ああ、だめ

1時を過ぎると頭が回りません


そして、遂に姿を現した左上親不知が痛い

気になる

舌で触っては、「ああ、歯だ」と思う。


夕飯食べるんじゃなかった、と反省



さっきまでごぃごぃ雨が降っておりました。

今はちょっと止んだ系ですが


明日朝雨?


ごっさ嫌・・・・・会社行くまでが。



[これにて、閣議を閉会とする!]

(どいつもこいつも無能共が!!)


「総帥閣下」

「何だ」

「今日の閣議はやけに閉会を急いでおられたが、ご予定でもおありかな?」

「何が言いたいのか知らないが、時計と私の顔色を気にしても貴殿に得はないと思うが?」

「・・・・そんな事は言っておりませんよ。ただ、近衛将軍が帰還してから、閣下が屋敷にいらっしゃるお時間が長いそうですな。いやいや、お若いというのは羨ましい!」

「他人のゴシップを探るなど下衆以下だな。・・・・・仰るとおりこれから近衛将軍殿と夕食会を開くが、気になるなら貴殿もいらしてはどうだ?そうだ、奥方もお誘い頂けば良い」

「何ですと・・・・」

「奥方が貴殿と共に会食に参加するのも久しく見ておらぬ故な。・・・・・失礼する」


(早く、屋敷に帰らねば!!)


コツコツコツ・・・・・

「閣下」

「五月蝿い」

コツコツコツコツ・・・・・

「閣下っ」

「黙れ、急いでいるのがわからないのか!!」

「申し訳御座いません!ですが・・・」

「何だ、早く言え!」

「近衛将軍がお迎えに来られましたっっ!!」

コツッ

「・・・・そうか」

「(ほっ・・・)執務室でお待ち頂いております」

「わかった」


(閣下。我々にはバレバレで御座います・・・・・)



「待たせた」

「いいえ。参謀殿こそ、休むお時間がないのではお体を害します」

「俺がそんな軟弱に見えるか」

「そうではありませんが・・・・」


「兎に角、出迎えに感謝する。俺は一刻も早く屋敷に戻りたい」

「御意。馬を待たせてあります。参りましょう」

「うむ」


バカラッバカラッバカラッ・・・・・

「参謀殿!馬車でなくて良いのですか!!?」

「構わん!久しく馬に乗っていなかったのだ!」

「そうは見えませんが!?」




「「「お帰りなさいませ!!!」」」



「・・・俺は先に湯浴みをする」

「御意」

「貴様もそうしたらいい」

「いえ、わたくしは」

「安心しろ、風呂はいくらでもあるし侍女はつけないでおく」

「・・・・感謝致します」

「それでは、またな」

「はい」



(・・・・痣・・・・まるで、何か文字でも書いてあるようだ)

「体に文字など。本当に封印ではないか」



「ご馳走様です」

「トリスタン殿、以前よりまた一層にお美しくなられましたな」

「爺!よさないか!!」

「有難う御座います。わたくしにそのような事を言ってくださるのは貴方だけです」

「何と・・・・坊ちゃまより先に申し上げてしまいましたか」

「爺っっっ!!!!!!!!!!!」

「ふふっ、あははは!スーク殿、閣下は口にせずとも目で語って下さいます故、ご心配は無用です」

「ほほぅ♪坊ちゃまもなかなか・・・・」

「・・・・頼むから2人ともやめてくれ・・・・」




「夜風は体に響かぬか?」

「・・・大丈夫です。少々飲みすぎましたので、ちょうど良い」

「そうか・・・・・あの爺ぃめ。無礼を許せ。俺が人を招くことなど無いから、浮かれているのだ。悪気は無い」

「わかっております。とても嬉しそうで、わたくしまで嬉しくなりました」

「そうか」

「閣下を心から愛してらっしゃるのがわかるのです」

「・・・・・・痣を見てもいいか」



「御意」



「窓を閉めよう」

「感謝致します」



しゅる・・・・・

「・・・・・」

「左の背に、まるで羽の絵を描いた様だな」

「・・・・・」

「片翼の天使、と言ったところか」

「勿体無いお言葉です」

「触っても良いか」

「はい」


すっ・・・・


「滑らかだな。肌と何の変わりも無い」

(何と細い肩だ。この体でよく戦に耐える・・・)

「傷ではございませぬ故」

「触れても痛くないのか」

「はい」

「模様は、背中だけか?」

「いえ、左半身全てでございます」

「それならば、全てを見せろ」

「御意・・・・」



ふわ・・・・


「美しい」

「・・・そうは見えませぬ」

「俺がそう思うのだ」

「・・・・」

「まるで、心臓を闇が掴もうとしているようだな」

「ええ、そのような形をしております」

「・・・触れてもいいか」

「はい」



「まるで、」



「まるで掌が灼けるようだ」

「魔性の力でございましょう」

「違いない。極上の触り心地だ」

「・・・・」


ぐいっ


「参謀殿」

「その呼び方はやめろ、『閣下』もだ」

「・・・・・」

「この状況で、無粋な会話はすまい?」

「・・・・・」

「クク・・・俺は21になったばかりだぞ、トリスタン。年下に先手を取られるとは、貴様も甘いな」

「・・・・・・・・・・・」




「俺を見ろ、トリスタン」



「貴様を喰らうのはこの俺だ。得体も知れぬ闇などにくれてやるつもりはない」



「ベルゼーヴァ様、近衛将軍殿が到着いたしました」

「・・・通せ」

「御意」


「近衛将軍トリスタン=ザ=オーフェン、参上いたしました」

「うむ」


「・・・御苦労だった、大事ないか」

「参謀殿。わたくしをまだそのように」

「いや、そうではないのだが。出向前に、体調を崩していると聞いていたのでな」

「誰からです」

「城下の薬師が頻繁に兵舎へ出入りしていると報告があった。貴様が発つ1ヶ月ほど前だ」

「兵卒用の定期便でし・・・・・問い詰めましたか」

「ああ。あれはどういうことだ。俺としたことが、気づいたのは貴様が出向した後だった」

「その時期はお忙しかったですから。それに、お教えしたら任を解かれることは免れませんからね」

「やはり・・・・」

「隠すつもりは毛頭、報告をし難い事実でもございましたので」

「・・・真実は掴めているのか」

「ええ」

「良い報告なら今聞こう」

「判断致しかねますが」

「なら話せ。貴様が悪いと言わなければ良いのだ」

「・・・御意」


「いつからだ」

「昇格のずいぶんと前からです。3年になりましょうか」

「そんなにか」

「ええ。おそらく、城塞都市跡で魔性の瘴気に当てられたのが原因かと」

「・・・進行しているのか」

「わかりません。当時体の具合が芳しくなかったのは事実です。戦がなかったのが幸いでございましたが、指1本自力で動かせず、已む無く薬師を」

「何だと」

「出向前の、祝祭や定期会議にわたくしは出席しておりませぬ」

「・・・・・・・」(そうだったか?来ていたと思い違いを?)

「影を使ったのですよ。それ故参謀殿も気が付かれなかったのでしょう。注意して観察されれば、貴方にならすぐ見抜かれてしまうのでしょうが、他の者を騙すならあれで十分。貴方も、お忙しい時期でありましたから」

「・・・・すまない」

「何を仰います。あの時は、わたくしにも真実が分からずにおりました。だからわざと身を隠していたのです」

「今ならいいと、言うんだな」

「はい」


「わたしの体は魔性に蝕まれております。・・・・わたくしの背をご覧下さい」

「・・・・・!!」

「最初は小さな痣だと思っていたのですが、戦や出向の度に大きくなっております」

「・・・それがこの黒い・・・」

「はい。本当に親指の爪ほどの大きさだったのですが、今やこの通り、わたくしの左上半身の殆どが紋章のような、黒いものに覆われているのです」

「何か、変化はあるのか」

「体調が良いときは、以前より・・・力が増したように思います。体力も、魔力も回復力も」

「それは貴様が成長しているのでは無く、か?」

「残念ながら、わたくしは所詮女の身。戦において、力比べでは兵卒並みでございましたのは参謀殿もご存知のはず。それがここのところ、わたくし1人で騎馬隊を全滅できるまでに」

「・・・頼もしいことだな」

「参謀殿」

「貴様が一騎当千以上の働きをするなら、無駄な兵力を愚かな戦に投入せずに済む」

「・・・・しかし」

「俺がいいと言っている。今の貴様の気は洗練され濁りが無い。そいつから魔性を確かに感じるが、貴様はたかがそんなものに屈するつもりか」

「・・・参謀殿」

「・・・・薬が効いているのか」

「いいえ、薬師から貰うのは痛み止めと強い酒だけです」

「何」

「時折、この痣が耐え難いほどに疼くので、出向前、手に入るだけの麻酔と即刻意識を失うほどの酒を手配していたのです」

「貴様・・・」

「わたくしは、痛みに元々疎いのです。ですから、眠ってしまえば、起きる頃には忘れているのですよ」

「・・・・・」

「有難う御座います、参謀殿。貴方に良いと仰って頂けるなら、わたくしはこの命を惜しむことなく帝国に捧げることが出来ます」

「・・・・判断をしたのは俺1人だ。他言は一切叶わぬ。また、頻繁に俺に報告することが条件だ」

「御意」


「・・・下がっていいぞ」

「はい」

「夕刻、俺が報告を終えたら、少し話がしたい。また訪ねてくれ」

「御意」


(何故、気づいてやれなかった!あの紋章は・・・・!!)


「総帥!どちらへ!?」

「直ぐ戻る!!誰もここへ通すなよ!」


【・・・・来るのが遅かったのではないか?我が息子よ】

「黙れ、無駄口はいい。俺を待っていたなら早く教えろ」

【あの紋章については我も全ては知らぬ】

「何だと?」

【我に問うてくるかと思い、古き記憶を辿ったが全てはわからぬ】

「・・・・貴様、何のためにそこに縛り付けられていると思う。勿体ぶるなよ、知っていることを全て言え」

【ふん、まあ良いだろう。しかし、後悔するぞ】
「それは俺が決めることだ」

【よかろう。心して聞け、愚かな息子よ】


【あの女は魔族の転生だ】

「あの痣は生まれつきということか?」

【否。痣ではない。魔性が広がる際の脈色だろう】
「脈色・・・」

【完全に封印された形であの女の中で眠っていたものが、覚醒したのだ】

「覚醒・・・・オズワルドか」

【かの地はヴァシュタールの寝床だ。間違いはあるまい】

「・・・あれは治るか?」

【無理だな。進行を緩めることは可能だが、いずれ全身に拡がり持ち主を乗っ取る。内側から喰われている様なものだからな。逆らえば地獄の苦しみが絶え間なく襲うだけだ】

「・・・・なら、どうすれば進行が緩められる」

【負の気に近づかぬことだ。戦、魔物討伐。いずれにしろあの女が生業とするものだがな】

「・・・・そうか、それで」


『最初は小さな痣だと思っていたのですが、戦や出向の度に大きくなっております』


(そうとも知らず、俺は何という事を・・・!!)


【自らを責めても、何も変わるまい】

「知っている」

【戦い守ることを糧とするあの女から、その生きがいは奪えまい】

「黙れ」

【クク・・・そのような有様で、人類の革新を進めるなど、詭弁だな】

「・・・・貴様には関係ない。ウジ虫め」

【ククク・・・せいぜい苦しむがいい。見物だな】



「ぐ・・・・がはっ!!」

(まただ・・・左肩が灼ける様だ・・・・)

「いかがされました!将軍殿っ」

「来るなぁっ!!」

「・・・・・将軍殿・・・?」

「はぁっはぁっ・・・・・す・・・・・すまない。古傷が痛むだけだ」

「何と!医者を呼んで参りましょうか?その様子では深い傷なのでしょう」

「構わぬ。本当に・・・・何でもないんだ。ただ、処置を怠った為に今になって痛い目を見ているんだ」

「しかし・・・」

「・・・わたしの机にまだ、薬があったはずだ。持ってきてくれないか」

「はいっ!ただ今!!」


「ふぅ・・・・・・」

(出向に出る前も、確かこんな感じだった。城を出てからは治まっていたのに、何故?)

「ちぃっ、張りぼての鎧のくせに、こんなに重く感じるとは!」

ガシャ・・・ゴト。

「・・・鎧を脱げば、ただの女、か」


「将軍殿、薬を持ってまいりました」

「有難う。入っていいぞ」

「失礼致します・・・・・!!?」

「・・・・何だ」

「えっ・・・あ!いえ!!何でもありません!!!・・・く、薬を・・・・っ」

ガターンッ

「・・・おい。・・・裸を見ているわけじゃあるまいし。そんな年でもないだろう」

「も、申し訳ございません!」

「謝るな。何も壊れていない」

「申し訳・・・・あっ」

「ふふ・・・・あははは!」

「・・・・・将軍殿」

「クククククっ!・・・・・貴公、失礼だがお幾つだ?」

「わ、私は今年30になります」

「30か。ふふっ・・・・・貴公は私より6つも年上でおられるぞ」

「えっ・・・そ、そんなに!?」

「そうだ。わたしは今年で24になる。まだなってはおらぬがな。もっと上に見えたか」

「あ・・・・いえ、そんな」

「遠慮せずとも良いさ・・・・・ああ、話をしていたら気分が良くなった。礼を言う」

「身に余る光栄です。・・・・先ほどより、お顔色が随分と良くなっていらっしゃいます」

「折角の薬だが、徒労にさせてしまったな」

「いいえ。そのほうがお体の為です」

「うむ、その通りだ・・・・・・・・どうした」

「・・・あの・・・・・・・・上着をお召しになられませぬか」

「あ、ああ。そうだな」


(将軍殿・・・何と甘美な肢体をしておられる・・・・・・今日は寝られん)



「将軍殿、ご来客でございます」

「うん?誰だ」

「・・・・俺だ」

「ネメア様!!!」

「体は大丈夫そうだな」

「ええ。先ほど、側近におおいに笑わせて頂きましたので」

「・・・・ほう、そうか」


「闇が、拡がっております」

「そうだろうな。魂の色が、変わりつつある」

「ええ。自分でも感じております」

「俺の・・・色に近い」

「えっ」

「俺は・・・・魔族の血を色濃く引いている」

「・・・そうですか」

「驚かぬのか」

「貴方はもはや人ではない。戦いぶりも、まるで戦神のようだ」

「おぬしこそ、戦天女と称されているではないか」

「きっと、それもわたくしの中に在る闇の存在のおかげでしょう。それがなければ、わたくしはただの女兵士です」

「そんなことはない」

「自分で、わかっているのです」

「トリスタン・・・」

「わたくしの中で息づく、闇。わたくしがこの体を手放すのをじっと待っている」

「・・・・」

「でも、わたくしはそんなものに負けはしません」

「・・・・そうか」

「ええ。側にお仕えする方がいらっしゃる限り、わたくしの命はその方のためだけにあるのですから」

「そうか・・・・・いい、目だ」

「ネメア様」

「あの気難しい男が側に置きたがるのも頷けるな」

「・・・・・変わった方でいらっしゃいますから」


「邪魔をした。くれぐれも無理は控えろ」

「肝に銘じておきます。すぐ発たれるのですか」

「ああ。せねばならぬことが多すぎるのでな」

「そうですか・・・・・何卒、道中お気をつけ下さい」

「承知した。また、ゆっくり酒でも飲もう」

「ええ。上等のものを用意しておきます」