こんばんは。
この3日、雨が降り続いているようですね。
よそ事のように切り出すのは、実は昨日〜おとといと『ギャラリーねこ福』はお伊勢参りに出掛けていて留守だったのです。
出発前には「決して咲くまい」と蕾をギュッと閉じていてソメイヨシノも、今日は一気に五分咲きです。
空気も湿って、気温も上がって、出発前とは季節がすっかり入れ替わっています。
かるく浦島太郎の気分です。
伊勢神宮参拝で気持ちが洗われて、世界が違って見えているのかな?
そうではないこともわかっていますが(笑)、そうも思えなくないほど今回のお参りは私にとって一大事でした。
なぜならば、92歳になる我が家の長老に伊勢参りをさせてあげることが今回のテーマ。
気難しい、気まぐれなおじいさん、本当に行くかな?
回覧板を届けるくらいしか外出をしないモグラなんだけど。
車椅子は絶対に嫌がるけど、内宮の参拝道を歩かせてよいものか?
片道200km、座ってられるのかな。途中で怒り出さないかい?
気の合う友達とパパッと計画してサクッと出掛けるのとは訳が違い、気を揉むことが準備段階からも色々。
喜ばせることが難しいので、「孝行」しようかという気を持つこと自体が難しいけれど、何もしない自分というのが嫌なので思いついたのが今回のお参りです。
新しいかっこいい車に買い替えてからというもの、自分だけ津々浦々へと出掛けているのがやや後ろめたく。
そのかっこいい車には長老も乗りたいらしく。
大きな有名な神社の土産への長老の反応が格別に良く。
これらをミックスして自分の許容力を鑑みて、「伊勢なら、なんとか・・」案内してみようか?
長老に意向を聞いてみると、いつもの勝手つんぼも何処へやら、間髪入れずに「行く!」との返事。
家族旅行もドタキャンされたこと数知れず。
ハワイツアーだって直前に行かないと言い張ったので置いていったし。
宿、予約しちゃうよ〜、高いからキャンセルすんなよ〜。
普通の家族では必要のない気苦労を背負っての「孝行」。あ〜、疲れる。
サシでは煮詰まることが容易に想像できたので、姉夫婦にも同行してもらっての4人旅に。
どうせ行くなら、ご本人にとっても特別な機会なので、内宮での御神楽の参拝と厳選したお宿を盛り込んで、贅沢な旅に仕立てました。
神宮内の待合処に飾られていた衝立。みやびです。
1日目に外宮にお参り。
2日目の比較的早い時間に内宮へ参拝。人気もまばらで静かな空気を拝めました。
外宮参拝で境内を歩いてみて 諦めがついたようで、内宮参りにはレンタルしてきた車椅子に計算通り乗ってくれて、お参りもスムーズ。
いくつかある別宮にもお参りしてもらえました。
素直だと受け取れるものが多くなりますね・・。
早朝の天気予報では終日雨とのことでしたが、お参りする頃には止みました。
そして伊勢を去り高速道路に入るまで雨には遭わず。
やっぱり私は晴れ女♪朝、温泉に浸かりながら荒れ模様の空に『当然 雨止ませてくれますよね?』とお願いしたら、叶えてくださいました龍神様。ありがとうございます。
桜も満開で迎えてくれました。
時期を狙った訳ではないのに、八重もソメイヨシノも山桜も一度に咲きそろって、どこを見ても桜・桜。まるで、みんなで咲くのを待てくれていたかのよう。嬉しいなぁ。
「わしは、これで3べん目や、ここへ来るの」
と、内宮の正宮でお参りを済ませた後、長老はそう報告してくれました。
・・すいませんね、私は車を買い替えてから既に3べん目ですわ。一生で数えたらもうわからないくらい。自分がどれくらい恵まれているか、ありがたく思いました。
それと同時に、だから連れてきてあげようと思えたということでもあります。
古老と古木の語らい。
お連れがずんずん歩いて行ってもお構いなしに、巨木に一本づつ近づいては叩いて手応えを確かめて歩く老人(笑)
誰でも立派な木には触れたくなるものですが、老人と古木には妙な共鳴感があって面白い構図でした。「おたくも頑張ってはりますな、うん、大変ですな」てなセリフが聞こえてきそうでした。
マイペースにお伊勢参りを満喫したギャラリーの長老、ご立派に旅を敢行されました。
お姉さんには「これに懲りずにまたお願いします」と言ってました。相当嬉しかったようですよ。良かった良かった(*^o^*)
私は礼を聞いてないけどね(別にいいけど(笑))
ギャラリーのお客さんでもお目にかかっていただける人と、常連さんでも何度お越しになっても出会ったことがないという方がいらっしゃいますが、会っていただけた方からは必ず「くすっ」っと笑いが起きます。
会えた、会ってない、良いもの見させてもらえた、うそ私まだ一度も見かけてない、そんな話題が巷でなされる、実は猫さん達よりも密かな人気を集める『ギャラリーねこ福』の長老、お伊勢パワーを吸収してますます仙人度を上げたことでしょう。
巷の基準では、見かけられた方は「当たり」なんだそうですよ。
お越しの際は、ねこさんの他に長老の姿も探してみてくださいね。
伊勢神宮の杜の一角に位置するお宿で素敵な空気と磁場を吸収して、あふれんばかりのおもてなしを受けました。正宮では強風が幕を巻き上げてくれたので本殿に直接向かってお参りができ、御神楽を参拝して大和文化と日本の心のルーツに心洗われ、素晴らしい体験の連続でした。
こんな旅の機会を提供してくれた長老に感謝。
なのですが、それでも疲れた〜。なんだ、この疲労感は?
そんなに喜んでもらえたら疲れも吹っ飛んだやろ?っと従兄弟に言われましたが、う〜む、それがなぁ・・。
トラウマと積年のこじれた感情が作用して、素直に清々しく思えない自分にびっくり。
ただ、「よく頑張った」と自分を褒めたい気分ではあります。
人には容易に世間一般と同じように感情処理できない事柄があったりするものかもしれませんね。もっともらしい説教やアドバイスは他人から聞かされなくても十分理屈はわかっている、けれど感情がついていかないからには仕方がない。
そんなことは今日はおいておいて、これといったトラブルもなく無事に円満に旅を終えられた幸運に感謝です。
今日は自分が何かいてるかわかんなくなってきました。「孝行」疲れに免じてお許しください。