我が家では、妻は男性的で自分は女性的だと思うことがたまにある。
二人の会話では話す量が多いのは圧倒的に自分のほうで、妻はほぼ相槌だけで聞いていることが少なくない。自分だって表ではあまりしゃべらないほうなのだが。
花だのなんだの植物を買ってきても、妻は基本ほったらかし。いつの間にか自分のほうが世話をしてたりする。
収集癖も男性特有というけど、自分はコレクション的なことを全くしない。むしろ妻のほうがお気に入りのコミックを大人買いしたりする。
漫画やアニメは圧倒的に妻のほうが好き。自分は積極的に読んだり観たりしない。妻だけが映画館で観た The First Slam Dunk、ネットフリックスあたりで視聴できるようになったとかで、半分付き合わされるような感じで観た。
いきなりテレビ画面にキャストし始めたから、あ、見せたいんだなとすぐ分かる。
過去にもスラムダンクについては妻からアツく語られることが何度もあったので、大まかなストーリーとキャラクター名などは知っていた。ただ情報としてあるのはそれだけで映画を視聴。
連載漫画などは編集者など出版社側の指示があったりで、あまり漫画家本人のやりたいように描かせてもらえないという話はよく聞く。その点この映画は井上雄彦さんがそういう制約抜きで自分の望んだとおりに作ることができたのかな。
きっと本人はほとんど男のキャラクターしか出てこないような内容にしたいのだと勝手に思った。この人美女とかよりもゴリゴリに濃い男前を描くのが絶対好きだし、実際最高に上手い。
この映画を観るのはほとんどが原作を知り尽くした人たちだから問題ないんだろうけど、時間の制約で一部のキャラクターのバックグラウンドが全く紹介できず、やっぱり自分のようなまっさらの頭で初見だとその辺もうちょっと、となるのは仕方ない。
画のクオリティに関してはもう昭和時代じゃ全く無理だったレベルに達していて、そこはもうただひたすら関心。
観終わったあとの妻は、いつもとは比べ物にならないほど饒舌。今度は自分がひたすら相槌を打つ。
映画の終わり近くで、黄色いユニの誰かさんがトイレでオエーッとしている場面を見て「あ、宮城もアメリカ来たんだ」と自分が即応したのに妻が関心してた。いや分かるでしょ。
現実世界では次のステップへ進むとき、欲しいものを手に入れられなかった人間のほうがその後は成長することが多いように思うけどね。