今朝の新聞で、大阪府警が犯罪件数を過少申告していたことが報じられています。
大阪府は犯罪件数が東京を上回り全国ワースト1位を続けていました。
そのために汚名返上にむけて激しいプレッシャーがかかっていたようです。
確かに大阪府内の警察では証拠物件の紛失や隠ぺいなどの不祥事が相次いでおり、警察の体質や体制に問題があると思います。
しかし、そのような体質や体制についての対策を何もとらないまま、ただ「脱ワースト1位」のプレッシャーだけをかけつづければ、このような情報操作が行われることは想像に難くありません。
組織の長たるものは目標を明確に下に示さなければいけませんが、単に目標、特に数値目標だけでは今回のように数値をとりつくろう者が出てきます。
プレッシャーが強ければ強いほどその傾向は強くなります。
係長、課長、部長をとわず営業部門を預かっていると当然目標を部下に与えます。
しかし目標とプレッシャーだけでは成果はあがりません。場合によっては違法取引や数字のねつ造などの不祥事が起こります。
適度なプレッシャーは必要ですが、過度なプレッシャーは禁物です。プレッシャーよりも目標をブレークダウンしてどのような活動をするべきかを共に考えることがリーダーの役目です。
多くの営業部門で目標とプレッシャーを与えるだけのリーダーを見かけます。改善してほしいと思います。
大阪府警の件では、橋下府知事(当時)からかなり強いプレッシャーがあったようです。
目標をブレークダウンすることを行わなかった警察幹部の責任は重大ですが、体質・体制に問題があることが分かっていながら非常に強いプレッシャーだけをかけ続けた知事にも責任の一端はあるのではないでしょうか。もっと何か協力的な手を差し伸べるべきだったと思います。
一方的な上意下達や対立的な上下関係では成果が出ないどころか不祥事が起きるという例ですね。