偉い人の失言「大事な時に必ず転ぶ」 | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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今日もNHK会長が失言の上塗りをしていましたね。この頃色々な人が失言をしていますが、最近最も注目を浴びたのは、浅田真央選手に対して「大事な時に必ず転ぶ」と発言した森 元首相じゃないでしょうか。当初はブーイングの嵐だったのですが、少しして森さん擁護論も出て来るようになりました。

私は上に立つ人として、この発言はどうだったかなぁという思いです。

私にもこんな経験があります。
まだ新人の女性の営業が非常に熱心で普段からよく私に質問をしてきます。私はその心がけをとても高く評価していました。
支店長会議で支店長たちを前にこの女性営業の熱心さを披露し称えました。しかしほんの一言言い方がまずかったのです。
「彼女はいつも熱心に質問してくる。だから私も面倒くさいけれども色々と教えている。」
この「面倒くさい」が独り歩きしてしまって、彼女の耳に入ってしまいました。
それ以降彼女は質問に来なくなってしまいました。
私の大きな失敗です。

当事者と面識のない人々が居酒屋で「大事な時に必ず転ぶ」と話している分には別に問題はないと思いますが、公の場での講演で語るのは当事者の耳に入るということを前提に話さなくてはいけないでしょう。浅田選手やスケート連盟の関係者などが耳にして良い気持ちはしないと思います。モチベーションに影響が出る可能性があります。
擁護論の中には、「そんなことを言われて気にするようでは精神力が弱い」といった意見もありました。評論家的にはそれはそれで正しいと思います。しかし選手によってはナイーブな人もいます。
昔巨人V9の全盛時代、川上監督は王、長嶋の二大スーパースターを擁して勝ち続けました。その時の逸話として、王選手には人前で叱責することは行わず、逆に長嶋選手にはチームメートの前で面罵したそうです。このように人それぞれの性格に合わせて指導するのが上に立つ人にとっては重要です。特に浅田選手が森さんが言うように「大事な時に必ず転ぶ」というのであれば、非常にナイーブなはずです。そのような人には不適切な発言だったと思います。
擁護論のもうひとつに、「全体ではなく発言の一部だけが報道されて誤解された。全体を読めば森さんの本意は浅田選手を励ますことだ」というのもありました。しかし、これだけの公人ですから一部だけを伝えられる可能性があるということは十分承知されているはずです。何十年も政治家をされているのですから。もしそれがお分かりでないようなら、五輪組織委員会会長という立場には不適だと思います。