都会と田舎の環境 | 学生団体S.A.L. Official blog

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広報の松本です。

みなさんの出身はどこですか?
都心、郊外、地方都市、田舎、あるいは海外、、、。

SALの活動拠点は、基本的に神奈川・東京です。
僕自身は関東生まれ関東育ちですが、メンバーの中には大学進学と同時に地方から上京してきた人もいると思います。

今日の昼頃、「上京物語」というノンフィクションのテレビ番組を観ました。
たまたまやっていただけなので番組の概要は知らなかったのですが、どうやら毎回上京してくる若者に密着取材をする形式のようです。
今回は、秋田と種子島から上京した10代後半の若者二人が取り上げられていました。

簡単に、どんな内容だったかを書いてみます。
秋田出身の男の子は、高校卒業と同時に、モデルになることを夢見て上京を決意。
運良く東京の建設会社への就職が決まっていて、寮も職も確保できた状態での上京だったようです。
なので上京後も順調に暮らせていた彼でしたが、肝心の夢であるモデルの方は全くうまくいかず、オーディションにも通らず。
レッスンの時間を増やすために会社を辞めようと決意しそれを上司に告げると、「世の中はそんなに甘くない」と諭されてしまいました。
自分の認識の甘さを痛感した彼は、結局そのまま仕事を辞め、故郷の秋田に帰りました。その後は、秋田の方で働きつつ、モデルを目指し続けるそうです。

もう一人、種子島出身の女の子も、高校卒業した後に上京。
とにかく都会に出てみたい、という感じで具体的に目的があったわけではないようです。
喫茶店のウェイトレスのアルバイトがすぐに見つかり、生活はそれなりに順調なようですが、彼女の悩みは友達ができないこと。
大学に通っているわけでもないため、仕事場以外で社会的な接点がなく、知り合いも増えないようです。
それでも彼女は前向きに目標を持つことが大事だと考え、「種子島に自分の店を出す」ことを目標に決め、日々のアルバイトに取り組んでいます。

ここで今回の放送は終わってしまいました。
途中から観たこともあって、面白かったかどうかは正直わかりませんが、色々と考えさせられました。

漠然と感じたのは、自分は恵まれていたんだな、ということです。
傲慢かもしれませんが、素直にそう思いました。

特に、「情報」への距離という点で、田舎と都市部では大きな違いがあるのかなあ、と番組を見ていて感じたのです。

例えば、文化的なものが集まっているそれなりに大きな町へ出るための交通手段。時間とお金。
あとは、インターネット・テレビ・新聞など各種メディアなども。
ネットの存在で、情報面での地域格差は減ってきていると言われていますが、実際のところどうでしょう。
個人的には、ネットで得られる情報は、現実とのマッチングがあることで価値を増すものだと思います。
ネットで話題になっているイベントやコンテンツに実際に触れられるかどうか、共有できる人がいるかどうか。自分の生活を振り返っても、それは重要だった気がします。
専門用語だと文化資本とか社会関係資本とか言うらしいですが、大人ならともかく、色んなことに興味があって人生の選択肢も色々ある10代20代の人間にとっては、そうした壁は結構大きいのではないでしょうか。

なので番組の二人のように、活動的な人々や町を自分で実際に体感してみたくて、自分もそうなりたくて上京する、という考え方は理解できます。
番組では微妙にバイアスがかかっていたような気がしましたが、たとえ甘い考えに見えたとしてもきっとそれは安易な判断ではなくて、
例えば秋田の人のケースであれば、夢が叶うかどうかはともかくとして、一度体感してみなければ納得して諦めることもできないという考えがあっての判断だと思います。


もちろん、かなり単純化して語ってはいます。
難しいのは、「都会に住む人は恵まれている」という考え方が、ともすれば差別的になりかねないという点です。
かといって、「都会も田舎も変わんないでしょ」と言ってしまうのも、首都圏に住む人間の驕りになりかねませんね。

この問題については無理矢理何らかの答えを出す必要はないと思います。客観的な意見はどうしても持ちづらい問題です。


ただ、確実なのは、首都圏に住んでいて大学にも通えている僕が、「活動するための様々な環境」が整っている、かなり選ばれた条件下にある若者であるということです。
何かしたくても、それがどうしてもできない外的要因があるわけでもなく、やろうと思えばある程度のことはできる、という環境に居ます。

それは結構、忘れがちなことだと思うんです。なので、あえて「選ばれた」という表現を使って、自分に言い聞かせるように書きました。
環境が整ってることって、若い学生にとってはすごくすごく重要なことなんだと思います。
その自覚を持って、具体的には図書無料貸出冊数無制限の日吉メディアセンターへの感謝を持って笑、学生生活過ごしていけたらいいかな、と思います。