博多と北九州では、人々の気質が少し違うそうだ。
国際都市の博多人は、開放的で親切、温かい感じの人が多い。一方で長年工業都市として栄えて来た北九州は、男らしく、はっきりした性格だというのだ。
確かに、福岡ドームで野球を見た翌日に北九州市民球場に行くと、ファンの熱量が随分違う事に気づく。凡プレーには容赦ない野次が飛ぶし、応援の声量も格段に大きくなっている。
その大人しいはずの博多のファンが昨日18日の天王山の逆転劇では、とても熱くなっていた。
10安打の日ハムに押されっぱなしながら、救援陣が何とか粘って迎えた8回裏、栗原の同点ホームランが出て球場は一気に盛り上がる。満塁のチャンスを作り代打・川瀬が打席に立つと、登場曲YAH・YAH・YHAを観客が自然発生的に大合唱し始めた。合唱は延々と続く。途中から『か、わ、せ!』という合いの手も入れての大合唱に、敵のセットアッパー田中正義も動揺したか、押し出し四球を出し、もぎ取った川瀬は渾身のガッツポーズ。球場全体も割れんばかりの歓声に包まれた。
この試合、3回途中で先発・大関をおろし、松本晴を出してピンチを切り抜けた神采配が話題になったが、私は決勝点はこのYAH・YAH・YAHの大合唱でムードをガラリと変えたファンの力も大きかったと感じた。
思えば12日の京セラドームで0-0で踏ん張っていた上沢に代わった松本祐樹が8回裏、勝越し点を奪われ、好投上沢を見殺しかと思われた9回表、粘って粘って2点取って逆転勝ちした試合もそうだ。ビジターにも関わらず関西の鷹ファンの土壇場9回表の声量は物凄く、抑えに登場した相手・マチャドの投球毎に『オイ…オイ…オイ!』とプレッシャーを掛ける声は、耳をつんざくばかりで、彼が一塁けん制を悪送球した場面でも、大きな重圧になっていた様な気がする。
これにはヒーローインタビューで上沢も『皆さんの物凄い声援が、チームの力になっていました』と語っていたほどだ。
奇跡の逆転劇の裏には、いつもファンの後押しがある…。