【アニメ産業発展の秘密】
≪なぜ、日本のアニメは伸び続けるのか≫
いまだかつて一度も深刻な不況を経験したいないのが、アニメ産業である。
1958年の『百蛇伝』の誕生以来、1990年代からはじまるバブルの影響も受けていない。
映画興行は6年連続横ばい。(『デジタルコンテンツ白書2006年』)
マンガ雑誌・単行本売上11年連続減(『出版指標。年報2006』)
ゲームソフト市場7年で40%減()
と、他のエンタテイメント産業が減少傾向にある中で、アニメ産業だけが好調ある。
その秘密を探る。
アニメ産業には顕著な成長を遂げている次期がいくつかある。
●第1次成長期(1963年~1960年代末)
『鉄腕アトム』の放映開始からアニメ定着期まで。いわゆる第一アニメブームで、この時期を経てアニメが子供に定着した。
●第2次成長期(1977年~1991年)
『さらば宇宙戦艦ヤマト』公開からOVA発売タイトルピークまで。
このヤマトブームによって、アニメ視聴者層が、子供から青年層まで広がった。
●第3次成長期(1955年~現在)
『エヴァンゲリオン』放映からTVアニメ製作数を更新中の現在まで。
この時期、『ポケモン』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』などのメガヒットが続くことによってさらに広範なアニメブームが起こり、ジブリファンに代表される一般層、今までアニメを見ないとされていた女性層、実写とアニメを区別しないヤングアダルト層、さらに海外まで視聴者が広がった。
この3度のアニメブームを支えた要因としては、以下が考えられる。
①メガヒット作品の牽引効果(第一次ブーム~第三次ブーム)
②アニメ視聴者層の拡大(第一次ブーム~第三次ブーム)
③ビデオの登場(第二次ブーム)
④メディアの増加(第三次ブーム)
⑤ファイナンスシステムの多様化(第三次ブーム)
⑥収益構造の多様化(第三次ブーム)
⑦デジタル技術による生産性の向上(第三次ブーム)
第三次ブームを支えた要因の一つは、メディアの多様化・増加(④)である。
また、そのきっかけは深夜アニメである。
テレビ東京でカロリー(枠代)の低い深夜アニメ枠が開発されたのがきっかけで、他のキー局も順次深夜枠をアニメに開放していくようになる。また、UHF局やWOWOWのノンスクランブル枠でのアニメ放映も本格化し、さらに「キッズ・ステーション」や「アニマックス」、「カートゥーン ネットワーク」、「アニメシアターX」といったCS専門のアニメ専門チャンネルの開局も相次ぎ、新作タイトルの大幅増加にはずみをつけた。
そして、BSデジタル局の誕生、インターネットでの配信も本格化するという状況になった。
これらの新規メディアは地上波でほとんど消滅してしまったセカンド・ウィンドウ(再放送)としても機能しており、アニメ制作に対する好材料となっている。
≪参考文献≫
『アニメビジネスがわかる』/増田弘道/NTT出版/2007年8月6日発行/「第4章 アニメ産業発展の秘密」