それから3日ほどして、購入したパーツが続々と届き、鼻歌混じりに意気揚々とデッキを組む。
今まで使っていたデッキより0.5インチほど太いけど、上手くコントロールできるだろうか?とか
トラックを少し背の高いタイプにしたけど、違和感はないだろうかと不安を抱きながら、
早速夜中に家の近所でテスト。
ん、以前のデッキより安定してる!!
ところが「ガラガラーッ」と音がちょっとデカい。
以前より、ウィールの幅が太い分、荒れた路面だと滑走音が激しいのだ。
しかし「夜中だし音が響くんだな。」とあまり気にせず、満足気にその日はテストを切り上げた。
翌日、出勤のためいつものように自宅から駅までスケートを走らせたのだが、以前のセッティングより明らかに速い。
満足気に職場のある東京の某駅に到着、
そして職場の最寄り駅から職場までまたスケートを走らせたのだが、なんだかいつもと違う。。
職場のある地域は東京都内でも有数の高級住宅街にして、東京を代表するブランドショップ街なのだが、
何やら周囲が騒がしい。
よく見ると通りすがりの散歩の犬達が飛び上がるようにすごい勢いで吠えまくっているのだ。
そう、僕のスケートのカミナリのような滑走音に飛び上がるようにおびえおののいていたのだ。
アフガンハウンドやラブラドールといった、いかにも高級そうな大型犬に振り回されている上品なマダム達の姿はまさに地獄絵図だった。。
僕はそれを見て深く落ち込み、音の静かなウィールを新たに買わざるを得なかった。
たった1日で封印された「fucking awesome」のウィール。ブランドロゴにさえ惑わさければ。。
スケボーにあまり関心の無い方にしてみれば、「スケボーのタイヤ?高くても2千円ぐらいのもんでしょ?」なんて思うかもしれない。
何をおっしゃいますやら、それなりのモノだと1万円近くする。
我々庶民には地味に痛い出費なのだ。
それにしてもブランドロゴというのはヒトを惑わす悪女のようなものだ。
皆さんよく考えて欲しい。
普通に買えば数千円のTシャツが某レンシアガのロゴが入るだけで5万円になってしまう。
友人の縫製工場がパリの某リーヌのポロシャツを縫ってのだが、通常1着2千円ぐらいの仕事なのにブランド側は何も言わず1万円も払ってくれるのだそうだ。
あまりにも破格の金額に友人は驚き「こんなにもらって良いんですか?」と尋ねると
そのブランド担当者は何でもない顔でこう答えた。
「問題ありません。我々はこの商品を10万円で販売するので。」
そう。
信じるか信じないかはあなた次第です。