雲一つない広くて青い空に、ずっと遠くの向こうの方から、小さい光が見えた。初め、とても小さい点でしかない光が、だんだんとこっちに向かってやってくる。
その光の正体は、飛行機だ。
大きな機体に何百人も乗せて、異国の地から日本にやってくる。それも、1機やってきたと思うと、また違う方向から1機、また1機と、次々にやってくる。
私は、飛行機の離陸・着陸が見えるベストスポットにいた。わずか30分間に、2機が日本の外へと旅たち、5機が日本へと帰ってきた。
想像以上の飛行機の出入りの多さに、短時間にこんなにも日本にやってくる人がいて、反対に出ていく人がいるのだなーと考えて驚き、感心した。
私は、今年の4月に学生団体S.A.L.に所属してから、海の向こう側の国について考える機会が以前より増えた。不思議と、学べば学ぶほどもっと知りたくなる。
夏には、実際にヨルダンを訪れた。私にとって初めての中東。初めてのバックパッカー。初めての〝旅″。たくさんの出会いがあった。
気さくに声をかけてくれる優しい住民に心が温まり、無邪気な子どもの笑顔に頬がゆるんだ。しかしそこには、思わず目を反らしてしまいそうな現実もあった。初めて「難民」という言葉の意味を理解した。
そして旅をすると、自分が日本という国をどのくらい好きなのかということ気づかされた。
来年も、旅をしたい。もっとたくさんの人に出会いたい。もっと、世界を知りたい。もっと遠くに行きたい。
帰りの車の中から空を見ると、まんまるの夕日が見えた。そこにまた、1機の飛行機が飛び立った。
私は、その美しい姿を見て、今年、目にしたもの触れたもの感じたことを思い出した。今年出会ったすべての人に感謝したい。そして来年も、未知の国を訪れ、新たな刺激を受けたいと感じた。
【文責:広報局1年 木藤真夕】