営業の話とは直接は関係がないのですか、今日のニュースとして日米首脳会談後の共同声明が発表されましたが、その中でTPP交渉が合意に至らなかったとのことです。
甘利担当大臣とフロマン米通商代表との交渉は難航を極め異例の40時間もの長時間となり、甘利大臣は「もう一度担当相をやりたいかと言えばやりたくないです。」とうんざりした表情で語っていました。
フロマン代表は典型的なアメリカスタイルの交渉の強面とのことで甘利大臣も辟易としたでしょう。しかし、安易にブラフ(脅し)にのらず不利な要求を飲まされなかったのは甘利大臣の功績だと私は思います。
私自身は外資系企業に永らく勤め、また営業として多くのグローバル企業を担当してきました。外国人との交渉の経験も多く積みました。
外国人との交渉と言っても、私の経験した範囲ではアメリカスタイルとヨーロッパスタイルは結構異なります。
ヨーロッパスタイルの方が洗練されていて、なおかつ「したたか」です。
アメリカスタイルは力任せで強引です。まるで西部劇のようで、ブラフを多用します。まず自分たちの要望の2倍、3倍を最初は吹っかけてきます。
これで大概の日本人は押されぎみになり、相手のペースになってしまいます。
私も最初の内はこれに悩まされました。しかし段々と勉強して経験を積んで彼らのやり方が分かると大分うまくこなせるようにはなっていきましたが。
報道によるとアメリカ側は来日してから要求項目が増えたとか、尖閣問題を声明に盛り込まないことを交渉のカードに使ってきたとか、本来の交渉から言えばルール違反を平気で犯しています。だいたい、尖閣問題は安全保障問題ですので通商代表には何の権限もありません。ですから完全なブラフです。
アメリカスタイルの交渉相手には絶対にブラフに屈しないことです。ブラフを使うということは実は彼らは他にカードを持っていないことが多く、交渉は堂々巡りになり、時間ばかりが過ぎていきます。結局は体力勝負になります。今回はその典型的パターンだったようですね。
営業の交渉については後ほど書きますが、アメリカスタイルの交渉術は日本で実践するのはどうかなと私は思っています。