カオサン通りと3.11 | 学生団体S.A.L. Official blog

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タイのカオサン通りは眠ることを知らない。どのカフェやバーも朝まで営業を続け、クラブやライブハウスは遅くまで盛り上がっている。

周りは外国人ばかり、深夜徘徊、食欲をそそる出店のパッタイの匂い。そんな異国情緒に酔いしれていた深夜3時過ぎ、とあるオーストラリア人女性に声をかけられた。


彼女は随分と、酔っ払っていた。それでも英語力の乏しい自分たちのためにゆっくりと聞き取り易い英語で話してくれた。

ひとしきりたわいのない会話をしたあと、話は東日本大震災のことに変わる。日本と彼女のことについて語ってくれた。

日本が大好きなこと。日本に2回訪れたことがあること。彼女の親友が日本でサーフィンをしていること。

そしてその親友の友達が、3月11日に起きた地震による津波によって命を落としたことも語ってくれた。


震災発生直後に「Pray for Japan」という言葉が盛んに叫ばれた。日本を心配してくれる世界中の人々もその動きに呼応して、本当にたくさんの「祈り」が日本に届けられたのは今でも記憶に新しい。

そして昨晩カオサン通りで出会ったオーストラリア人の彼女も、日本の行く末を案じていた。


心が暖かくなると同時に、もっとしっかりしなくちゃ、と僕は思った。


震災を通して様々なことが変化し、既成の価値観の多くがぶち壊された。それは自分自身の肌で感じ、震災が巻き起こした色んなことに対して自分がどう関わって行くのかも考えた。

日本の復興は確実に進んでいる。それは2回のボランティア活動を通して感じることができた。それと同時に、辛抱強く復興のための活動を続けていかなくてはならないことも感じた。

僕たちは震災の当事者として、まだまだ関心を失ってはいけない。目を背けるには早すぎる。世界中の人々がまだ日本のことを気にかけてくれている。気負う必要は何もないけれど、それでももっと気を強く持たなければと。

そんなことを、一人の外国人との出会いを通して思ったりした。