らむ程度の息を二回吹き込みます。


(4)~(6)の、心臓マッサージを30回、人工呼吸を2回を1セットで、AEDが来るまで繰り返します。これが、基本的な救命処置の流れです。

■救助の鍵となるのは、人口呼吸でなく“心臓マッサージ”?

救命処置というと、人口呼吸と思ってしまう方が多いかと思われますが、実は現在では、人口呼吸はそこまで重視されていません。救命で重要となる鍵は“心臓マッサージ”です。心肺停止状態で心臓マッサージをする事で、生存率は“2倍”へと上がります。

人口呼吸は、血液や嘔吐物等により、感染危険がある場合や、ためらわれる場合には行わなくて良いというような改訂もされています。

 セラピストや命に関わる仕事関係者は、救命処置の資格を必ず取得しています。


誰もが取得しておいてよかったと声を揃えて言います。実際に救命事態に遭遇した際には、


誰もがパニック状態になってしまうと思います。


“一時救命措置”は、頭にいれておけば、誰もが簡単に行う事ができます。


また、講習会も消防庁で行っているので、興味がある方は是非、一度受講してみて下さいね。