みなさんこんにちは!

 

Part 1 から少し時間が空いてしまいましたが、Part 2 書いていこうと思います!

 

6月5日追記:釣りのYoutube始めました、興味のあるかたは是非見てください♪

こちらから→https://www.youtube.com/channel/UCjsGOPccDlu95N-ZWFAt4vg

 

パート1ではスチールヘッドとニジマスの主な違い、そして見分け方にについて結構詳しく書きました。

パート1はこちらから

https://ameblo.jp/salmonpilot/entry-12452820749.html

 

そして、海面養殖のニジマス=トラウトサーモンということが判明しましたね!

 

前回のブログが長すぎて混乱した方もいると思うので、少しまとめると

 

ニジマスとは?

ー鮭科の魚

ーもともとは川や湖で暮らしている

ー降海型と言って、海に降りて遡上する個体もおり、それはスチールヘッドと呼ばれる

ー養殖が盛んであり、内陸養殖されたものと海面養殖されたものがある、おもに内陸養殖はそのままニジマスと呼ばれ、海面養殖はトラウトサーモンもしくはサーモントラウトと呼ばれる。

 

今回のブログの目的はニジマス養殖の実態とニジマス、スチールヘッド、サーモントラウトの明確な区別をつけることです。

 

さて、この記事にたどり着いた人は多分サーモントラウトとはなんぞやって思ってクリックした人が多いかと思われます。

 

正直僕も最初にサーモントラウトと聞いたときに?としか思いませんでした。

 

サーモントラウトを知ったきっかけは鮭弁当でした。

 

昔から父がソッカイ釣りをしていたために、あまり日本で鮭を買って食べるということはしなかった僕。

(ソッカイ釣りに関してはこのブログを参照→https://ameblo.jp/salmonpilot/entry-12398651479.html

 

なぜかわかりませんが、たまたま鮭弁当を食べた鮭弁当の鮭は鮭の味がせず、臭い脂のに匂いがしたため、なんだこれってお弁当の裏を見ました。

 

すると書いていたのは”トラウトサーモン”の表記

 

「トラウトサーモン 表示」の画像検索結果

(画像はネットから拝借しました)

 

なんだそのサーモンは?っとすぐに気になり、調べてみたところ、ニジマスの養殖したものと書いてありました。

 

僕はこの時、日本産の鮭の値上がりを受けて、鮭ではなくニジマスを表記詐欺して売っているのだろうと思っていました。

 

しかし気になり始まると止まりません、あちこちでトラウトサーモン、もしくはサーモントラウトの文字。

 

スーパーでも寿司屋でも。

 

もともとサーモンは刺身で食べれる魚ではないので、寿司屋に出してもいいのかという疑問しか思い浮かびませんでした。

 

そこでサーモン養殖、特にニジマスの養殖について調べることにしました。

 

ニジマス養殖の歴史

 

これから書く情報はネットから集めたものが多く、100パーセント確実とは言えないのですが、ほぼあってるとは思います。

 

ニジマスが日本に輸入されたのは1877年のこと。

 

北米から日本の新たな食用魚として日本に10000粒の卵が輸入されました。

 

その後もたびたび卵は輸入され、日本各地に養殖場ができ、日本のニジマス養殖の技術が確立されていきます。

 

1950年代から1970年代までは海外への輸出もされていました。

 

しかし、オイルショックなどより、海外輸出はなくなり、国内消費に養殖はむけられることになります。

 

またニジマスの海面養殖事業も1971に試験が始まりましたが、数年で終わりました。

 

なぜ海面養殖に目を向けられたかというと、鮭類の海洋での成長の早さにあります。このことは後で詳しく書きます。

 

そのあとは銀鮭の海面養殖が成功し、銀鮭の海面養殖ものが市場にまわるようになります。

 

1980年代になると、海外でも海面養殖が注目され始め、カナダ、イギリス、ノルウェーなどが鮭、主にアトランティックサーモンや、キングサーモンの養殖を研究し始めます。

 

日本の技術者たちは銀鮭養殖の技術を世界にも輸出しようと考え、チリに銀鮭の養殖場を作ります。

チリの養殖はそのうち盛んになり、日本にもチリ産銀鮭が幅広く出回ります。

 

そのうちニジマスにもこの海面養殖に光が当たりまじめます。

 

軽く調べただけではどこが最初に始めたのかわかりませんでしたが、最初に始めたのは日本でないことは確かです。

 

そして30年ほど前、ニジマスの海面養殖されたものが日本に流通されるようになりました。

 

海面養殖されたニジマスはスチールヘッド(正確にはスチールヘッドではありません)もしくはトラウト※と呼ばれ流通してました。

※トラウトはマス類の総称ですが、市場に流通していたのはニジマスが主だったのでそう呼ばれた

 

これは僕の憶測でしかありませんが、日本人にはこの二つの単語はあまりなじみなかったからなんでしょうが、そこに”サーモン”とつけることによって鮭の仲間であることを主張したかったのでしょう。

 

トラウトサーモン(サーモントラウト)の誕生です!

 

トラウトサーモンはニジマスではありますが、海面養殖ではサーモンと同じエサが与えられ、またニジマス自体鮭と同じ鮭科なので味は他の養殖サーモンと変わりありません。

 

そして消費者にもサーモンと同じような味ということで、サーモンと同じように食べられ、人気が出てきて市場にまわるようになりました。

 

また、トラウトサーモンの成功を受けて、日本でもニジマスの海面養殖が盛んになりました。

これらは今はご当地サーモンとして日本中で生産、出荷されてます。

 

もともと日本は昔からニジマス養殖の技術があり、また銀鮭の海面養殖にも成功しているため、ニジマスの海面養殖は比較的簡単に展開できたのだと思います。

 

かくして、海外そして、日本でもニジマスの海面養殖が行れ、日本人の食卓にトラウトサーモンや、ご当地サーモンとして並ぶようになりました。

 

サーモントラウトが成功したわけ

 

日本で鮭というと、天然の白鮭が主でしたが、年中一定してとれるわけでなく、また年によって市場価格が変わるために安定した生産ができないのが難点でした。

 

しかし、養殖サーモンの場合年中安定した供給ができ、また値段も手ごろで一定なことから日本の水産物の中で地位をじわじわと上げてきました。

 

また、天然の鮭の場合アニサキスなどの寄生虫や細菌の問題で生で食べることができませんでした。

 

しかし養殖されたサーモン類はエサの中に抗体物質を入れていたり、徹底した管理がされているために寄生虫や細菌の問題がなく、生で食べれるようになりました。

 

そこで”サーモン”として寿司や、刺身で売られるようになりました。

 

最初にサーモンとして売られたのはノルウェーのアトランティックサーモンでしたが、トラウトサーモンもあとに続き売られるようになります。

 

先ほど述べたようにアトランティックサーモンと同じように育てられるために味の違いはほとんどなく、トラウトサーモンも世間に受け入れられました。

 

ニジマスが養殖に適しているわけ

 

ニジマスは鮭類の中でも食欲旺盛で、雑食でもあります。

なので成長速度も他の鮭類より早く、もともと養殖に適している魚なのです。

 

また、ニジマスは3倍体処理というのが簡単な魚でもあります。

 

3倍体処理というのは普通自然界にはオス(XX)、もしくはメス(XY)という二つの染色体だけ保有している魚しか存在しないのに対し、受精卵の時に特殊な処理を施すことによって3つの染色体を持ち、生殖機能を持たなくするようにする処理です。

 

生殖機能を持たない魚は生殖器に栄養を回す必要がなくなるために成長速度が速くなります。

 

生殖機能を持たないというのはどういうことかというと白子やいくらを持たなくなるということです。

 

すると成熟することがないので、いくらでも生きて成長し続けることができます。

 

(シアトルの水族館の海水の水槽にはキングサーモン、コーホーサーモンが展示されてますが、それに紛れてニジマスも二匹だけいます。このニジマスは3倍体のため、成熟することなく成長しているために30ポンドはあろうかという大きさです!)

 

例えばみなさん管理釣り場などのニジマスを食べたことがあるでしょうか?

 

さばいて白子やいくらを見つけたことがあるでしょうか?

たぶん無いのではないかと思います、なぜなら養殖されてるニジマスは基本的に三倍体処理がなされているからです。

 

(また、処理をされていない魚は次の卵を産むために使われます。

ニジマスは他の鮭類と違い複数回産卵できる魚ですので、ニジマスの卵をとることは比較的簡単です。)

 

そのニジマスをさらに海で育てると成長速度が一気に増して、約半年で4~5倍の大きさになります。

 

なぜかというと、冬の間内陸の水温が低くなり内陸で育てているニジマスは食欲が減少するのです。

ですが海は冬の間そこまで、水温が下がらないために魚の食欲も落ちません。

 

また、銀毛化と言って海水に慣れるために銀色になり、体がスマートになった鮭類は簡単にいうと成長ホルモンの分泌が増え、成長するのが一気に早くなるのです。

 

鮭類がもともと海に降りた理由はエサの少ない淡水系では成長できないために海にエサを求めたためですが、鮭の進化の過程で海水に慣れると成長を促すような機能が備わったのだと思います。

 

ニジマスも鮭類ですので、同じ現象が起こります。

なので、海水でニジマスを育てると一気に成長するのです。

 

ちょっとややこしくなりましたが、ニジマスがなぜ養殖に適しているかまとめると

1、ニジマスはもともと成長速度が速い

2、三倍体処理をして生殖機能をなくし、さらに成長速度をあげている

3、海で育てることによってさらに成長速度が上がる

 

ということになります。

 

なんとなくなぜここまでトラウトサーモンがよく養殖されているかわかってきたんじゃないでしょうか。

 

また今日本ではこの成長率の速さと安定した供給が注目され、ご当地サーモンが活発になってます。

 

今●●サーモンという魚(一部は銀鮭、サクラマス、サツキマスなどですが)はほとんどがニジマスの養殖です。

エサや、育てる環境を工夫して、地域の特徴を出していて、興味深いです!

 

「ご当地サーモン 種類」の画像検索結果

 

トラウトサーモン=スチールヘッド?

 

ここで少し主張しておきたいのは僕はこの海面養殖のニジマス(トラウトサーモン)をスチールヘッドと呼ぶことには反対です。

 

もともとニジマスは淡水で一生を過ごす魚でしたが、鮭類であったために海に活路を求めた魚は海という環境に適応して生き抜き”スチールヘッド”と呼ばれるレアな存在になり川に帰ってきます。

”スチールヘッド”という響きにはやはりロマンがあるのです。

 

海面養殖されているニジマスは自らの手で海に下ったわけではないのです。

なのでそれをスチールヘッドと呼ぶのは僕には納得はいきません。

また見た目もふてぶてしく全くスチールヘッドのようにスレンダーではないのです。

 

「トラウトサーモン 出荷」の画像検索結果

(海面養殖ニジマス(トラウトサーモン)、画像はネットから拝借)

 

(天然のスチールヘッド)

 

また”トラウトサーモン”と呼ぶことも少し抵抗があります。

そもそも鮭類ではありますが、サーモンではないです。

トラウトではありますが、ちゃんと立派な”レインボートラウト”という名前があるのですから、

 

僕はちゃんとニジマスと呼んであげるのが良いと思います。

 

それだと売れなくなってしまうかもしれませんが笑

 

トラウトサーモンは危険?おいしくない?

 

ここではトラウトサーモンに限らず、一般的なサーモン養殖について軽く触れます。

 

養殖されているサーモンが危険と言われている原因にはエサに入っている抗生物質などがあげられます。

 

またエサには油が混ぜ込まれており、わざとあの脂っぽい味を出しているのです。

 

天然のサーモン(ニジマス含む)は川や海で泳ぎまくっているためにあんなに脂はたまりません、ですが養殖の魚は狭いネットの中で育てられるために脂が体にたまっていくのです。

 

また魚類全般ではありますが、脂に水銀などの有害物質をためる性質があります、なので、サーモンの脂には天然養殖関係なく有害物質が貯められています、ですが養殖のほうが脂分が多いために危険と言われているのです。

アメリカなどでは養殖サーモンを妊婦などは食べないように推奨されています。

また天然サーモンも週一以上は食べないように言われてます。

ですが天然サーモンは有害物質が極めて低いために食べること自体はオッケーです。

 

じゃあ食べないほうがいいのか?と聞かれると僕は食べてもいいと思います。

 

なぜなら牛や豚などの家畜は全部同じように育てられているからです。

また野菜も殺虫剤や殺菌剤たっぷりの環境で育てられています。

 

なので養殖を危険で食べないというのならもうスーパーでは何も買えませんね笑

 

それに健康被害は今のところ出ていませんので、たぶんあまり影響はないものと思われます。

 

しかし僕はわざわざは食べません。

 

少々危険だからっていうのはありますが、それよりも味や健康です。

 

天然サーモンのおいしさを知ってしまうともう養殖は食べれません。

 

天然のソッカイ(紅鮭)は絶品です、脂が良い具合にのっていてそれでいてさっぱりしておりいくらでも食べれます。

 

ソッカイのハラスの塩焼きは僕の中では鮭類の料理の中では断トツにうまいです!

(是非トライしてみてください!)

 

紅鮭はオキアミを主食にしています、オキアミには特にアスタキサンチンという物質が含まれており、それが魚の身を赤くします。

だから紅鮭の身はものすごい赤いのです!

またこのアスタキサンチンはオメガ3という脂肪酸を多く含み、ダイエットや美容に効果があります!

(僕もソッカイを食べすぎた結果痩せました←まじです!)

 

「sockeye fillet」の画像検索結果

(天然の紅鮭。ネットから拝借、赤みが濃いです)

 

しかし、養殖サーモンは人工的に作ったアスタキサンチンをエサに混ぜています、なのである程度赤いですが、オレンジ色ですよね?

 

そして残念ながらオメガ3の含有量は天然のものに比べてかなり減少します。

 

「farmed steelhead fillet」の画像検索結果

(トラウトサーモン。こちらもネットから拝借、白い脂の線が入っていて、身はオレンジ色です)

 

ですので、個人的には天然物推奨です。

ぱっと見脂がのっていないのでおいしくなさそうですが、ちゃんと料理すればめちゃくちゃおいしくなります。

また高たんぱく、オメガ3脂肪酸をよく含むので健康的です。

ですが、個人の好みもありますので、自身の好きなものを食べてよいと思います。

 

また養殖物は海に影響を及ぼす存在でもあります、それはまた今度、、、

 

あと、トラウトサーモンとアトランティックサーモンは味が違うのか?

という疑問ですが、エサにかなり影響されますので、違うでしょうし、

どっちのほうが脂がのっている?

という質問もエサによって違うとしか言いようがありません。

 

ですが天然のスチールヘッドとは全く違います!

天然のスチールヘッドは比べ物にならないほどかなりうまいです笑

レアな存在なので食べることはもうほとんどないでしょうが、、、

 

トラウトサーモン産地

 

現在日本のトラウトサーモンはほぼ輸入ものですが、いろんな産地があります。

 

チリ産:

チリ産のサーモンと言えば銀鮭が主のような気がしますが、2012年には国内30%がニジマスで19%だけが銀鮭です。

そして半分以上はアトランティックサーモンです。

 

ノルウェー産:

ノルウェーのニジマスのシェアは低く6%だけですが、日本でも流通しているようです。

ですが93%はアトランティックサーモンなので、よく見るのはアトランティックサーモンでしょう。

 

イギリス産:

イギリス産はなじみがにないかもしれませんが、実はサーモン養殖が盛んです!

ですがあまり日本には出回っていないみたいですね。

イギリスもノルウェーと似てほぼアトランティックサーモンですが、トラウトサーモンも9%近くシェアがあります。(2005年度)

 

カナダ産:

カナダもニジマス養殖が盛んですが、あまり日本には出回ってないですね。

カナダもアトランティックサーモン養殖がおこなわれてますが、世界的シェアは低いです。

 

アメリカ産:

アラスカ産のサーモンはすべて天然物です。アラスカではサーモン養殖が禁止されているためです。(それには深い意味がありますが、また今度)

アトランティックサーモンの養殖はシアトル近郊で行われてますが、輸出するほどの生産量はありません。

 

国産:

国産の鮭は天然物の鮭(秋サケ、シロザケ、あきあじ、鮭児、トキシラズ)と養殖サーモンがあります。

●●サーモンと書かれたものは養殖、”鮭”と書かれたものは天然物のと分けられてます。

国内の養殖サーモンは、ニジマス、サクラマス、銀鮭がありますが、その中でもシェアが大きいのはニジマスです。

 

少しは役に立ったでしょうか?

 

まとめ

必要以上に長くなってしまいましたあせる

 

パート1と合わせると情報量が多すぎて混乱してしまったのではと思います、、、

 

なので、ここで全体のまとめを。

 

ーニジマスは基本淡水で生きる鮭科の魚

ーその一部は鮭と同じように海に降りて成長する、それはスチールヘッドと呼ばれる

ー世界ではニジマスの養殖が盛んであり、淡水、海水で養殖されている

ー海面養殖されたものはサーモントラウトもしくはトラウトサーモンと呼ばれる

ーニジマスを海面養殖するのは成長が早いため

ー味は他の養殖サーモンとあまり変わらないが、エサによって変わる

ー天然物のニジマス、スチールヘッドとは全く味が違う

ートラウトサーモンは日本、チリ、ノルウェー、イギリスで生産されている

 

こんなところでしょうか。

 

まだまだサーモンについては奥が深く、話せていないこともたくさんありますが、ニジマスについてはかなり書けたのではないかと思います。

 

長いブログに付き合っていただきありがとうございました。

 

質問コメント批判なんでもありましたら、メールいただけるとありがたいです。

またバンクーバーでニジマスやスチールヘッドを釣ってみたいという方もメール待ってます!

→salmonpilot@gmail.com

 

それではみなさん良い一日を☆

 

参照

三倍体説明:http://www.miyagi.kopas.co.jp/JSFS/JSFS-kids/daigaku9.html

銀毛化によるホルモン変化:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/35/9/35_9_650/_pdf

養殖魚の説明:https://plaza.rakuten.co.jp/ys4219/diary/200706060000/

ニジマス:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B8%E3%83%9E%E3%82%B9

ニジマス養殖の歴史:https://www.maruha-nichiro.co.jp/salmon/fishery/07.html

鮭の養殖事業:https://www.maruha-nichiro.co.jp/salmon/fishery/10.html

世界的サーモン養殖データ:https://www.dbj.jp/ja/topics/report/2014/files/0000016843_file3.pdf