「映画」を見て思ったこと | 学生団体S.A.L. Official blog

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はじめまして!!早稲田大学2年の大津信人といいます。
今後ともよろしくお願いします。

先日、「沈黙を破る」という映画を見てきた。個人的にイスラエル・パレスチナ問題に興味があったからである。

この映画を簡単に紹介すると、元イスラエル軍将兵たちへのインタビューを通して、イスラエル軍による「占領」という「構造的な暴力」を様々な実例を通して描き出そうとした作品である。

本来被害者とされているパレスチナ人だけではなく、”占領する側”もまた深い傷を負う様を描いている。このことは、”侵略する者”が必ず抱かざるを得ない普遍的なテーマを提示している。

この映画をみた率直な感想は、人々の目の動き、表情、言葉ひとつひとつが、私たちに訴えかけるものであり、迫力があるな、ということだった。

特に、私が印象に残ったのは、あるパレスチナ人の言葉だった。

「僕も、自爆をしたい。将来は、シャロン首相の自宅の前で死ぬんだ。」

たった、9歳の男の子の発言である。
みなさんは、どう思いますか?


わたしは、ここにパレスチナ・イスラエル問題の根の深さが象徴的に表れていると考えた。
将来を今後担っていく子どもたちをこのような状況へと追いやってしまった社会状況に戸惑いを感じると共に、やり場のない怒りを感じた。

「占領」という問題を考える場合、一方の視点のみでは何の解決策は生まれてこないように感じる。この映画は、両方の視点から問題の構造を描きだし、私たちに問いかけてくる。その意味では、非常に重厚な内容であったように感じた。

最近は、下火になってしまったイスラエル・パレスチナ問題であるが、「占領」という名の「構造的暴力」はいまだに人々を苦しめ続けている。

私は、もう一度、この映画を見て、イスラエル・パレスチナ問題について考えるきっかけにしてほしいと考える。

この問題を詳しく知らない人でも、最初から最後まで見ることで問題の根深さを感じられる映画となっているので、ぜひとも劇場に足を運んでほしい。

また、今月の30日には、元イスラエル将兵が明治大学のリバティータワーにて講演会を行うことになっている。興味のある方は併せてどうぞ。