幸せのデザイン | 学生団体S.A.L. Official blog

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慶應義塾大学公認の国際協力団体S.A.L.の公式ブログです。

先日、六本木ミッドタウンで開催されていた「世界を変えるデザイン展」に足を運んだ。



…デザインが世界を変える?どうやって?



そう思った人も多いはず。
そのうちの一人だった私も、わくわく・もやもやしながら会場に向かった。

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この展覧会の主旨は発展途上国に住む人びとが直面する、
様々な課題を解決してきた“デザイン”を紹介するというもの。


実際に会場には、汚水を簡単に浄化できる個人用携帯浄水器、自分でレンズの矯正度数を調節できるメガネやフィットしやすいゴム製の義肢などなど…
世界各地に内在する課題を解決したプロダクトが所狭しと展示されていた。


沢山の展示品の中で一番興味をそそられたのが“Q Drum”


これは水源から大量の水を運ぶためのドーナツ型のタンクで、中央の穴に紐を通すことでドラムを転がし、一度に50リットルの水を運ぶことができる。


頭の上に重そうな水のタンクを載せて歩く、アフリカの子供や女性の姿をテレビでよく見かける。
この水の入った重いタンクは首の神経を圧迫し健康を害する要因となっていた。

しかしQ Drumが使用されることで、そういった人たちをはじめ、発展途上国の女性や子どもの身体への負担が軽減されたのだ。


実際にどんなプロダクトなのかはぜひ動画を見ていただきたい。

Q Drum Tri Film Productions, Inc.


助けを必要としている人たちのニーズをデザインすることが、その人たちの幸せをデザインすることに繋がる。
すごく素敵な取り組みだな、というのが私の率直な感想だ。


素敵、という言葉で表してしまうのは安易すぎるかもしれない。
けれど、新興国とのwin-win関係を築くことが世界をより良くする最善の方法なのだと改めて感じた。


あともうひとつ。
展示品のうちの一つに日本が製作した「個人用黒板」があった。
途上国の中には“書いて覚える”という学習の基本的な習慣がないところもあるのだという。


ありきたりなことだけれど、今じぶんが“当たり前”と思っていることは他の人にとって“当たり前”ではないということをいつも頭の隅で意識することが大切だということを再確認した。

わくわくするような新しいアイデアというものは、そういう常識や一般的な定義を越えて考えることでやってくるものなんだろう、と思う。
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残念ながらもう展示期間は終了してしまいましたが、「世界を変えるデザイン展」のホームページからより詳しい内容が見れるのでぜひアクセスしてみて下さい。

http://exhibition.bop-design.com/

【文責:久保七生】