8月26日に展覧会を企画された山口隆介研究員による「聖地 南山城の神と仏」の講演会のあと展覧会を拝見。講演は会期中に展示物調査を行った最新知見の紹介が中心。ほとんどの仏像は一人では動かすことができないこともあって、チームで考えるとお話されていました。
南山城の文化財は飛鳥時代の仏教伝来に始まって、平安時代の山岳修験や阿弥陀信仰と続きます
南山城古寺地図 pic.twitter.com/ZhsRxIblfp
— Go to Kyoto & Nara (@GoToKyotoNara) May 17, 2018
以下、鑑賞メモと講演メモです。
飛鳥時代~奈良時代
神雄寺
橘諸兄の別邸だったともいわれます。行事の読み上げメモに使ったと考えられる木簡や灯明皿などが展示(展示No.9)
企画展 恭仁宮と神雄寺─天平の都と謎の寺─
— 関西の展示 (@kansai_tenji) April 28, 2023
恭仁宮の50年に及ぶ発掘調査の成果と、新たに重要文化財に指定される奈良時代の木津川市神雄寺跡出土品の多彩な資料を紹介します。
2023.4.29(土)〜6.25(日)#京都 #木津川市 #京都府立山城郷土資料館 https://t.co/AHqumOClZC pic.twitter.com/1CO2cbIk5e
↓こちらでも紹介しています
笠置寺
笠置寺に伝わる飛鳥時代の小さな金銅の誕生釈迦仏と(展示No.14)がおもしろかったけど、いい写真見つからなかった😿
本尊摩崖仏の巨大タペストリーがありました。
7月21日
— 山寺の和尚さん@笠置寺 (@kasagidera) July 21, 2023
奈良国立博物館で開催中の「聖地 南山城」展。
会場内では1/3の縮小サイズのタペストリーとして展示されているご本尊さま。
実物を足元から見上げると、まさに「岸壁」です。#京都 #笠置 #聖地南山城 #奈良国立博物館 #南山城古寺の会 #お茶の京都 pic.twitter.com/a61otsIkK3
笠置寺についてはこちらも↓
摩崖仏が焼失した跡に描かれた室町時代の笠置寺縁起絵巻(展示No.20)がもので、写実的?に空白として描かれていたのが印象的。
平安時代前期
山岳密教
聖徳太子創建と伝わる神童寺は修験道が栄えたお寺で、珍しい弓をもった愛染明王(展示No.39)、円珍スタイルの不動明王(展示No.38)などがお出まし。
「聖地 南山城 ―奈良と京都を結ぶ祈りの至宝―」展その5
— もぐじ (@chibiosa1) July 15, 2023
木津川市の神童寺から不動明王(通称白不動)様と天弓愛染明王様がいらしていました。神童寺は寄りの棚倉駅から緩やかな坂道を40分ぐらい歩きます。何年か前に駅から歩きましたが、たまたま閉まっていました(T_T) pic.twitter.com/MYiEe1Ra8S
牛頭天王(講演メモ)
頭に牛をつけた朱智神社の牛頭天王(展示No.31)の神像は3つの顔で外部からの邪気が入らないように睨んでいます。神社は山城、河内、大和の国境に位置し、30年ぶりの公開。
木津川市の松尾神社の牛頭天王(展示No.32)も元は椿井の御霊神社(街道沿い)にあって同じ目的で祀られていたと考えられます。
呉越国王銭弘俶が造塔した銅製の塔、銭弘俶八万四千塔(展示No.52)も茶どころで知られる和束町の金胎寺に伝わります(国内に複数あるらしい)
京都南部の和束町の鷲峯山にある金胎寺です。7世紀役行者により開かれ修験道の行場であるザ・山寺です。今回9/5に秋季大祭に参加してきました。この日は多宝塔など全てのお堂が開き、重文の愛染明王や石仏が見れます。南側の茶畑から東海自然道に沿って登りましたが、ヒルの攻撃を受けるので要注意。 pic.twitter.com/j8ImnZjWiT
— ざしきわらこ (@8t7zrNIH0uEKZTG) September 12, 2021
和束は奈良時代には聖武天皇が造営した二つの都、恭仁京と紫香楽をつなぐ交通の要衝。
#局員の体験レポート🗒(1/3)
— そうだ 京都、行こう。事務局【JR東海公式】 (@souda_kyouto) May 23, 2023
360度に広がる茶畑!!🌱🌱🌱
📍d:matcha Kyoto
京都・和束町から日本茶の魅力を発信するd:matchaさんの体験ツアーに参加してきました!
約3.5時間のコースは、見て、触って、味わって…五感でお茶を知ることができる贅沢な時間でした✨局員#そうだ京都行こう pic.twitter.com/iBzXayOjDS
和束町薬師寺の薬師如来(展示No.3)とそっくりといわれる蟹満寺の阿弥陀如来像(明治維新後にお迎えした客仏)(展示No.3)の比較も。共通する特徴の一つが足先を衣で包んでいること。
詳細は割愛します。
平安時代後期:九体阿弥陀仏
平安時代の末法思想とともに流行した九体阿弥陀仏ですが、現存するのは木津川市の浄瑠璃寺のみ。
お寺ではこんな感じ、実際にはもっと暗かったような記憶が。
京都 浄瑠璃寺。自然光が僅かに差し込む暗いお堂に入り 目が慣れると 金色の九体阿弥陀仏が現れる pic.twitter.com/cd0Zz9Ysyq
— 香原博 (@hiroshi_kouhara) November 20, 2022
扉の向こうに仏様ずらりなんで、ちょっと「不思議の国アリス」感。
今日は京都浄瑠璃寺
— さかな (@na_sakana_na) July 18, 2021
この、寺猫お昼寝中の長いお堂にある、九体の阿弥陀仏坐像に見下ろされ、怒られてるような気分になるお寺。
初めて来た時(23くらい)心の中ですみませんと、呟きました😆
あれから、だいぶ厚かましくなったので、もう怒られてません☺️ pic.twitter.com/OboROCLQjv
奈良国立博物館の文化財保存修理所で修理を終えたばかりの二体が並んで展示されていました(展示No.61)。
\奈良展 明日開幕🦌/
— 浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念 特別展 「聖地 南山城(奈良展)」/「京都・南山城の仏像(東京展)」 (@m_yamashiro2023) July 7, 2023
特別展「聖地 南山城-奈良と京都を結ぶ祈りの至宝-」の開幕に先立ち、開会式が開かれました。
特別協力をいただいている京都南山城古寺の会による法要が #国宝「阿弥陀如来坐像」の前で行われました。
いよいよ明日から👏… pic.twitter.com/2ZzXqTyUSn
光背は別に展示されているので、背中までしっかり拝見できました。
お寺では蓮華座は見えません。二つの像の高さはそろっているものの、パーツの高さが微妙に違うそうですが、展示だけで気づく人はすごいわ。
↓運搬作業って、これ皆、無事終わりますようにって祈っているやろうな。
鎌倉時代
笠置寺の釣鐘(展示No.77)は1196年に制作の銘が入っていて、東大寺を再建した重源が解脱上人、貞慶に寄進。
↓こちらをたどると鐘の音を聞くことができます。
【スタエフ京都観光部】重要文化財指定の笠置寺・解脱鐘。貴重な六葉蓮弁の梵鐘。 https://t.co/PvZqt0VMzK
— Yoichi Sano (@yoichi_sano) May 22, 2023
藤原信西の孫、貞慶(アンチ専修念仏)は弥勒信仰を盛り上げました。笠置寺に居住後後、海住山寺に移りました。
展示No.68↓
2月3日は解脱上人(貞慶)の御命日です。https://t.co/FcUFeiFFHW pic.twitter.com/JkksS21Z7a
— 海住山寺(仏塔古寺十八尊霊場会第三番・京都南山城古寺の会) (@kaijyusenji) February 3, 2020
貞慶の弟子が後鳥羽院の近習であった慈心。
【貞慶と慈心の墓】海住山寺の再興の祖である両者の墓。貞慶は解脱上人といい、信西の孫。法相学を大成させ、念仏専修の浄土教を批判、由緒ある寺院を再興。晩年までの約5年を海住山寺で過ごした。慈心は後鳥羽院期に参議まで上った藤原長房。1210年に後鳥羽院を諌められず出家し、貞慶に師事する。 pic.twitter.com/GoxdLbR2th
— 古代史つれづれ話 (@azumanndonannto) June 17, 2018
貞慶存命中の海住山寺の国宝五重の塔の内陣扉絵も展示(展示No.84)されています。
京都 加茂町 海住山寺です。
— しもさん@9/2 RUSH BALL 9/9.10 ハジマザ 10/8.9 京都音博 (@_shi_mo_san) September 15, 2022
天平7年(735) 聖武天皇の命で東大寺の僧・良弁が開創したと伝わる古寺です。
鎌倉時代初期の五重塔は国宝に指定されてます。
毎年10月下旬に国宝の五重塔が開扉され、内部が公開されます。
京都観光気分を感じてください。#御朱印巡り #海住山寺 pic.twitter.com/E4QpZoAyDa
海住山寺の四天王(展示No.85)は彩色の残りが素晴らしい! 東大寺にあったもの(現存せず)をモデルにしたらしい。
左切れてます😅
現光寺にも同じ四天王をモデルにした仏像が(展示No.113)。
木津川市の現光寺の十一面観音坐像(鎌倉時代・重要文化財)はいいですね🥰
— 京都・奈良大好き 宇野 (@butsuzou_lover) June 18, 2023
毎年大体5月のGWと11月の文化の日あたりに無住のお寺併設の収蔵庫で公開されていますが、普段は拝観のハードルが高いです。
今年、「聖地 南山城」展に出展されます✨
必見です🤩#仏像ツイオフ pic.twitter.com/ljgrU8gpIl
笠置曼荼羅には十三塔が描かれていますが、これは貞慶が釈迦の墓所として作ったものらしい。
当館所蔵の重要文化財「笠置曼荼羅(かさぎまんだら)」。当館の中世絵画の中でとりわけ印象に残る一点です。この絵は、鎌倉時代の笠置寺を描くものですが、女性の山寺詣でを描く絵としても重要です。【続く】#大和文華館 #聖域の美 #笠置曼荼羅 #重要文化財 pic.twitter.com/l9PqFJKsrq
— 大和文華館【公式】 (@yamatobunkakan) October 19, 2019
貞慶自筆の海住山寺起請文(展示No.88)では、尼はダメ🈲、本寺である興福寺も容易に入れるな、書かれています。
その他
•京都西陣の興聖寺に伝わる鎌倉時代の一切経(展示No.98)は元は海住山寺にあったんや。
〜経蔵案内パート4〜
— 臨済宗 興聖寺(織部寺) (@ko_sho_ji) October 26, 2022
貴重な経典が収められている蔵の中で、神々しい光が弥勒菩薩様に降り注いでいます。
興聖寺Youtubeチャンネルもご覧下さい。
#興聖寺 #臨済宗 #禅宗 #座禅 #一切経 #光 #弥勒菩薩 #写経 #癒し pic.twitter.com/jl8UzQCpl2
ご縁をいただき朝から興聖寺一切経の虫干しへ。平安時代後期に書写された黄蘗染め紙に触れられる幸せたるや。裏打ち紙の薄さ、まばらな繊維の素朴さ、板目の跡。とても貴重な機会でした。 pic.twitter.com/N5ZkYw0Qv3
— 望月めぐみ Megumi Mochizuki (@megumi_papercut) May 26, 2019
•琉球布教で知られる袋中は一切経の修復にかかわり、木津川市の瓶原(みかのはら)に庵を結んだ(展示No.134,135)。
奈良市の奈良国立博物館で
— 会長🇯🇵史跡・居酒屋探訪家🍶🏮 (@hiropiyon3309) August 25, 2023
開催中の 聖地 南山城 展
で、袋中上人がよく出ていた。
なので、以前に購入した
袋中関連の本を改めて読む📖👓️ pic.twitter.com/tDCtvcZXlB
•十一面観音像が充実、後ろまでお顔がそろっています。
展示No.1
【京都・海住山寺/十一面観音(8~9世紀)】木目のきめ細かな材を使用しており内刳りは施さない。全体的に表現はすっきりとしており、胸飾や瓔珞など細かな部分は刻み出しておらず奈良・法隆寺の九面観音菩薩立像などとは別系統と考えられる。 pic.twitter.com/vyHKd1ylXS
— 美しい日本の仏像 (@j_butsuzo) December 1, 2022
展示No.112
『現光寺ご本尊十一面観音坐像(重文)』特別公開は11月6日(土)・7日(日)です。
— 海住山寺(仏塔古寺十八尊霊場会第三番・京都南山城古寺の会) (@kaijyusenji) November 5, 2021
『海住山寺国宝五重塔開扉』は11月7日(日)迄です。 pic.twitter.com/NuKn3nZNRN
•木津川沿いの大智寺には行基が奈良時代に架けた橋の柱を使って作成したと伝わる文殊菩薩が本尊(展示No.109)。
あ、行基さんの造った泉大橋の橋柱を御衣木にして造立したと伝わる大智寺の文殊菩薩像。いまは奈良博でお目にかかれます。#行基 #泉大橋 #木津川市 #大智寺 #文殊菩薩 #奈良国立博物館 #大仏開眼 https://t.co/ulR2UPx8RO
— 高次喜勝@薬師寺 (@takatsugikishou) September 5, 2020
京都府木津川市の大智寺の木造文殊菩薩騎獅像(14世紀、国重要文化財、総高169.5センチ)の内部に、極小の別の文殊菩薩騎獅像が納められていることがX線CTスキャン調査でわかったと奈良国立博物館が発表。
— Ayako Kimishima (@kimi_aya_) June 1, 2020
朝日新聞https://t.co/3VRtc845lL pic.twitter.com/E7NUjpi54i
(終わり)