展示品の紹介です。

国宝丙子椒林剣(へいししょうりんけん)

 

図は↓からお借りしました。

 

四天王寺に伝来した飛鳥時代の剣で、「丙子椒林」という金象嵌に因んだ名前です(通期展示)。古いもので太子愛用の品の信憑性は高いそうです。wikiによると上古刀の伝世品(出土品でないもの)は正倉院宝物の刀剣類以外には稀少。

 

国宝七星剣の模造品

こちらもオリジナルは飛鳥時代の剣で、北斗七星が刻まれています(通期展示)。北極星を天帝、宇宙を支配する最高神、とする古代中国の思想を表したデザインです。東京展では本物が出品。

 

国宝懸守(かけまもり)

首からかけるタイプのお守りが7つ四天王寺に伝わります。伝承では太子が身に着けた、平安時代の作で貴族の寄進と考えられています。7つのうちの二つが前期と後期それぞれに展示。CTスキャンで解析したら仏様の像が中にあるものも。図は上のサイトから(東京展のみ)。

 今でも高級チャームとして十分に通用するデザイン。

 

重要文化財菩薩半跏像(試みの観音)

四天王寺に伝わる白鳳時代の像で、聖徳太子の本地仏とされ秘仏。8月の千日詣で2日だけ聖霊院太子前殿御開帳されます。小学生が片手で持てるぐらいの大きさなので、御開帳ではおそらく詳細を見ることはできません(通期展示)。

 

講演では紹介されなかったのですが、宮城の天王寺(寺の名前)から出品されている平安〜桃山時代の仏像が四天王寺の本尊の模刻(通期展示)。↓パンフより

 

 

聖徳太子絵伝

狩野山楽による徳川秀忠公寄進の板絵(絵堂壁画)(重要文化財、通期展示)。終戦直前に埃まみれの状態で発見され、箒で掃いた時にできた疵があります。

 

 

鎌倉時代以降は、巻物スタイルの絵伝を各地に運び絵解きをしたそうです。絵解きの台本(聖法輪蔵、前期展示)もでき、江戸時代には全国に広がったようです。

 

 

 

舞楽(重要無形民俗文化財)

4月22日の聖霊会(しょうりょうえ)に行われる舞楽の衣装も展示されています。桃山時代のものは豊臣秀頼公が寄進。東儀家によって寄進されたものも。命日は2月22日ですが、2月は寒く、3月はお彼岸なので、4月だそうです。

 

かつては早朝から25曲も舞っていたそうですが、今では8曲演じられます。会場には舞台も設えられて華やか。

 

講演では、平安時代の笛(鳴るかもとのこと、前期展示)、飛鳥時代の鏑矢(かぶらや、重要文化財、後期展示)、太子の衣装といわれる端切れ(飛鳥時代、重要文化財)も紹介されていましたが、略。

 

 

 

以下はさりぃが興味を持った展示物

談山神社の太子絵伝(前期展示)には、乙巳(いっし)の変が描かれ、太子の古墳がある叡福寺の絵伝(通期展示)には、太子のお墓が描かかれているなど、絵伝には「個性」があります。

 

飛鳥時代から四天王寺のは現在の枚方市で作られていました。

 

聖徳太子孝養(きょうよう)像は最初は真言律宗で作られました。

 

 

 

山岸涼子作「日出処の天子」の原画や旧紙幣もの展示もありました。

 

 

金剛組は四天王寺建立のために百済(くだら)から来日した工匠を祖とする社寺建築の専門の会社。展覧会の協賛に名を連ねています。

 

建築業界でも太子信仰は厚く、江戸時代には曲尺を持った太子像も登場。金剛組が由来なんや。

 

(終わり)