長嶋茂雄は、立教大学卒業後、南海ホークスに入団する予定だった。先輩の大沢親分を通じ、毎月２万円の栄養費（今の価値では２０万円）を受け取り、友人の杉浦忠も誘って南海入りを決意していた。

そんな中、巨人が母親に攻勢をかける『息子さんを遠い大阪などにやってはいけません。契約金は、南海以上のものを用意しています。』・・・讀賣系の報知新聞が、これをスクープし、南海の球団幹部に動揺が走る。・・・『どうなっているんだ！』長嶋を大阪に呼び寄せ、問いただすことになった。大阪に向かう汽車の中、長嶋は『ご心配いりません。お約束通り、南海にお世話になります。』と話そうと考えていたという。

ところが、長嶋に事の真相を詰問していた球団幹部が、不要な一言を言ってしまった。『今までに払った栄養費はそうなるんだ！万が一、君が巨人と契約したら全額返してもらうからな！』・・・この言葉で事態は一変する。『南海は俺を信用していない。。。こんな球団に、自分の運命を預けるわけにはいかない。。。』

帰京する汽車のなかで、長嶋は逆転巨人入りを決意する。

その後、プロ野球の歴史を変える至宝を、南海は失ってしまったのだ・・・

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日曜日の大河ドラマ『どうする家康』、桶狭間で主君の今川義元の首を取られた家康は、領地の三河の国を守るため、織田軍との戦いの準備をしていた。『織田につきなさい』という実母の助言にも耳を貸さなかった。人質という形ではあったが、自分を育ててくれた今川家に恩義を感じていたのだ。

そんな中、兄の様に慕っていた今川氏真から書状が届く。『駿府には、奥方と子がいることをお忘れめさるな。』もし裏切れば、人質の命は保証しないという脅しの文である。

歴史学者の中には、この手紙が家康の心を変えてしまったという人もいる。『氏真は自分を信用していない。。。』今川を裏切り、織田につくことを決意することになる。今川家はその後、武田・徳川連合軍により滅亡させられる。

昔も今も、余計な一言は、命取りになることを肝に銘じたい・・・・

余計な一言は……