中東スタツアも今日で前半が終了した。明日からはヨルダンで残りの10日間を過ごすことになる。
イスラエルは僕が思っていたよりずっと発展した国だった。イェルサレムのメインストリートはどこかヨーロッパの街並みを彷彿とさせ、ハイファはリゾート地そのものだった。
一見平穏に見えるイスラエル。だが、僕たちはその中にいくつもの「歪み」を垣間見てきた。
各駅に設けられた検問、ユダヤ人は空からいきなり降ってきて自分たちの土地を奪ったようなものだと主張するアラブ人大学生、ユダヤ人地区とパレスチナ自治区の間にそびえ立つ分離壁…
皆が平和を願っているはずなのに、何かがそれを阻んでいる。
歴史的背景もあろう。外交上の戦略もあろう。しかしそれだけでは語りつくせないしがらみがイスラエルという国に内在しているように思われる。
今、ユダヤ人・パレスティナ人の双方は壁を築き、互いに接触を避けることで平安を見出そうとしている。これを批判することなど僕にはできない。これが長年の衝突の末ひねり出された苦肉の策なのだと思う。
「共存」を目指すべきという考えは美しい。だが実現可能かと問われると苦しいところだ。
「平和」の形はひとつではないと思う。いくつもの選択肢を考えられるような広い視野をもった人間になりたいものだ。
【文責:PM局 1年 新井達也】