　第一回、第二回WBCで連続MVPを取った松坂大輔は新人の頃、『球は滅法速く、ストレートは解っていても打てない。ただ、制球は良くない。』という投手だった。四球が多く、１試合に１５四球、投球数１６０球で完投勝利。等という試合もあった。

　東尾監督は、短気な主戦の伊東捕手ではなく、控えの中嶋捕手と組ませた。中嶋は、『四球は気にするな。点さえやらなければ良いんだ。とにかく腕を振って、お前の一番良い真直ぐを投げて来い。』とアドバイスする。伊東なら、四球にイライラし、『ストライクを投げんか！』と、松坂の良さを潰していたことだろう。伊東と中嶋の性格の違いを見抜いた東尾監督の眼力が、日米野球の歴史に名を残す大投手を育てたのだ。

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　中嶋は、引退後、コーチ・二軍監督を経て、オリックスの監督に就任。そのころから、オリックスの投手の球速が急に上がった様に感じた。出て来る投手、出て来る投手、１５０キロ台の剛球を投げ込んでくる。それまでの、コントロールを気にして『球を置きに来る様な』弱い球が見られなくなった。

『四球など気にせず、思い切り自分の力を出し切れ』中嶋監督が、オリックス投手陣に指導する基本方針だ。

その結果、最下位の常連だった彼らはパリーグを３連覇しようとしている。

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翻って我がホークス。

藤本監督は、昨年の悔しい、悔しいV逸を受けて、投手陣に注文を出した『とにかく、四球を減らしてくれ』。

確かに四球は、守りの時間を長くし、野手も首脳陣も、そして我々ファンも、イライラする。出来るならば、ストライクをドンドンとって、早く守備を終わらせてほしい。しかし、その為に、力のない球をストライクゾーンに置きに行き、痛打されるシーンを何度見せられたことか。。。。

指導者は、誰よりも、我慢強くないといけない。。。。。

指導者は誰よりも……